1973年 (昭和48年 ) に登場した381系は、国鉄初の振り子式車体傾斜装置を備えた特急電車です。
カーブでもスピードを落とさず走り抜け、到達時間を大幅に短縮した反面、カーブの入り口と出口で振り子特有の大きな横揺れを生じた為 乗り物酔いする乗客が続出する という弊害も露呈しました。
しかし 様々な対策のおかげで そういった問題点も解消され、改良型振り子車両や 振り子ではなく空気バネによる車体傾斜装置付き車両が各地に登場し、今では新幹線でも採用されています。
【改良型である 制御付自然振り子式気動車 キハ187系 】
急カーブを高速のまま走り抜け大幅な時間短縮を実現した381系を始めとする車体傾斜装置付特急車両は、高度経済成長を突き進む日本を象徴する姿でした。
そういった中、オリジナルの自然振り子式車両は次第に数を減らしてゆき、今では「やくも」のみとなってしまいました。そしてその「やくも」も来春には、後継車に置き換えられることになりました。
このニュース以来 381系「やくも」の人気は急速に高まり、それに便乗してJR西日本は1編成を登場時の姿であるクリーム色と赤の国鉄色に塗り替え、更にもう1編成を「スーパーやくも」色に塗り替えて 営業運転に投入し、人気急増に拍車をかけています。
また、”桜” と381系「やくも」の撮り合わせは 今年が最後かも知れず、この春は沿線の桜の名所には多くのカメラマンが集まりました。
自然振り子の381系「やくも」の ”らしさ”を最大限表わした撮り鉄をするには、比較的急なカーブを高速で突っ走る区間で撮るのは最低条件ですが、撮影出来るよう線路傍がそこそこ開けていて見通しが効くこと、加えて順光であればなお良し なので、事前の調査と当日の脚力、あと “運” が必要です。
乗ってみると、車体傾斜角度が登場時の5度から3度に絞られている為 カーブでの独特の揺れがマイルドになっていますが、振り子車両特有の乗心地 ( 揺れ心地 ) を楽しめます。
「やくも」の「撮り鉄」に行く際は、「乗り鉄」も
楽しんでください。