【書籍】プロレスとアイドル | ~‡コキュートス‡~

【書籍】プロレスとアイドル

(−A−)という事で…

今回紹介するのは、プロレスファン歴○十年の私が現在最も推している団体でもある『東京女子プロレス』に関連した、こちらの1冊。
■'24.3/11 読了
『プロレスとアイドル 東京女子プロレスで交錯するドキュメント』
小島和宏 著
(2024年2月3日 第一刷発行)

(−A−)◎


 

元『週刊プロレス』記者でアイドルの取材も手掛ける小島和宏が、東京女子プロレスで活躍する現役アイドルの荒井優希と渡辺未詩、元アイドルでもある瑞希と伊藤麻希という “令和の女子プロレス” を象徴する4人のアイドル&プロレス人生を深掘りしたノンフィクション☆



(−A−)まず最初に…


著者の小島和宏氏のざっくりしたプロフィールは↓な感じですが…

Wikipediaにも小島和宏氏の項目あったんで、興味ある方はどうぞ。


小島氏はプロレス記者時代の経験を活かして、往年のプロレス関連の書籍も多数上梓されてまして、私もこれまでに『ぼくの週プロ青春記』『憧夢超女大戦 25年目の真実』『W★ING流れ星伝説』『FMWをつくった男たち』の4冊を読ませてもらいましたが、そのいずれもメチャクチャ興味深く面白かったです◎

↓の『FMWをつくった男たち』を紹介した不肖私の "書評もどき記事" 内に、その他の3冊についての記事のリンクもありますので、よかったら見て下さいませ。


(−A−)そんな小島和宏さんですが…


これまで私が読んだ小島氏のプロレス関連の著作は、氏が現場記者として取材していた'90年代のプロレスがテーマだったわけですけど…本作『プロレスとアイドル』は、まさに現在進行形の女子プロレスと女子プロレスラーについての1冊なんですね。


「女子プロレスがまた盛り上がってきてるから」という理由もありつつも、そこに『アイドル』という要素が大きく関わった内容であり、アイドルの現場も取材してきた小島氏ならではの切り口での1冊と言えるでしょうね。



(−A−)本書で取り上げられた4人…


荒井優希、渡辺未詩、瑞希、伊藤麻希については、彼女たちのWikipediaなんかを見れば、ざっくりとはこれまでの道のり等は分かりますし、私もある程度は把握してはいますけど…そうしたデータや年表的なものでは分からない当時の感情だったり心境だったりと共に、彼女たちのこれまでのアイドルとしてプロレスラーとしての人生が綴られた1冊となっています。


以下、本書の目次と小見出しになります。




はじめに

アイドルとプロレスの親和性を実証するための10年間



第0章

昭和のプロレスが終わった日、東京ドームで「令和の新しい女子プロレス」が始まった


昭和と平成の「最終回」

でも、これで終わったら困る!


壮観……現アイドルと元アイドルが、ド揃い踏み!


令和の新たなる歴史、開幕。

だが、ここはまだゼロ地点にすぎない



第1章 荒井優希  Yuki Arai

ひょんなことからアイドルになり、

なんとなくプロレスラーになった……。

令和の二刀流を生んだ「意外性」の物語


SKE48の現役メンバーがプロレスラーになった令和の奇跡


あえて「遠くでアイドルに」なりたかった理由


ファンとの強くて深すぎる「絆」


リングで甘やかされた「バブリー荒井」


最初は半年でプロレスを辞めるつもりだった


徹底的に取材しよう、と思えなかったいくつかの理由


なぜ試合後のコメントが味気ないのか?


アイドルとプロレスラーの私は「別」


アイドルとプロレスをつなぐ架け橋


プロレス人生を変えた赤井沙希との出会い


アジャコングが敗戦を意識した日


12時間でアイドルからレスラーへ!


完成形、されど通過点


託されたA、離れゆくA



第2章 渡辺未詩  Miu Watanabe

アイドルも、プロレスも

ゼロから始める二刀流生活

唯一無二の世界観で夢を叶えるトップランナー


高木三四郎「大社長」の恐るべし行動力


ももクロが与えてくれたプロレスへの「太鼓判」


社長に抗議!「もっとアイドルをやらせてください」


もうフツーのアイドルには戻れない?


アイドルとしてのポテンシャルは本物か?


乃蒼ヒカリだけはプロレスを知っていた


のんびり鉄オタ娘・らくが拓く異能路線


元バスガイドが悪戦苦闘するプロレス街道


夢のまた夢、東京ドームで感じたこと


ジャイアントスイングだけに頼らない闘い方


まさに夢!アイドルとして全米進出?



