【映画】十二人の死にたい子どもたち | ~‡コキュートス‡~

【映画】十二人の死にたい子どもたち

(ーAー)という事で…

今回紹介するのは、原作・冲方丁、監督・堤幸彦によるこちらの作品。


■’21.1/15鑑賞
『十二人の死にたい子どもたち』
(2019年公開)

(ーAー)☆☆★

集団自殺するために見ず知らずの12人の少年少女が廃病院に集まるが、そこには居るはずの無い “13人目” の少年の死体が横たわっていた!…という冲方丁の長編ミステリー小説を、堤幸彦監督が実写映画化した、若手俳優12人による密室劇☆


冲方丁による同名小説は、『別冊文藝春秋』2015年7月号から2016年7月号に連載され、同年10月15日に文藝春秋より単行本発売、2018年10月10日には文春文庫より文庫化されたもので…SFや時代ものを手掛けてきた冲方丁初の長編ミステリーだそうです。
■共に自殺する者を募るWebサイトに応募し、集団自殺するために廃病院に集まった少年少女たち。

指定された地下の部屋には、既に1人の死体がベッドに横たわっており、傍に睡眠薬もあったため「待ちきれずに自殺したのだろう」と他の参加者たちは思っていた。

しかし、自殺サイトの管理人でもあるサトシ(高杉真宙)が12人目として最後に姿を見せた事で、ベッドの死体は “いるはずのない13人目” である事が発覚する。

参加者たちはそれぞれが自分なりの “自殺したい、あるいはしなければならない理由” を持っていたが…13人目を誰が連れてきたのか、もしかしたらこの中に犯人がいるかも知れず、このまま集団自殺すれば全員が犯人扱いされる可能性があった。

構わないから早く自殺しようと主張する者もいたが、13人目の謎をはっきりさせてからじゃなきゃダメだという者も現れ、この集いのルールである「全員一致」に則って「このまま計画を実行すべきか、あるいは13人目の正体と謎を解明すべきか」の決が取られる。

少数ではあったが「13人目の謎を解いてからじゃなきゃ死ねない」という者が出たため、彼らは全員の意見が一致するまで、謎の解明を求めて議論を進めていく事になる……。

(ーAー)y‐~


(ーAー)えー、今回のレビューは…

Wikipediaや私が記事の参考にしている某映画サイト等にも明確なあらすじが載ってなかったので、いつもとは違った感じで書いてきますね。


先ず、少年少女たちを紹介しますと…

※サトシ(高杉真宙)
…この集いの主催者且つ自殺サイトの管理人で、過去にもこうした集いを開催したが、“全員一致” のルール故か、いずれも集団自殺は中止になったらしい。家族の自殺を経験して以来、本人曰く「死に取り憑かれている」が、他の参加者のような自殺願望が必ずしもあるわけではなく、集いの参加者次第で中止になっても構わないと考えている。冷静沈着。

※ケンイチ(渕野右登)
…空気が読めない性格が原因で、中学時代から酷いイジメを受けるようになり、自殺するために集いに参加。

※ミツエ(古川琴音)
…大ファンだったロック歌手が自殺したため、その後を追って自殺しようと集いに参加。有名人であるため途中まで正体を隠して参加していたリョウコの正体を知ると、彼女の自殺実行に猛反対する事になる。ゴスロリファッションをしている。

※リョウコ(橋本環奈)
…物語中盤までマスクと帽子を着用して正体を隠していたが、参加者の一部から顔を見せろと言われて明かした正体は、雑誌の表紙を飾るほどの人気芸能人・秋川莉胡(アキカワ・リコ)。本来の自分として死ぬ事で「大人たちに造られ、搾取される芸能人としての自分を葬るため」この集いに参加。

※シンジロウ(新田真剣佑)
…進行性の病気を抱えており、「自分で意志表示が出来なくなる前に、自分の意志で死にたい」と集いに参加。両親が警察官で、本人も大の推理好き。曰く「思考が唯一の楽しみ」との事。

※メイコ(黒島結菜)
…溺愛する父親が経営する会社が傾いたため、「一生父親に自分の事を忘れないでいて欲しい」という思いと、父親の後妻の鼻を明かすために、自ら掛けた保険金で父親の会社を立て直す目的で集いに参加。

※アンリ(杉咲花)
複雑な家庭環境に生まれ、弟を過去の火事で亡くし、実は足に大火傷の痕がある。「生まれて来なければよかった」という子供を増やさないために、自分の母親のような身勝手な大人たちへの抗議としてこの集いに参加。12人の中でも少しでも早い集団自殺実行を望んでいる。全身黒ずくめの服装。

※タカヒロ(萩原利久)
…吃音症を初めとする心身の異常が完治せず、「治る見込みの無いまま一生暮らすのは無理」と集いに参加。心身の異常の原因は母親から与えられ続けている薬であると思われ、薬を飲んでから時間が経ったからか、物語が進むにつれて症状は良くなっていく傾向にある。 

※ノブオ(北村匠海)
…イジメに遭っていた過去があり、イジメの主犯格の生徒を学校の階段から突き落として殺害した過去がある。事故として処理され、事件が明るみに出る事は無かったが、黙ったまま生きている事に葛藤を感じ、集いに参加。

