【書籍】プロレス深夜特急 | ~‡コキュートス‡~

【書籍】プロレス深夜特急

(−A−)という事で…

昨年9月に読み終わりながら、ブログに書くのが今になってしまったこちらの一冊を簡単に紹介。


■'21.9/14 読了

『プロレス深夜特急 プロレスラーは世界をめぐる旅芸人』

TAJIRI 著

(2021年6月30日 第1刷)


(−A−)○

 

 

世界最大のプロレス団体『WWE』を初め様々な団体で活躍し、現在は全日本プロレスにレギュラー参戦している "ジャパニーズバズソー" TAJIRIが、2017年11月から2019年8月に掛けて断続的に行った、イタリア、マルタ、ポルトガル、オランダ、アメリカ、フィリピン、シンガポール、マレーシア、香港での海外遠征における闘いと酒と食と文化、そして "おかしなヤツら" に出会った旅の記録にして、プロレスを通して見えてくる豊穣な世界と未知なる各国の素顔を記した旅日記風エッセイ☆


プロレス・格闘技情報サイト『プロレス/格闘技DX』にて2018年〜2019年に連載されたコラム『プロレスと酒があれば生きていける/プロレス深夜特急』から抜粋、加筆・修正を加えたもの。との事です。



(−A−)TAJIRI選手の著作と言えば…


以前読んだ『プロレスラーは観客に何を見せているのか』を↓の備忘録内で紹介した事がありますが…

 

 同書は自らの足跡を振り返りながらプロレス論について語った一冊でしたが、本書『プロレス深夜特急』は、沢木耕太郎が自らの旅行体験に基づいた紀行小説『深夜特急』からタイトルを拝借したと思われ…


 

 

 その名称通り、世界各国に遠征したTAJIRI選手の旅日記的な形を取りつつ、その国のプロレス事情や体験したエピソード等が綴られた一冊となってます。


…とか言っといて、沢木耕太郎の『深夜特急』、本のタイトルを聞いた事はあるけど読んだ事は無いんですけどね、私(汗)



(−A−)それはさておき(笑)…


細かい内容まで紹介してると大変なので(←おいw)、目次を書いときますので何となくでも内容想像してみて下さい。



【まえがき】

プロレスラーは、プロレスがなければ死んでしまう生き物である

【第1章】

美少年の国と砂の男の国

―イタリア、マルタ篇―
◆旅のあと①イタリアの「子供」は今ーー


【第2章】

旅人は理想郷をさがし求める

ーポルトガル、オランダ篇ー
◆旅のあと②危険な街で危険な目に遭わない方法

【第3章】

プロレスで金持ちになれる世界唯一の国
ーアメリカ編ー
◆旅のあと③なぜアメリカのプロレスはいつの時代も面白いのか

【第4章】

混沌と神秘、アジアのプロレス
ーフィリピン、シンガポール、マレーシア、香港篇ー
◆旅のあと④プロレス後進国からのオファーに応えるのもオレの旅だ

【特別師弟対談】vs.朱里(スターダム)
プロレスラーを磨く、タフな旅に出よ!

【あとがき】
人類が危機に襲われても空は蒼く、人生の旅は続くのだ



ちなみに、各章末の『旅のあと』①〜④、第4章の中の『2021年4月某日』のホーホー・ルン選手への電話直撃、かつての弟子で現在ワールド・オブ・スターダム王者の朱里選手との対談は、単行本化にあたっての書き下ろしとの事です。


誤解されないように言っときますと、ほぼ時系列に書かれてはいるものの、ここに出てくる国を順番に回ったワールドツアーという事ではなく、あくまで各章の舞台となる国への遠征は(連続する場合もありますが)それぞれ別の遠征で、その国に何年後かに来訪した話など時期が飛んだりもする構成となっています。



(−A−)プロレスは…


やれ「誰が強い」だとか、「誰と誰の試合が観たい!」とか、そういう事だけではなく、様々な見方・楽しみ方が出来るジャンルなんですけど、世界を股に掛けたプロレスラーの視点に立てば "旅" でもあるんですよね。


「プロレス人生という旅」みたいな抽象的な意味ではなく、リアルな旅という意味で。


その視点はプロレスラー自身でなければ体験は出来ないものであり、そういう意味で本書は非常に興味深い一冊でしたね。


敢えて言うなら、当記事の↑の方にリンク貼った私のブログ記事『'20【備忘録】書籍(プロレス・格闘技)②』の中で紹介してるディック東郷著『東郷見聞録』と似た感じの "旅日記風エッセイ" ですかね。

 

 


(−A−)という事で…


プロレス自体はあまり知らない人が単なる旅日記として読んでも楽しめるでしょうし、プロレスファンであるなら見知らぬ異国のプロレス事情を知る面白さもある一冊ですね♪


(−A−)y~ムフフ












写真のキャプションは本書最大にして唯一のダメなところですね。興味深い現地での写真が豊富に載ってるんですが、そのキャプションが例外無く "くだらない、笑えない冗談" だというね(苦笑)。そこはちゃんとした写真の説明をして欲しいとこだって!売り上げ次第では続編も出るかも?という話ですが、続編出すならあのキャプションはやめて下さい、マジで。サービス精神なんだろうけど、せっかくの良書があれでかなりマイナスですから(爆)