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【読者のみなさまへ】

連載企画「もしも明日、あなたが会社という名の檻を脱走したら? 〜 限界を迎えたあなたへ捧ぐ。人生を取り戻す13日間の脱出計画書 〜」は、全13話でお届けする予定です。
毎日1話ずつ更新しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

【第7話】
「辞めます」と言った瞬間、会議室の空気が凍りついた。

 
 

「君には期待してるんだ」

「将来のリーダー候補だよ」

 

部長の口から出る、甘ったるい言葉の数々。


以前の私なら泣いて喜んでいたその言葉が、今は「私を縛り付ける鎖」にしか聞こえません。

私は、部長の言葉を遮りました。

 

大きく息を吸い込み、
震える膝を両手で押さえつけ、
その言葉を口にしました。

 

「部長、お話があります」


「会社を、退職させていただきたいです」

 

……。

 

会議室の空気が、一瞬で凍りつきました。


エアコンの音だけが、ブォーと響いています。

 

さっきまで満面の笑みを浮かべていた部長の顔から、
スッ……と表情が抜け落ちていきました。

 

能面のような無表情。
 

そして数秒後。
その顔は、私が今まで見たこともないような「般若」のような形相に変わりました。

 

「は?」
「お前、いま何て言った?」

 

低い、地を這うような声。

 

「ですから、退職を……」

 

「ふざけるなッ!!!」

ドンッ!
 

部長が机を思い切り叩きました。

 

「この忙しい時期に? お前が担当してるプロジェクトどうすんだ?」


「期待して損したわ。これだからゆとりは責任感がないんだよ」
 

「みんなに迷惑かかるって分からないのか?」

 

怒号のオンパレード。


あまりの剣幕に、私は萎縮して、言葉が出てきません。

 

「す、すみません…でも、もう決めたことなので…」

 

私が鞄から白い封筒(退職届)を出そうとすると、
部長はそれを制止し、冷たく言い放ちました。

 

「受理しないからな。そんな身勝手、認められるわけないだろ」

 

そして、私を椅子に座らせたまま、
決定的な「脅し文句」を突きつけてきました。

 

それは、法律知識のない私をどん底に突き落とす、悪魔の言葉でした。

 


【次回】
「会社に損害を与えるなら、覚悟しとけよ」


飛び出したのは「損害賠償」という言葉。

数百万? 借金?


パニックになったあなたは、泣きながら会議室を飛び出しました。

 

👉 【第8話】へ続く

ライターの辻藤です。

 

ライター業を、全く別の視点から語ったらどうなるか?

 

お届けするのは、そんな妄想を形にした新企画、

「ライター × 異業種カルチャー」シリーズです。

 

ライター自信が、個人的に取り組んでみたかったシリーズとも言え、需要はあまり期待してません(笑)

 

ということで、本日は【ライター × 料理(シェフ)編】をお送りしていきます。

 

年末年始期間の少し面白話として、どうぞお楽しみください。

 


【ライター × 料理(シェフ)編】

素材(情報)を殺すも生かすも腕次第。三ツ星ライターの「極上記事」レシピ

 

 

「Bon Appétit(ボナペティ)!」


ようこそ、ビストロ・ツジトウへ。

 

ライターとは、言葉を紡ぐ職人であり、情報を調理するシェフでもあります。
同じ「大根(テーマ)を使っても、ある人が作れば泥臭い煮物に、ある人が作れば透き通るようなふろふき大根になる。

 

読者という名の腹ペコのお客様を満足させるには、どうすればいいのか?


今日は、厨房の裏側から、極上の記事を作り出す「三ツ星のレシピ」を公開しましょう。

 

 

仕込み(リサーチ):素材の泥を落とせ

料理の味の8割は、「仕込み(リサーチ)で決まります。


泥のついた野菜(不確かな情報)をそのまま鍋に放り込むシェフはいませんよね?

