Q1 財産区は、どんなことができますか。
A 所有する財産の管理及び処分、廃止しかできません。行政実例でも、判例でも一貫して同じ解釈がとられています。
地方自治法第294条 「その財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止については」が根拠としてよくあげられますが、背後には次の考え方があります。
あらゆる法人、会社も、独立行政法人も、医師会も、生協もすべての法人は、その設立の目的の範囲で権利を有し、義務を負うに留まります(民法34条)。
これは、その団体の設立目的以外のことに資金が流用されることを防ぐためのものです。
目的によって団体ができることが限られるのは、財産区に限らず、どの団体でも当然とされている理論です。
Q2 財産の処分又は管理以外のことを財産区がした場合、どうなりますか。
A 無効になります。
もともと、財産区もあらゆる法人も、目的の範囲のことしかすることが認められていないからです。
目的の範囲を超えた行為は、イノシシや、鹿、石像が取引することはできないのと同じ扱いになります。
Q3 これまで財産区がしてきたことはどうなるのですか。
A 財産の管理や処分にあたる行為以外はすべて無効です。交付したお金などは、賠償請求や返還請求の対象になります。ただし、ただし一定の期間が過ぎたものは、時効の定めにより請求の対象にはなりません。
Q4 地域の自治会や消防団等への補助金などの支出はできますか。
A できません。すべて無効になります。
Q5 少額ならば無効にならないのではないですか。
すべて無効です。定められた範囲を超えて権利・義務をもてないので、金額を問わず、同じ結論になります。
Q6 今後、補助金などは打ち切るのですか。
自治法上、財産区が所属する市町へ寄付することだけは許されます(自治法296条の5第2項参照)。寄付者がこの寄付の使い道を指示して、市町が補助金を支出するなどの事業をすることも可能です。事業ができる範囲は、その市町ができることすべてになります。その市町の事業として実施されるからです。
Q7 市町の事業として行うにあたって、これまでと何が変わりますか。
手続きが変わります。市町と財産区の予算・決算書の記載方法が変わるなど。
ただし、市町の事業として実施をするので、できることが市町と同じになり、財産区自身がするよりも飛躍的に増えます。
Q8 これまで何十年も何も言われなかったのだから、何が問題なのか。
家にカギをかけないでいたが、空き巣が入ったことがない。だから、カギをかけなくても今後も大丈夫といえるでしょうか。
法的に無効なものを放置すると、今後も常に損害賠償や返還請求の対象になるおそれがあります。また、管理者が背任として、賠償請求をされるおそれがあります。
そもそも、公共団体が、無効な行為を続けなければならない合理的な理由がありません。
放置されていたのは、かなり専門的な事柄で、誰も気が付かなかったのだと思われます。しかし、飲酒運転の取り締まり、親や教師のしつけの方法など、昔は大目に見られたことが、見られない方向に時代が変わっている、その一環だと考えてください。
Q9 いったん市町に寄付をするという体裁自体が気に入りません。このことを認めなければどうなりますか。
A 管理者が無効な行為をするべきでないことは明らかです。よって、管理者・町長が予算・決算では、有効な事業だけしか提案や報告をしないことになります。
なお、議会も無効な議決をする権限はありません。管理者も適正に事務処理をするために財産管理者がおかれるので、その任務に従って事務を遂行するほかありません。また、適正な職務執行のためには議決など特別な手続は必要ありません。
Q10 市町の事業でやるとして、市町の議会で否決されたらどうなるか。
否決されると執行ができなくなります。
しかし、予算はいろいろな予算がまとめて提出され一部だけ否決することは出来ません。また、議員が地元の皆さんの意向をできるだけ尊重するということは大いに期待できます。否決される可能性は極めて低いといえるでしょう。 以 上







