楽譜を実際に音にする時の話です。
ア・カペラに限らないですが、今はmidi音源などで譜面をすぐ「鳴らせる」し、練習前にそれを聞いて音を取るという人も多いでしょう。
ア・カペラに関して言えば、そういう音で「鳴りの完成形」を聞いていることで、昔のように調分裂して和音崩壊、という現象は減っていて、これは良い面ではあります。
ただmidiだとその曲のそのアレンジ特有のグルーヴを出すのはやはり難しく、ぺろんと平面的になり、ロングトーンはピーっと貼り付けたみたいになってしまっているのを声でも再現してしまっている、というのはよくありますね。
私自身は理想的にはそういう音源は一切聞かない、さらには音取りはしない、もしくは声は出さずに音取り、です(笑)
声を出すと、試行錯誤した場合の音が自分に聞こえてそれに影響される可能性もあるので(笑)
実際、合わせをするまで、事前に物理的に歌っておくことはしないことが殆どです。
それは極端な意見かもですが、昔の、特にクラシックの人だと割と当たり前だったかもしれません。
移動中の汽車の中で新曲の譜読みをして、そのまま次の会場で弾いてしまう、という猛者(ギーゼキングとか、クララ・ハスキルとか)もいたようなので。
てはmidiではない、プロの演奏者による音源はどうか?
そのジャンルのノリ、グルーヴを感じ取るために聴く必要はありますが、聴きすぎると完コピになってしまうかも。
完コピを目指すならそれもいいのですが、それを参考にしつつ自分の独自性を出したい場合、適度な距離感が必要な場合もありますね。
繰り返し聴くなら、その演奏が成り立っている背景をあれこれ想像力を働かせて推測するのも大事です。
そうでないと表面的な模倣に終わり、結局midi音源を聞くときと同じ問題が発生します。
この辺りはジャンル関係なく大事なところかと思います。
楽譜の黙読、慣れていない人だと大変かもですが、簡単なものから少しずつ慣れていくといいですね。
本の黙読、視読は殆どの人がやっています。
それと同じようなものだと思って始めてみると新しく開けてくるものがあるかもしれません。