 

情報の裏を取り、一次情報を探し、泥を丁寧に洗い落とす。
この地味な下処理をサボると、食べた読者がお腹を壊します(炎上します)。

 

「新鮮な素材ですねぇ」


そう呟きながら、徹底的に素材を吟味する。
 

良い記事を書きたければ、PCに向かう時間よりも、素材と向き合う時間を長く取ってください。

 

 

味付け(構成):スパイスは控えめに

素材が良ければ、過度な味付けはいりません。


初心者ライターほど、濃いソース(煽りタイトルや過激な表現)で味をごまかそうとします。

 

しかし、美食家(賢い読者)は騙されません。


「素材の味(事実)を活かす」。これが鉄則です。

 

ただし、隠し味は必要です。


ほんの少しのユーモアというスパイス。
筆者独自の視点というハーブ。

 

これらがふわりと香る時、その記事はただの「情報」から、「作品」へと昇華します。

 

 

盛り付け(推敲・装飾):見た目が9割

どんなに美味しい料理でも、犬のエサ皿に盛られていたら食べる気はおきません。
記事も同じです。

 

  • 改行のない、黒々とした文字の塊。

  • 解像度の粗い画像。

 

これは、盛り付けに失敗した料理です。
 

余白という「空間」を使い、見出しという「彩り」を添える。

スマホの画面という小さなお皿の上で、どうすれば一番美しく見えるか。

 

「目でも楽しめる記事」を目指してください。
お客様は、(脳)で味わう前に、(視覚)で味わっているのですから。

 

 

まとめ:「ごちそうさま」のために

毎日、キッチン(デスク)に立ち続けるのは大変です。
火傷(批判)をすることもあるでしょう。

 

それでも、「美味しかった(面白かった)」「ごちそうさま(役に立った)という言葉を聞いた瞬間、すべての苦労は報われます。

 

さあ、今日のディナーは何にしましょうか?


最高の素材と、とびきりの腕前で、お客様をおもてなししましょう。

 

オーダー入ります!


極上のエッセイ、一丁!
 

ウィ!

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【読者のみなさまへ】

連載企画「もしも明日、あなたが会社という名の檻を脱走したら? 〜 限界を迎えたあなたへ捧ぐ。人生を取り戻す13日間の脱出計画書 〜」は、全13話でお届けする予定です。
毎日1話ずつ更新しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

【第6話】

急に優しくなった部長。「君には期待してる」という言葉の裏側。

 

トイレで一人落ち込み、席に戻った直後のことでした。

部長に呼び出された私は、覚悟を決めて席へ向かいました。
 

ですが、座らされたのは会議室ではなく、なぜか近くの椅子。
 

恐る恐る顔を上げると……

なんと、部長は仏のような満面の笑みです。


「あれ?」と拍子抜けする私に、部長は優しく言いました。


「〇〇(あなた)さん、最近元気ないね? 心配してたんだよ」


……は?
 

いやいや、昨日まで挨拶すら無視していたのはどこの誰ですか?
 

呆気にとられる私に構わず、部長は続けます。

 

「実はね、来期のプロジェクト、君をリーダーに推薦しようと思ってるんだ」
「君には才能がある。期待してるんだよ」

「うちは君みたいな人材を大切にしたいんだ」

 

まるで、私が辞めようとしていることを察知したかのようなタイミング。
いわゆる「引き止め工作」です。

 

1年前の私なら、この言葉を聞いて泣いて喜んでいたでしょう。
「認められた!」「頑張ってよかった!」と。

 

でも、
一度「外の世界(Sさんの姿)「搾取の事実(時給890円)を知ってしまった今の私には、
その言葉が、まったく別の意味に聞こえました。

 

『期待してる』
(= まだ文句言わずに働けよ)

 

『リーダーに推薦』
(= 責任だけ増やして、残業代は出さないけどな)

 

『大切にしたい』
(= 代わりの人材を探すのが面倒なんだよ)

 

部長の笑顔の奥にある、冷徹な計算が見えてしまったのです。
 

気持ち悪い。

こんな茶番に、私の人生を捧げていたなんて。

 

