9月。

仕事を終えて帰宅した夜。

学生時代から付き合いのある友人から届いた、

「俺、来月から転職することになった」という一文が、なぜか頭から離れなかった。

夕食を済ませても。

テレビを眺めていても。

シャワーを浴びていても。

気づけば、その言葉を思い出している。

 

転職。

 

その二文字に、あなたは少しだけ複雑な感情を抱いていた。

 

友人とは卒業後も何度か会っている。

真面目な性格で、どちらかといえば慎重派。

大きな挑戦よりも、堅実な選択をするタイプだった。

 

そんな友人が転職する。

それは、思っていた以上に意外な出来事だった。

 

しばらくして、あなたは友人へ返信を送った。

「急にどうしたの?」

すると、数分後に返信が返ってくる。

「急じゃないよ」

「実は1年以上悩んでた」

あなたは少し驚いた。

SNSでは、そんな様子は一切見せていなかったからだ。

仕事も順調そうだった。

家庭も円満そうだった。

だからこそ、何の迷いもなく決断したのだと思っていた。

 

しかし現実は違った。

友人は続ける。

「正直、今でも不安だよ」

「年齢的にも最後のチャンスかもしれないと思った」

「給料が下がる可能性もあるし、新しい環境に馴染める保証もない」

「でも、このまま何もしない方が後悔しそうだった」

その言葉を読みながら、あなたは静かに天井を見上げた。

 

不安が無い人なんていない。

転職に限らず、何かを変える時には必ず不安がついてくる。

むしろ、不安だから考える。

不安だから悩む。

それは自然なことなのかもしれない。

 

友人から再びメッセージが届く。

「転職するかどうかは別としてさ」

「一回、自分にどんな選択肢があるのか調べてみるだけでも違うと思う」

その言葉が妙に心に残った。

転職する。 

転職しない。

その前に、知るという選択肢がある。

今の会社を辞めると決めなくてもいい。

応募すると決めなくてもいい。

ただ、

世の中にはどんな仕事があって、

どんな可能性があるのかを知るだけでも、見える景色は変わるかもしれない。

 

時計を見ると、23時を少し回っていた。

そろそろ寝る時間だ。

 

あなたはスマホを手に取る。

そして、検索画面を開いた。

「40代 転職」

検索結果には数多くのサイトが表示される。

 

その中で目に留まったのが、dodaだった。

 

たとえば、dodaのような転職エージェントを見てみるだけでも、

今まで知らなかった業界や職種が見つかることがある。

もちろん、今すぐ転職すると決めたわけではない。

会社を辞めると決めたわけでもない。

ただ、自分にはどんな可能性が残されているのだろう。

そんな気持ちで求人情報を眺めてみる。

 

すると、思っていた以上に多くの選択肢があることに気づく。

知らなかった仕事。 

知らなかった企業。

知らなかった働き方。

画面をスクロールしながら、あなたは思う。

未来はまだ決まっていない。

 

だからこそ、今は知ることから始めても良いのかもしれない。

 

友人から届いたメッセージは、転職の誘いではなかった。

背中を押す言葉でもなかった。

ただ、立ち止まって考えるきっかけだった。

 

スマホを閉じる。

部屋には静かなエアコンの送風音だけが響いている。

 

明日もまた仕事だ。

けれど、昨日までとは少しだけ違う夜だった。

Believe in your possibility.

( by TSK )