無伴奏のアカペラに限りませんが、音楽を聴くとき、演奏するときに必要になってくることの一つに「鳴っている音を分解して聴く」というのがあります。
何となく全体を聞くのも大事なのですが、必要に応じて聴く焦点を変えていく。
何となく聞いているとメロディ、ベース、バックの一番上はわりと普通に聴けるものの、それ以外の内声的なところへしっかり入っていくのが最初難しく感じるかもしれません。
採譜などの作業を繰り返していると、分解能が自然に上がっていくこともあります。
意識的なトレーニングとしては次の方法がシンプルです。
鍵盤楽器などで2音を同時に鳴らします。
白鍵、黒鍵、なんでもいいです。
音当てでも、音程(幅)当てでもなく、鳴った2音をよく聴いて下→上の順番にハミングで歌います。
歌ったら1音ずつ確認します。
上の音は簡単に歌える人が多いと思いますが、下の音は曖昧になったり、鳴っていない別の音を歌ってしまう、などが起こる人も結構います。
まずはこれを正確に歌い返せるようにじっくり聴く練習が分解能を上げる第一歩になります。
2音は簡単に出来る人は3音を同時に鳴らし、下、中、上の順で同じことをやってみます。
分解能が上がってくると、音楽の聞こえ方がよりクリアになってくるのをかなり明確に体感できると思います。