その瞬間、私の中の迷いが完全に吹っ切れました。

 

「この人は、私のことなんて1ミリも考えていない」
「自分の保身のために、甘い言葉で私を繋ぎ止めようとしているだけだ」

 

私は、笑顔で話し続ける部長の言葉を遮りました。

 

大きく息を吸い込み、
震える膝を両手で押さえつけ、
今度こそ、その言葉を口にしました。

 

「部長、お話があります」

 

会議室の空気が、一瞬で凍りつきました。

 


【次回】
ついに放った「退職宣言」

 

部長の表情は、優しい笑顔から一瞬で「般若」のような形相に変わりました。


そして始まる怒涛の修羅場。

飛び出したのは、耳を疑うような脅し文句でした。

 

👉 【第7話】へ続く

新年、明けましておめでとうございます! 

 

昨年は、大変お世話になりました。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

ライターの辻藤です。

 

ライター業を、全く別の視点から語ったらどうなるか?

 

本日お届けするお話しは、そんな妄想を形にした新企画、

「ライター × 異業種カルチャー」シリーズです。

 

ライター自信が、個人的に取り組んでみたかったシリーズとも言え、需要はあまり期待してません(笑)

 

ということで、本日は【ライター × マッチングアプリ編】をお送りしていきます。

 

年末年始期間の少し面白話として、どうぞお楽しみください。

 


【ライター × マッチングアプリ編】

案件獲得は「婚活」と同じ? 

クライアントに “右スワイプ” されるためのプロフィール戦略

 

 

「全然マッチングしない……」


「一度会っても、次(リピート)に繋がらない……」

 

あ、マッチングアプリの話ではありません。ライターの案件獲得の話です。

 

実は、フリーランスの仕事探しと「婚活」は、残酷なほど似ています。


スペック(スキル)が高ければモテるとは限らない。
イケメン(実績豊富)でも、メッセージが気持ち悪ければ即ブロック。

 

今回は、クライアントという名の運命の相手に「右スワイプ(採用)されるための、恋愛工学的な生存戦略をお話しします。

 

 

1. プロフィール写真は「盛る」な、でも「整えろ」

クラウドソーシングやSNSのプロフィール画像。


あなたは、暗い部屋で撮った自撮りや、意味不明な風景画にしていませんか?

 

それは、ジャージ姿で婚活パーティーに行くようなものです。
 

「清潔感」。これだけで上位2割に入れます。

 

ただし、過度な加工(実績の水増し)はNG。
実際にデート(納品)した時に、「写真と全然違うじゃん……(クオリティ低っ)」とガッカリされたら、二度目のデートはありません。


「奇跡の一枚」ではなく、「最高の素顔」で勝負しましょう。

 

 

2. ファーストメッセージで「重い女(男)」になるな

「はじめまして!私はこれができます!あれもできます!人生をかけます!結婚(契約)してください!」

 

……怖いですよね?
 

最初の提案文(ラブレター)で、自分の想いばかりを長文で送りつけるのは、非モテの典型です。

 

相手が知りたいのは「私の話を聞いてくれるか?」だけ。

 

  • 「あなたのプロフィール(募集要文)を読みました」

  • 「あなたの趣味(課題)に、私はこう合わせられます」

 

相手への興味を示すこと。
 

「自分語り」ではなく、「相手語り」ができる人だけがメッセージの返信をもらえます。

 

 

3. デート(面談)は「相性確認」の場

晴れてマッチングし、Zoom面談へ。


ここで緊張して「自分を良く見せよう」と必死になっていませんか?

