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介護のコンプライアンスに強い経営コンサルの独り言

介護・医療業界の制度やコンプライアンスに強い経営コンサルが、これから超高齢化社会を迎える日本の将来や親の介護、子供たちの未来についてちょっとヒントになる独り言。親の介護で困っている人、介護に携わる組織の経営者や職員にも役立つ情報を発信していきます。

こんにちは、
まなぶっちです。


施設運営でトラブルなる一番多いケースですが
私の印象としては次のようなケースが多い気がします。


1、何らかの理由で切迫した状態で急いで入居したケース。


2、入居者の親族間で意見の食い違いがあるのに、
  解決しないまま強引に一方の親族が入居させたようなケース。


認知症の方の場合は、特に2のケースが多いようです。


たとえば、
認知症の89歳になる母親と同居している次男夫婦がいるとします。


この母親には、末っ子の次男の他、遠方に住む疎遠の長男と
実家近くに暮らす独身の長女がいます。


次男夫婦は結婚当初から母親と同居し、
介護が必要となってからは次男の嫁が
自宅で母親の介護を行ってきました。


ところが、母親の認知症が進行して
徘徊や異食、暴言等の症状がひどくなり
次男夫婦も介護に疲れ果ててしまい、
そんな状態のため自宅での生活は困難となったため
入居できる施設を探していました。


ところが、特別養護老人ホームは待機者が多く2年待ちと言われ
次男は母親の預貯金を入居の費用にあてて、
有料老人ホームに入居することになりました。


そこに、近くに住む長女が施設入居に異をとなえます。


理由として、
・有料老人ホーム入居にはかなりの費用がかかりすぎること。
・母親は年相応の物忘れがあるものの自分の判断能力もあり、
 本人も「施設には行きたくない」言っていること。


・公的なさーびすを受ければ自宅でも十分生活できること。
等をあげて反対しています。


しかし、次男夫婦はたまに顔を出すだけで
失所に暮らしてもいない姉に反対される筋合いはないと
有料老人ホームに入居させました。


ここで、長女は疎遠となっている長男も巻き込んで
親を退去させようと次男と対立するという構図です。


次男は、施設側に長男・長女の母との面会を禁止するよう
要求します。


長男・長女は実子であることを理由に面会を求めてきます。


長男・長女としては、母親に会って「退去の意思」の有無を確認して
施設を退去したいという発言を引き出したいという訳です。


ここで、施設側は双方に巻き込まれるなたちで、
施設側がトラブルに巻き込まれてしまうというものです。


ひどい時には、施設側まで訴えられることさえあります。


そして、上の例でいえば
契約時の母親の意思能力に争点が移るわけですが
母親の意思に反して入居をさせた次男に
結託したとして施設側の責任が問われるわけです。


そこで、前回取り上げたように
施設側でも認知症の症状が


・どの程度か?

・意思判断能力はあるか?


といった事を把握しておき、
場合により成年後見人を選任してもらう等

リスク回避をしておく必要があるという訳です。


ただ、上記のように明らかに家族間で
見解の違いが生じていることがわかるとは限りません。


ただ、事例のようにメインいの制限などを依頼する家族には
注意が必要かも知れません。


いずれにしても、施設側でリスク回避をするためにも
是非、入居のプロセスを確立しておくことをお勧めします。



今回も最後までお読み頂き、有難うございました。


本日は、これにて。




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こんにちは、
まなぶっちです。


前回は有料老人ホームの入居に関し
施設側の立場で認知症の入居者を受け入れる場合
入居契約時に確認しておきたいことの
第1として、その方の認知症の程度を
入居契約時のプロセスとの一つとして
確認しておくことが大切だとお伝えしました。


これは、コンプライアンス上のリスク回避にもなると同時に、
入居者に実際の介護サービスを提供するうえでも利用できるので、
入居時のプロセスとして確立しておくことをおススメしました。


では、なぜ入居者の認知症の程度を把握しておく必要があるかですが、
まず、入居者本人が契約の当事者になれるかという問題があります。


一般的に有料老人ホームに入居するのは入居者本人となります。


入居契約の権利形態は入居権となり所有権ではありません。


したがって例えば本人が逝去した場合は施設に返還されるものです。


そういった性格のものであるので、契約の当事者も
原則的に入居者本人となります。


ここで、問題となるのが、
入居者は高齢のため、契約手続き等が
行えないといった問題が生じてきます。


この場合、契約手続きについては
普通は入居者の家族が代行することが殆どです。


ただし、建前は本人の契約であるため
本人が施設に入居する医師があることが前提となります。


法律では、入居契約が困難な場合
民法で「第三者のためにする契約」として
家族等が入居者のために契約する場合があることを
認めています。

ただし、民法537条2項において
「前項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債権者に対して、
同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する」
となっています。


