①で書いたのは単音をリラックスしてそのまま記憶するシンプルな方法でした。
ピッチ記憶には曲を使う方法もあります。
クラシック曲など、原調で演奏されることの多い曲の冒頭メロディを繰り返し聴くだけの、これも簡単な方法です。
ジョシュア・ジョブストのPitch Pathsという教材はこの方法だけで出来ています。
記憶用の曲を「トリガーチューン」(ピッチ記憶の引き金になる曲)と呼んでいます。
例えば、Eを記憶するなら「エリーゼのために」の頭の部分「ミレ♯ミレ♯ミシレドラ」
Dならバッハのメヌエットの「レーソラシドレーソッソ」
といった具合。
曲は自分に馴染みのあるものなら何でもいいです。
1オクターブ12音それぞれでスタートする曲を用意すればいいわけです。
E♭ならショパンの英雄ポロネーズ。
G♯ならベートーベンの月光。
B♭はジョン・ウィリアムズの「スターウォーズのテーマ」なんかもいいですね。
さてちょっと違う角度からの話です。
各ピッチ固有の雰囲気のことをピッチカラーとかクローマとか言いますが、これは「色」。
楽器の音色の色ではなくて、ピッチそのものの色彩感です。
感じ方は個人差があり、絶対音感が既にある人どうしでも必ずしも同じではない、でも共通するところもある、ぐらいの微妙なものです。
12音のひとつずつをゆっくり繰り返しロングトーンで聴いていくと「何となく」感じられるかもしれません。
何となく感じたらそれを言葉や絵でメモしてみてください。
単音では??な人は、その音をルートにしたメジャーコードを鳴らしてその雰囲気を感じる、ルートを変えて色彩感の違いを感じてみるのもいいですね。
でも、「無理に」感じようとしなくてもいいです。
単音やトリガーチューンを正確に想起できれば、それで十分OKです。
また続きを③に書きます。