 

違います。ここは「相性(フィーリング)を確認する場です。
 

どんなに高収入(高単価)な相手でも、話していて違和感があるなら、その関係は長続きしません。

 

「生理的に無理(社風が合わない)
 

「束縛が激しい(マイクロマネジメント)

 

そう感じたら、勇気を出して「こちらからお断り」するのも戦略です。

 

無理して付き合っても、最後は泥沼の離婚(契約解除トラブル)になるだけですから。

 

 

まとめ:運命の人は、必ずいる(はず)

フラれても(不採用でも)、落ち込む必要はありません。


それはあなたの価値が低いのではなく、「ただ相性が合わなかっただけ」

 

地球上にクライアントは何万社といます。


数回の失恋で諦めないで。自分磨き(スキルアップ)を続けながら、スワイプし続けましょう。

 

いつか必ず、「あなたじゃなきゃダメだ」と言ってくれるパートナーに出会えるはずです。

 

……残念ながら、リアルの恋愛には「修正依頼(リテイク)がききませんけどね。

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【読者のみなさまへ】

連載企画「もしも明日、あなたが会社という名の檻を脱走したら? 〜 限界を迎えたあなたへ捧ぐ。人生を取り戻す13日間の脱出計画書 〜」は、全13話でお届けする予定です。
毎日1話ずつ更新しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

【第5話】

意気揚々と出社したのに、部長の「おはよう」だけで心が折れてしまう。

 

「今日こそ、絶対に言う」
 

「退職届を出して、自由になるんだ」

 

昨夜の怒りをエネルギーに変え、私は鞄の中に白い封筒(退職届)を入れて出社しました。

 

オフィスの自動ドアが開く。
 

いつもの空気。いつもの匂い。

 

深呼吸をして、部長の席を見ました。
 

部長はパソコンに向かって何か作業をしていました。

 

私はスタスタと歩み寄りました。
 

今だ。言うんだ。

 

「部長」

 

声をかけようとした、その瞬間です。
部長がふと顔を上げ、私と目が合いました。

 

「お、〇〇(あなた)。昨日の資料、どうなった?」

 

低く、威圧感のある声。
いつも通りの、機嫌が悪そうな表情。

 

その瞬間。
私の頭よりも先に、「身体」が反応してしまいました。

 

シュッ、と背筋が伸び、反射的に愛想笑いを浮かべていたのです。

 

「あ、はい! すぐ確認して報告します! すみません!」

 

……言えなかった。

 

鞄の中の封筒を握りしめたまま、私は自分の席に逃げ帰りました。

 

情けない。

あんなに決意したのに。
 

「資料どうなった?」と聞かれただけで、パブロフの犬みたいに服従してしまうなんて。

 

私はその後、トイレの個室に駆け込みました。

 

鏡に映る自分は、昨夜の「戦う目」をしていませんでした。


また、「死んだ魚のような目」に戻りかけていました。

 

「やっぱり、私には無理なのかな」
 

「一生、この恐怖に支配されて生きていくのかな」

 

個室の中でうずくまり、自己嫌悪で押しつぶされそうになっていた時。
スマホが鳴りました。

 

部長からの内線呼び出しです。

 

「……はい」

 

絶望的な気持ちで席に戻ると、
部長はさっきとは打って変わって、不気味なほど優しい声で私を呼びました。

 

それは、私を地獄に引き戻すための「甘い罠」でした。

 


【次回】
急に態度を変えた部長。

「君には期待してるんだ」

「将来のリーダー候補だ」


以前のあなたなら泣いて喜んでいた言葉。

 

でも今のあなたには、その裏にある「ある意図」が透けて見えました。

 

👉 【第6話】へ続く

ライターの辻藤です。

 

ライター業を、全く別の視点から語ったらどうなるか?

 

本日お届けするお話しは、そんな妄想を形にした新企画、

「ライター × 異業種カルチャー」シリーズです。

 

ライター自信が、個人的に取り組んでみたかったシリーズとも言え、需要はあまり期待してません(笑)

 

ということで、本日は【ライター × 筋トレ編】をお送りしていきます。

 

年末年始期間の少し面白話として、どうぞお楽しみください。

 


【ライター × 筋トレ編】

文章力は「筋肉」だ!
読者の心をパンプアップさせる “文章マッスル” の鍛え方

 

 

パワーーーーッ!!

 

「文章がひ弱で悩んでいますか?」
 

「説得力という名の腹筋が割れません?」

 

おいおい、何を甘いこと言ってるんだい!
 

