年配の富裕層の方がよく検討される相続税対策の一つに、「教育資金贈与」があります。
相続税は減り、子どもや孫に喜ばれて、みんながやっている対策というイメージになっていますが、相続専門のアドバイザーはあまりお勧めしていない対策です。
その理由は・・・
1.孫は喜ばない
「孫よろこぶ」といったペットネームがありますが、教育資金贈与を受けた孫が喜ぶ姿をこれまでに見たことはありません。
通常、教育資金は親が負担するわけですから、喜ぶのは孫ではなく子共世代のようです。
しかも、そもそも教育資金には贈与税は課されませんので、教育資金贈与は先渡しができるというだけのメリットです。
祖父母が元気な間であれば、孫は医学部入学資金など数千万円単位で負担してもらっても、当然贈与税は課されません。
こんな話をすると、結果的に通常の暦年贈与に落ち着くことがよくあります。
2.手続きが面倒
教育資金贈与は、当然のことながら、資金使途を教育資金に限って認めています。
従って、手続は金融機関ごとに異なるものの、資金を口座から引き出す際には教育資金が使途であることを証明する必要があります。
入学金などのまとまった金額であればよいですが、少額の引き出しに都度手続きが必要なのが、この制度の課題だと思います。
だったら、孫に暦年の贈与を行い、無駄遣いさせない仕組みを作ってあげるほうが喜ばれるのではないでしょうか。
3.納税資金が減少する
以前、地主さんから、「孫11人に教育資金贈与を行い、預金を大幅に減らすことができた」という話をききました。
そもそも、土地を売らないと相続税が納税できない状況であったのに、さらに教育資金贈与で貴重なキャッシュを減らしてしまったようでした。
実は、これが教育資金贈与の最も危険なパターンであり、この制度をむやみに使うと納税資金が減少するというのが最大のデメリットです。
キャッシュが減少すると、遺産分割の選択肢も減り、相続の際に子供たちが大変な苦労することとなります。
お客様から教育資金贈与の話が出た際は、上記のような説明をいただくとともに、生命保険で無駄遣いしない仕組みを作ってあげましょう。
もちろん、適正額で教育資金贈与を組み合わせて使うのはOKだと思います。
保険料贈与プランの提案は、下記の保険セールスTVでも解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
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