簡単にいえば、認知症の親のために息子が契約者となり
「第三者のための契約」を結ぶことは可能だが
この契約が成立するためには親本人が契約を受け入れるという
意思表示が必要ということになります。


これを「受益の意思表示」といいますが、
つまりところ、本人の意思表示能力に問題が無いと成立しないため
実際に認知症を患っている入居者には
意思表示能力が問題ないとはいえないため、
実質は「第三者ための契約」は成立しない訳です。


そこで、必要となるのが本人の代理となる後見人の存在です。

つまり、入居時契約時に認知症の程度をしっかりと把握するのは
契約当事者が誰かをしっかりと確認しておく必要があるからです。


では、なぜ契約当事者が誰であるかを確認する必要があるかですが
ズバリ、意思能力が無い当事者との契約は無効になってしまうからです。


次回は、契約が無効になってしまうケースについて
もう少し掘り下げていこうと思います。



今回も最後までお読み頂き、有難うございます。


では、本日はこれにて。




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こんにちは、
まなぶっちです。


今回は、前回に予告したように
認知症の方が有料老人ホームに入居する場合の
契約時のポイントを取り上げていきたいと思います。


ポイントについては、施設側の注意すべきポイントと
入居者側が注意すべきポイントに分けて説明しますね。


それでは私もアドバイスを求められる機会が多い施設側の
契約時のポイントから説明します。


まず、第1に確認すべきこととしては、
入居を検討している方の認知症の程度を把握すること。


認知症の程度については、
一般的には「認知症高齢者の日常生活自立度」で
みてみるのがいいと思います。


「認知症高齢者の日常生活自立度」のレベルは、
「自立・Ⅰ・Ⅱa・Ⅱb・Ⅲa・Ⅲb・Ⅳ・M」の8段階となっていて
Ⅰに近い方が認知症の程度が軽いことを示しています。


その他、正常・軽度・中等度・重度・最高度といった区分で
評価されることもあります。


いずれにして、施設側としては
入居時にどの程度の認知症の状態であるか
専門医による診断結果を確認しておくことが必要です。


しかし、実はこれだけでは
コンプライアンス上のリスクを
回避するには不十分です。


最近、認知症の入居に関して
トラブルになるケースとして
入居者の家族間でのトラブルが増えていて
その中でも最も多いパターンが
施設に入居させることについての
家族間での意見の食い違いによるトラブルです。


入居に反対する家族にとっては
自分の親はまだ正常であり、
医師の診断書に疑念を抱くこともあり、
たとえ診断書が出ていても
「認知症の程度を確認せずに入居させたことは
施設の落ち度である」
と訴えられた事例もあるほどです。


また、明らかに認知症の症状は出ているので
傍で見ていても認知症であろうと想定できても
まだ、医師の正式な診断を受けていないで入居をして
他の家族から医師認知症の診断もないのに
本人の医師を無視して不当に施設に入居させた
といてトラブルになっているケースも見られます。


こう言ったケースで最も厄介なのが
契約が成立しているか否かを争点とした
コンプライアンス上の問題に発展するケースです。


こう言ったケースでは
最悪の場合は本人に意思能力がなく
契約は無効となり入居君などの費用全てを
返却を要求されることだって起こりえる訳です。


長くなりましたが、
こう言った懸念を避けるため、
認知症の方を受け入れる場合は
専門医による診断を受けていることに加え
施設側として認知症の程度を
客観的な方法で評価しておくことが大切です。


認知症の評価については、
幾つかの方法があります。


最近は、簡易的に行えるテスト式のものや
インターネット等を利用したサービスもあります。


大切なものは、施設側でも
認知症の程度を一定の手法で把握しておき
入居時にこの程度の状態であったと
証拠を示せるようにすることです。


これは、単にコンプライアンス上の
リスク回避のためだけではなく
入居後の定期的にモニタリングを行い
適切なサービスやプランへの
反映に結びつけることもできます。


まず、第一には入居時の
アセスメントプロセスのなかに
認知症の評価をできるようにしておくことをお勧めします。



最後までお読み頂き、有難うございます。


では、本日これにて。




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