文章力はセンスじゃない。筋肉だ!!

 

書けば書くほど筋繊維は太くなり、サボれば一瞬で脂肪(駄文)に変わる。
 

今日は、あなたの貧弱な文章ボディを、キレッキレの「細マッチョ文章」に変えるためのトレーニングメニューを紹介するぞ!

 

 

メニュー1:プロテインを飲め(インプット)

筋肉を大きくするために必要なものはなんだ?
 

そう、栄養だ!
 

文章にとっての栄養

それは「良質なインプット(読書)だ!

 

SNSのタイムラインばかり眺めて、スナック菓子のような情報ばかり食べていないか?
 

そんなジャンクフードじゃ、いい筋肉はつかないぞ!

 

古典を読め! 名作を読め!
 

高タンパクな情報を脳みそにぶち込め!
 

「インプットがないアウトプットは、ただのカタボリック(筋肉分解)だ!」

 

 

メニュー2:脂肪を削ぎ落とせ(推敲)

鏡を見てみろ。その文章、贅肉(無駄な言葉)だらけじゃないか?

 

  • 「〜ということ」

  • 「〜だと思います」

  • 「非常に」「とても」

 

その脂肪、全部カットだ!
 

接続詞を削れ! 重複表現を絞れ!
 

「キレてる! キレてるよ! その短文、キレてるよー!」

 

ギリギリまで贅肉を削ぎ落とした文章だけが、読者の心に突き刺さる「美しいカット」を生むんだ。

 

 

メニュー3:超回復を信じろ(休息)

「毎日書かないと不安?」
 

バーベルを上げすぎて関節を痛めるトレーニーと同じだ!

書けない時は、休め!


脳みそを休ませることもトレーニングだ。
しっかり寝て、しっかり遊ぶ。

 

そうすることで、脳のシナプスは「超回復」し、昨日より重いテーマ(重量)を持ち上げられるようになる。

 

休む勇気を持て!


「スランプじゃない! お前は今、バルクアップ(増量期)の途中なんだ!」

 

 

まとめ:文章という名のポージング

さあ、仕上がった文章を世に出してみろ。


読者に向かって、最高のサイドチェスト(主張)を決めるんだ。

 

「ナイスバルク!」
 

「デカい! 内容がデカいよ!」

 

そんな歓声が聞こえてくるまで、今日も黙ってキーボードをプレスしろ!
 

書くのか、書かないのか、どっちなんだい!

 

かーーーーく!!(パワー!)

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【読者のみなさまへ】

連載企画「もしも明日、あなたが会社という名の檻を脱走したら? 〜 限界を迎えたあなたへ捧ぐ。人生を取り戻す13日間の脱出計画書 〜」は、全13話でお届けする予定です。
毎日1話ずつ更新しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

【第4話】
あなたの時給はいくらですか? 深夜のファミレスで気づく残酷な真実。

 

元同僚・Sさんとの衝撃的な再会を経て、
私は逃げるように入った海辺のファミレスに、まだ居座っていました。

 

Sさんが見せてくれた給与明細と、笑顔。
 

そして私の手元にある、ボロボロのノート。

 

私はスマホの電卓アプリを立ち上げ、ある計算を始めました。

 

「私の時給は、いったいいくらなんだろう?」

 

額面の給料ではありません。
 

毎日のサービス残業、持ち帰り仕事、
休日でも鳴るスマホへの対応時間……。

 

それら全てを労働時間として、手取り額を割ってみたのです。

 

出た数字を見て、私は血の気が引きました。

 

『時給 890円』

 

……え?


この地域の最低賃金を、下回っている?

