『もうひとつのハムレット』 | SHIZUKA日記

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お絵描き主婦のひとりごと


昨日

千秋楽を迎えました



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『もうひとつのハムレット

~イキツクサキノ花~』



2日目の23日と昨日の2回


観てまいりました




MONDO10BAN☆SHOW舞 Vol.2

ということで


主役の【ハムレット】は

大衆演劇の星(笑)


門戸竜治さん




「もうひとつの」というだけあって

ストーリーは当たり前の

『ハムレット』ではありません



30歳を迎えて

自分の生き方に疑問を感じている

フリーカメラマンの隆一が


時空をスリップして

『ハムレット』の物語の中に

突然放り込まれます


隆一はかつて

『ハムレット』を演じたことが

あるらしいのに


そのストーリーを忘れてしまったばかりに

話が少しずつ

捻じ曲がっていきます




『ハムレット』は

シェイクスピアの代表的な

復讐劇です


復讐劇というくらいで

悲劇のはずなんですが


今回の舞台には

随所に笑いが散りばめられています




いきなり異空間に

放り込まれて戸惑う

現代青年を

門戸さんが好演



ハムレットの親友にして

忠実な右腕


優柔不断な王子の

進むべき道を常に照らす

聡明なホレーシオは…


なんと関西弁で

軽いノリの今時の若者風


こちらは富田翔くんの

魅せ所



ひたすら妹を思い

真っすぐな心を

ハムレットにぶつける

レアティーズは

与那嶺圭太くんが熱演



王の手先となり

ハムレットの様子を探ろうとする

ローゼンクランツと

ギルデンスターン


この2人はその微妙な立ち位置から

この2人を主役に描いた舞台が

創られたことがあるような役どころ


原作では当然2人とも男性ですが

今回はローゼンクランツが

女性の椎名法子さん


この人

実は政略結婚のお相手の

イギリスの姫だったという

予想外の展開



ギルデンスターンは

我等がかたまらーずの

横大路伸くん




劇中劇のシーンは

門戸さんならではの魅せ所です


口上を述べ

活弁を振るう当たりは


大衆演劇の魅力満載です




『ハムレット』は

実に多くの人物が亡くなる話で


最終的に残るのは

ホレーシオと

ノルウェーの王子

フォーティンブラスだけなのですが


今回の作品で亡くなるのは

オフィーリア=隆一の元恋人の沙希

ただひとりです



この沙希に捧げた花が

イキツクサキノ花の正体でありました




全体的には

とても面白い舞台でした


『ハムレット』を

こんな風にアレンジしたのは

初めて観たので

凄く新鮮でした



個人的に

残念に思う点もありました


ひとつは

劇中劇のような

門戸さんの魅せ場を

もっと作って欲しかったこと


せっかく大衆演劇で培った魅力を

大衆演劇に縁の無かった

若い観客にアピールするチャンス


いっそ全編を

徹底的に大衆演劇化するのも

ありだったかも



ふたつめは

カメラの存在意味


台詞の中に

「これは世界を変える力を持つ

武器なんだ!」

というところがあって

ものすごく感動したのですが


そこで終わってしまった!


もう一歩

踏み込んで掘り下げて欲しかった



みっつめは衣装


自分がかつて

舞台衣装を勉強したから

なおさら気になるのでしょうが


中世ヨーロッパ風にするのなら

もうちょっと頑張って~


といった感じ(笑)


舞台衣装というのは

遠目に観て

それらしく見えることが重要なのが

原則なんですが


MAKOTOシアターほど

客席と舞台が接近すると

そうも言ってられません


デザイン云々ではなく

基本的な作り


パターンや縫製が

少々残念でありました




これらは

作品自体が面白かっただけに

目に付いてしまったのかもしれませんね




シェイクスピアは古典だけど

演出次第でどんな風にも

面白く変えられる

魔法の戯曲です


今回の舞台は

それを証明したと思います


もっとどんどん

新しいシェイクスピアが

上演されることを期待します