第3章 瑞希  Mizuki

「なにもの」にもなれなかった少女が

アイドルを諦めて、プロレスに専念したら、

はじめての「自我」が芽生えた


日本の女子プロレスラーの中でいちばん細い


ふとしたきっかけで、いきなり二刀流!


特殊すぎる環境……深夜バスで号泣


二刀流を数万人の前でアピール、するはずが……


ついにアイドルを断念。そのシビアすぎる理由


プロレスって、こんなに楽しいんだ!


新しい居場所、変わる私


坂崎ユカが人生を変えてくれた


苦悩と涙が生んだ超凄技「渦飴」


ついに東京女子プロレスの頂点へ!


チャンピオンとして背負う覚悟


「伊藤!瑞希!どっちも負けるな!」


東京ドーム、そして世界へ!



第4章 伊藤麻希  Maki Itoh

アイドル、タレント、プロレスラー

史上初の「三刀流」のはずが、なぜかホームレス寸前

新時代のカリスマの波瀾万丈すぎる半生記


知れば知るほどわからなくなる存在


こどものころからうぬぼれていたわたし


HKT48 1期生オーディション、屈辱の落選……


LinQの一員としてアイドルに!


プロレスとの出会い、そしてタレントとしての限界


もうプロレスから逃げたい!


デビュー直後に抱いた違和感


ほかにどこにもいないプロレスラーに


東京ドームで仕掛けた「大バクチ」


プロレスラー・伊藤麻希が進む道



最終章

それぞれのアイドル道、それぞれのプロレス道。

そして、クロスしていく、

2024年からの新しい「未知」


アイドルとプロレス、その答えはひとつではない


AKB48グループとハロプロ系が「共存」するリング


2023年は「瑞希の年」だった


「これからはどんどん期待してください!」


伊藤麻希が拓いた道を、ジャイアントスイングでかき回せ!



おわりに



( ̄ー ̄)はい、どうですか?


…と言われても、彼女たちを知らない人にはチンプンカンプンでしょうし、ある程度知ってる人でも目次・小見出しだけでは「これは多分あの事だろうけど、ここはどういう意味?」となる部分があるでしょうね。


「どういう事?」と気になったら、本書を手に取って読んでもらうのが一番です(笑)


(−A−)と、まとめてしまうのも…


あまりに投げっぱなしなので、ちょっとばかり補足しますと…『アイドル』という共通のキーワードこそある4人ですが、それぞれ全く違った形で『アイドル』というキーワードに関わってくる4人でもあるんですよね。


荒井優希は、SKE48というメジャーアイドルグループのメンバーでありながらプロレスにチャレンジし、そのままアイドルとプロレスの両方本気でやってる形。


渡辺未詩は、そもそもが「アイドルとプロレス」両方をやるコンセプトのアップアップガールズ(プロレス)のメンバーとして、アイドルとしてもプロレスラーとしても同時にスタートし、そのまま現在に至る形。


瑞希は、その後のアップアップガールズ(プロレス)と同じく「アイドルとプロレス」を両方をやるコンセプトのプロジェクトに参加するも、アイドルとしての活動は頓挫…プロレスに専念し、東京女子プロレスに出るようになってプロレスラーとして開花し、トップ選手になった形。


伊藤麻希は、博多を拠点とするアイドルグループLinQのメンバーとして行き詰まっていたところでプロレスラーとしても活動を始め、LinQをクビ(※厳密にはクビとは違うようですが。)になってプロレスに専念したら、現在は日米を股に掛けて活躍するほどの売れっ子プロレスラーになった形。


現役アイドルでありプロレスラーでもある。という意味では荒井優希と渡辺未詩は同じかも知れませんが、前述のようにそもそものスタート地点が違うわけで、似て非なる二刀流。ですし…


アイドルとプロレスの二刀流からアイドルを辞めてプロレスに専念して成功した。という意味では瑞希と伊藤麻希は同じかも知れませんが…やはり厳密には似て非なる経緯なわけで。


まさに四者四様なんですよね。



(−A−)という事で…


本書は東京女子プロレスのファンなら勿論の事、「最近よく聞くアイドルがプロレスもやってるって何なの?」と気になってる人は必読というか、非常に興味深く読める1冊ですね。


良書です◎


(−A−)y~ムフフ










本書執筆時点では「まだ」とされていた荒井優希のシングル王座獲得が本書発売前に実現し、本書発売直後?には荒井優希のSKE48選抜メンバー復帰が実現していて…まさに現在進行形の人たちを扱った本だなあ。と思いました(笑)