 

もちろん、厳密な計算ではありません。
 

でも、私はこの「890円」のために、
心身を壊し、友人と疎遠になり、満員電車で泣いていたのです。

 

「ふざけるな」

 

悲しみではありませんでした。
 

腹の底から湧き上がってきたのは、マグマのような「怒り」でした。

 

会社に対して。
 

そして何より、

「安定のため」と言い訳をして、思考停止していた自分に対して。

 

「もう、いい人ぶるのは終わりだ」

 

私は、ドリンクバーの冷めたコーヒーを一気に飲み干しました。

 

ノートのページをめくり、新しいページに大きく書きました。
 

『退職届』と。

 

ネットで検索したテンプレートを見ながら、下書きを始めました。
震える手で書く文字は汚かったけれど、
そこに込めた思いは、今まで書いたどの企画書よりも熱いものでした。

 

書き終えた時、外はもう真っ暗でした。
 

でも、私の目の前だけは、少しだけ明るくなった気がしました。

 

武器(退職届)は用意した。
 

あとは、明日。
これを部長に叩きつけるだけだ。

 

そう思っていました。


長年染み付いた「社畜の習性」が、そう簡単に消えるはずもないのに。

 


【次回】
意気揚々と出社したあなた。

 

しかし、部長の顔を見た瞬間、情けないことに身体が勝手に反応してしまいます。
 

一度目の敗北。トイレで自分を責め続けた、屈辱の回です。

 

👉 【第5話】へ続く

ライターの辻藤です。

 

ライター業を、全く別の視点から語ったらどうなるか?

 

本日お届けするお話しは、そんな妄想を形にした新企画、

「ライター × 異業種カルチャー」シリーズです。

 

ライター自信が、個人的に取り組んでみたかったシリーズとも言え、需要はあまり期待してません(笑)

 

ということで、本日は【ライター × RPG編】をお送りしていきます。

 

年末年始期間の少し面白話として、どうぞお楽しみください。

 


【ライター × RPG編】

フリーランスは無理ゲー? 魔王(クライアント)を倒してレベル上げする「冒険の書」

 

 

ようこそ、冒険者(ライター)よ。
 

ライターの辻藤だ。

 

この世界(Web業界)は、危険に満ちている。
低単価のモンスター、理不尽なダンジョン、そして迫りくる納期……。

 

我々はペンという名の「ひのきのぼう」一本で、この過酷な世界を生き抜かねばならない。
 

今日は、この「ライター・クエスト」を攻略するための冒険の書(マニュアル)を記そうと思う。

 

準備はいいか? 冒険の始まりだ!

 

 

第1章:装備を整えろ(課金こそ正義)

新米冒険者がやりがちなミス。それは「初期装備」で戦場に出ることだ。
 

動きの遅いPC、腰が痛くなる椅子。それではザコ敵(メール返信)すら倒せない。

 

「武器屋(Amazon)へ行け。
 

そして、なけなしのゴールドをはたいて「伝説のキーボード」「勇者のモニター(デュアルディスプレイ)を買うのだ。
 

これは浪費ではない。生存率を上げるための投資だ。
 

スペックの高さは、そのまま攻撃力(執筆速度)に直結する。

 

 

第2章:中ボス「修正依頼(リテイク)」の倒し方

順調にクエストをこなしていると、突然現れる中ボス。
 

それが「修正依頼(リテイク)だ。

 

敵は強力な呪文を唱えてくる。

 

「テニオハ・おかしい・デス」(混乱攻撃)

 

「レギュレーション・チガウ」(即死攻撃)

 

こちらのHP(メンタル)はゴリゴリ削られる。
 

ここで「たたかう(反論する)を選んではいけない。相手は魔王軍の幹部だ。
 

正解コマンドは「ぼうぎょ(素直に聞く)からの「まほう(即レス対応)だ。

 

「仰る通りです!すぐに直します!」
 

この防御魔法さえ使えれば、中ボスはいつか「信頼できるパートナー(仲間)に変わるだろう。

 

 

第3章:ラスボス「納期(デッドライン)」

そして訪れる、絶対的な恐怖。ラスボス「納期」
 

奴は慈悲を持たない。23時59分を1秒でも過ぎれば、世界は闇に包まれる(契約終了)。

 

多くの冒険者が、奴の前に散っていった。
 

攻略法はただ一つ。「レベル上げ(前倒し)だ。

 

