アウェイ福島。
まるで真夏がフライングでやってきたかのような肌を刺す日差し。
スタジアムの空気は重く、熱く、動くたびに汗が滴った。
でもそんな暑さよりももっと熱かったのが俺たちサポーターの想いだ。
勝たなきゃいけない。勝つんだ。そう信じて声を張った。
栃木SCは追いついた。
それは奇跡でも偶然でもない。
あの一点は選手の走り抜いた魂とスタンドから届けた“信じる力”がつないだゴールだった。
ピッチと客席が言葉じゃない何かで繋がった瞬間──俺は鳥肌が立った。
でも、試合は引き分けで終わった。
「追いついたことは評価する」
だけど今の俺たちには“勝ち点3”が必要だった。
優勝を信じて戦うには手放してはいけない勝利だった。
悔しい。それが本音だ。
けどな──
それでも信じる。俺たちは“サポーター”だからだ。
可能性が1%でもあるならそこに100%の声をかける。
暑くても、遠くても、苦しくても、俺たちはスタンドに立ち続ける。叫び続ける。
何度転んでもそのたびに立ち上がって、「まだ終わってねぇぞ!」って吠える。
なぜなら声を止めたときがほんとうの終わりだから。
あの人も言ってた「サポーターって勝ち点じゃ動かないんだよ。魂で応援してるの」って。
だから俺はこれからも叫びつづける。
このチームを心の底から信じてるから。
この仲間と一緒に戦ってるってわかってるから。
そしてまだ終わってない。
この引き分けの先に物語はつづいている。
悔しさを燃料にして俺たちはまた歩き出す。
声が届く限り勝利の光は、きっとその先にある。
──次こそ勝ちをつかみに行こう。
全員で。全力で。心をひとつにして。