※セイゴ(坂東龍汰)
…母親が自分に生命保険を掛けている事を知り、保険金を受け取らせないために「自殺では保険金が降りない期間内」に自殺しようと思い、集いに参加。見た目は不良だが、弱者には優しい一面もある。

※マイ(吉川愛)
…感染したヘルペスが不治の病だと思い込んで自暴自棄になり、集いに参加。難しい事はよく分からないらしい。

※ユキ(竹内愛紗)
…兄と自転車に乗っている時に事故に遭い、兄が植物状態となってしまった自責の念から、集いに参加。あまり目立ない性格で、事故の後遺症で左手が不自由。

以上が「当初予定の12人」ですが、謎の13人目は「最初から参加者が集まる部屋に寝かされていた」事から、サトシにより仮称として『ゼロバン』(とまん)と命名されました。


■本作は「若い俳優の演技力が試せる作品を創出する」がコンセプトだったらしく、密室での心理戦が中心となるため、個々のキャラクターを深く掘り下げ演じる “役づくり” の能力や、集団演技において相乗効果を生み出す俳優同士のコンビネーションや爆発力が求められたそうです。

そんな本作のキャストは、出演のオファーを受けて作品の趣旨に賛同した杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈の6名と、オーディションによって抜擢された吉川愛、萩原利久、渕野右登、坂東龍汰、古川琴音、竹内愛紗の6名の計12名…「次世代を担う若手俳優」が顔を揃えました。

( ̄ー ̄)とか何とか…

Wikipediaの記述を基に書いてはみましたが…ぶっちゃけ私が顔と名前が一致する(知ってる)のは、橋本環奈と杉咲花、辛うじて新田真剣祐ぐらいですけどね(笑)


(ーAー)ちなみに…

物語途中まで帽子とマスクで顔を隠していた “リョウコ” は、劇場公開の約1ヶ月前の’18.12/23午後4:00に東京・大阪・福岡の街頭ビジョン(?)で一斉に正体が明かされるまで、公式サイトにおいても誰が演じてるのか隠されていたそうです。

まあ、面白い仕掛けだなぁ。と思う反面「劇場公開まで秘密にしといたら尚良かったんじゃね?」と、ツッコミたいですね(笑)


(ーAー)閑話休題。


■自殺するために集まったという共通点はあっても、彼ら・彼女らの「死にたい理由」は当然のように様々なわけで…

「とにかく早く自殺したい」人と「自殺だとはっきり認識させる死に方じゃなきゃ意味が無い」という人などが混在しているため、単純に「13人目は気にせず、計画通り自殺しましょう」とはならないわけです。

“全員一致” がこの集いの絶対的なルールであり、じゃあ死にたい人は1人で死ねばいい。とはならない。1人で命を絶てる人間なら、わざわざ見ず知らずの人間と集団自殺しようという集いに参加なんかしないわけでね。

(ーAー)そんなこんなで…

この廃病院に来た順番から、手掛かりらしき物を見た・見ないなどの1人1人の証言から13人目が連れて来られた時間なんかを推理していくんですね。

そんな中で、謎を解かなきゃダメだと反対する人間が階段から突き落とされたり、謎解きの途中にも新たな展開があったりします。

で、先に書いたような「それぞれの自殺したい理由」等が明かされていく過程で、当初は見えなかった各人の人物像が見えてくる。


(ーAー)こうして漠然と説明してると…

非常に面白そうに思うかも知れませんが、実際に見るとなかなかイライラします、これ(苦笑)

また、「集団自殺のために集まった少年少女が、集団自殺するために謎を解く」となった段階で…これ、結局自殺はしないでハッピーエンドになるんだろうな。と思ったんですけど、本当にそんな展開だったんです(苦笑)

そりゃ少年少女の集団自殺決行というエンディングにはならないだろう事は、地上波ゴールデンで放送してる事からも分かってましたけど…

分かっちゃいても、全員がまた生きる希望を持って晴れやかに解散♪とか…てやんでぇ、べらぼうめいっ!ですよ(爆)


( ̄ー ̄)しかも…

この集いを主宰した自殺サイトの管理人サトシの真の目的は「自殺志願者を集めて “全員一致” のルールを利用して自殺をやめさせる」事みたいなんですね、明言はしなかったですけど。

それを指摘したアンリは「次回も参加するわ。自殺させたくない主宰者が参加するなら、必ず自殺したい参加者がいてもいいでしょ?次回は全員一致で自殺してみせるわ♪」みたいな事を告げるんですよ(汗)

ああ、こいつらイライラする(爆)


(ーAー)という事で…

あまりお薦めは出来ないレベルの作品ですが、クソガキどもにイライラしたいという奇特な方は観てみるのも一興かも知れませんね。

(ーAー)y‐~クックックッ










この年齢層で『十二人の死にたい子どもたち』というタイトルが一番違和感ありました。とAndroid携帯から投稿。そして…“13人目” の少年ね、生きてたんだってよ!はあこりゃこりゃ(爆)