納期が3日後なら、今日倒す。
 

納期が明日なら、今倒す。
 

ギリギリの戦いを楽しむな。常に「圧倒的レベル差」で物理で殴るのだ。それがプロの勇者だ。

 

 

まとめ:そして伝説へ

宿屋(ベッド)で眠り、HPを回復させ、また次の街へ。
 

このゲームにエンディングはない。

 

だが、経験値を積めば積むほど、使える魔法(スキル)は増え、倒せる敵(高単価案件)も大きくなる。

 

いつか、伝説のライターと呼ばれるその日まで。
 

さあ、今日もクエストへ出かけよう。

 

▶ つづきから
**  ぼうけんのしょをつくる **

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連載企画「もしも明日、あなたが会社という名の檻を脱走したら? 〜 限界を迎えたあなたへ捧ぐ。人生を取り戻す13日間の脱出計画書 〜」は、全13話でお届けする予定です。
毎日1話ずつ更新しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

【第3話】

「まだその会社にいるの?」元同僚の言葉が、あなたの胸に刺さる理由。


 

海辺のファミレスで、私に声をかけてきた人物。


それは、1年前に会社を辞めたはずの、元同僚・Sさんでした。

 

「Sさん…!?」

 

以前のSさんは、私と同じように疲れ切り、
顔色も悪く、いつも猫背で歩いていました。

 

正直、「あ〜あ、辞めてどうするんだろう」と当時は思っていました。

 

でも、目の前にいる彼は、別人でした。

 

肌がツヤツヤしていて、表情が明るく、
何より「生気」に満ち溢れていました。

 

「奇遇だね。俺、この近くに引っ越したんだよ」

 

Sさんは笑顔で私の前の席に座りました。


そして、私のノート(不安ばかり書かれたページ)を見て、
すべてを察したように言いました。

 

「そっか。〇〇(あなた)さん、まだあの会社にいたんだ」

 

その言葉は、悪意のない純粋な驚きでした。
だからこそ、私の心を鋭くえぐりました。

 

「まだ」という響き。


まるで、沈みゆく泥船にまだ乗っているのか、と言われたような気がして。

 

「辞めたいんですけど、勇気がなくて…」
 

「転職しても、うまくいくか分からないし…」

 

私が言い訳を並べると、
Sさんはポケットからスマホを取り出し、ある画面を私に見せました。

 

「俺もそう思ってたよ。でもね、これ見て」

 

それは、彼の現在の「給与明細」でした。

 

金額を見て、私は絶句しました。
私が必死に会社にしがみついて、残業して、心身を削って得ている額の、約1.5倍ほど。

 

さらに彼は、スマホのフォルダを見せてくれました。
 

そこには、週末にキャンプに行ったり、料理をしたりする、
本当に楽しそうな彼の姿がありました。

 

「会社を辞めたら終わると思ってたけど、始まっただけだったよ」

 

Sさんはコーヒーを飲みながら、静かに言いました。

 

「〇〇(あなた)さん。自分の人生、安売りしちゃダメだよ」

 

その言葉を聞いた瞬間。
私の中で、何かが音を立てて崩れ落ちました。

 

私は今まで、何を必死に守っていたんだろう?
 

「安定」だと思っていた場所は、ただの「ぬるま湯」ですらなく、
私の価値を搾取する場所だったのかもしれない。

 

Sさんと別れた帰り道。
私はもう泣いていませんでした。

 

その代わり、胸の奥からフツフツと湧き上がってきたのは、
自分自身への、そして会社への、猛烈な「怒り」の感情でした。

 


【次回】
家に帰ったあなたは、ある計算をします。

 

「私の時給はいくらなのか?」


算出された数字を見た瞬間、あなたは深夜の部屋で叫び出しそうになります。
 

もう、いい人ぶるのは終わりです。反撃開始です。

 

👉 【第4話】へ続く

ライターの辻藤です。

 

ライター業を、全く別の視点から語ったらどうなるか?

 

本日よりお届けするお話しは、そんな妄想を形にした新企画。

「ライター × 異業種カルチャー」シリーズです。

 

ライター自信が、個人的に取り組んでみたかったシリーズとも言え、需要はあまり期待してません(笑)

 

ということで、本日はライター × サウナ編】をお送りしていきます。

 

年末年始期間の少し面白話として、どうぞお楽しみください。

 


ライター × サウナ編】

良い文章は「サウナ」で生まれる。

脳内を “ととのえる” 究極の執筆サイクル

 

 

突然ですが、あなたは「文章がととのう」という感覚を味わったことがありますか?

 

文字と文字のつなぎ目が消え、論理が透き通り、読み手の脳みそにスルスルと染み渡るような、あの感覚です。

 

良いサウナには「サウナ・水風呂・外気浴」という完璧なサイクルがあるように、良い執筆にもまた、黄金のサイクルが存在します。

 

今日は、パソコンの前で汗をかき続けるサウナー(ライター)の皆様へ。
脳内の老廃物を出し切り、極上のトランス状態へ導く、「執筆サウナ道」を伝授します。

 

 

1セット目:サウナ室(執筆=熱波)

まずはサウナ室(WordやGoogleドキュメント)へ入室です。

 

ここでは、細かいことは気にしてはいけません。

 

誤字脱字? てにをは?

そんなものは無視です。
 

今のあなたは、脳内のアイデアという汗を、毛穴という毛穴から搾り出すことだけに集中してください。

 

「オラオラオラ! 熱波だ熱波だ!」
 

キーボードを叩く音は、タオルを振り回す熱波師の音。
 

論理が多少破綻していても構いません。

体温(熱量)を上げてください。
 

「もう無理、出たい(書くのやめたい)と思ってからが勝負です。

そこからあと2分(200文字)、粘るのです。

 

ダラダラと流れる思考の汗。
 

画面が文字で埋め尽くされ、脳が酸欠になりかけた時……

あなたはサウナ室を出る権利を得ます。

 

 

2セット目:水風呂(推敲=冷却)

サウナ室を出たら、汗を流して「水風呂(推敲)」へダイブしましょう。

 

ここが一番重要です。
 

さっきまでの熱苦しい情熱を、一気に冷却します。
他人のような冷徹な目で、自分の文章を見つめ直してください。

 

  • 「この形容詞、暑苦しいな」→ 削除。

  • 「この論理、ふらついてるな」→ 修正。

  • 「読者にとってノイズだな」→ カット。

 

「キ、キンキンに冷えてやがる……!」
 

自分の書いた文章を削るのは、身を切るような冷たさと痛みを伴います。
 

しかし、この温度差こそが、文章の輪郭をキュッと引き締めるのです。
 

「あまみ(良い文章特有の赤み)が出るまで、徹底的に冷やしてください。

 

 

3セット目:外気浴(公開=ディープリラックス)

熱狂の執筆、冷徹な推敲。
 

この2つを終えた者だけが辿り着けるのが、「外気浴(記事公開)という名の天国です。

 

公開ボタンを押し、SNSで告知をする。
あとは、風に身を任せるだけ。

 

読者からの「いいね」という心地よい風。
 

「役に立ちました」という小鳥のさえずり。
 

それらを全身で浴びながら、あなたは思うはずです。

 

「……ととのった〜〜〜!!!」

 

脳内のモヤモヤは消え去り、そこには澄み渡るような達成感だけが残ります。
この快楽を知ってしまったら、もうライターはやめられません。

 

 

まとめ:今日もキーボードという名のサウナへ

もし、あなたが「書けない」と悩んでいるなら、それはサイクルが乱れているのかもしれません。

 

  • 体が冷え切っているのに水風呂に入ろうとしていませんか?(準備不足)

  • サウナ室に長時間いすぎてのぼせていませんか?(推敲不足)

 

良い文章は、熱さと冷たさの往復運動から生まれます。
 

さあ、「タオル(PC)を持って、今日もサウナへ行きましょう。