井戸端カイゴ2015、第29回目の終了報告!【2015年11月開催】 | 井戸端カイゴ ~介護職のための情報交換と交流会~

井戸端カイゴ ~介護職のための情報交換と交流会~

名古屋やその近郊で介護職としてがんばっている方たちが集まり、少人数で、「介護についてホンネで、真面目に、でも肩の力を抜いて語り合う」会です。

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2016年4月(第34回)以降の開催報告の詳細は、下記へ移転しました!


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皆さんこんにちは~。お元気でしょうか。

お仕事は、いかがでしょうか。


さて、去る11月27日(金)の午後、

井戸端カイゴ ~介護職のための情報交換と交流会~

の、第29回目を開催しましたので、その報告です!



今回は東別院にある「イーブルなごや(名古屋市女性会館)」で。

人数は後藤含めて4名でした。

なんと、奇しくも3人とも初期の頃からのメンバーで。


見よう見まねで「よし、やろう!」と人知れず気合い入れて(笑)、でも適当に力を抜きつつこの会をスタートした日のことをハッキリと覚えています。あれから、いろんな方が参加されました。今では連絡が取れなくなってしまった方。私の姿勢を思い切り批判して去って行った方。わざわざ希望休を使ってきてくれる方・・・。


いろんな方からいろんな事を学ばせて頂きながら、ここまで来ました。


これからも、参加して頂ける方がいらっしゃる限り、この会を続けていきたいと思います。


では、今月も頑張って書いてみますので、もしよろしければお付き合いくださいね~。


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さて、まずはいつもの通り参加者の紹介から。※男性は○○「氏」、女性は□□「さん」と表記しています。


・Kさん:住宅型有料勤務。仕事をされる中で感じる問題意識の感覚も、以前の感覚にかなり戻ってきた印象です。お子さんがだんだん親離れしていくのを楽しみにしつつもさびしそうにおっしゃっていたのが印象的でした。


・N氏:小規模特養の介護リーダー。開設してほぼ1年になる施設で、リーダーとして奮闘されておられます。もうすぐ2歳になる娘さんが可愛くてしかたがない様子。写真も見せてもらいましたよ~。可愛かったです。


・S氏:男性ベテラン介護福祉士。現在は小規模特養でフロアリーダーをされています。これまでに精神病棟や老健などで勤務されてこられました。姪っ子の話や、娘さんの話などもしていただきました。



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■今回出た主な話題は、こんな感じでした↓


①【いろんな職員がいますね~】


『「やったことがない」と言う理由でかたくなに仕事を拒む職員がいます。』


<参加者の意見>


・「強いですね(笑)」


・「『自分が出掛けるのが楽しいから』という理由で『外出レクに行きたい』と言う職員がいます。ご利用者を楽しませるのではなく自分が楽しみたい、という感覚。」


・「ちょっとズレていますね。」


・「この前も、利用者さんをスポーツの試合観戦に連れていくとき若い女性職員を同行させたのですが、ハイヒール履いてきて(苦笑)、自分用のお菓子持参で。『それ、違うよね、自分が楽しんでるよね。』と。」


・「私の施設では、1時間くらい職員の手が空く時間がある。そういうとき、ただ座っている職員がいる。私は、その時間を利用者のために使ってあげて欲しいと言うと、『そんなに忙しくすると病気になるよ』って・・・。みんな、仕事が好きではないのかな?」


・「うちの施設長も良く言うのですが、10人中2人は『分かっている人』。6人は『どっちつかずの人』、残り2人は『分かってない人』。まずは『分かっている』2人を味方につけた上で、『どっちつかず』の6人のうち何人を味方に付けられるかが勝負だって。『分かってない』2人には、何してもムダになる可能性が高い。」


【後藤の個人的な意見】


『「一体、何が自分の仕事なのか?」それを分かっている人って意外と少ないんですよ。私の感覚では、全体の2割もいないくらい。特に介護のようなサービス業は難しいと思いますよ。「作業」にとらわれてしまうと、本当に大切な仕事を見失ってしまいがちですよね。』



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②【経験者を、施設の方針に従ってもらうことの難しさ】


『50代のベテラン女性職員に、「入居者の目線で考えて欲しい」と訴えているが、なかなか行動が変わらない。行動を変えてもらえるように上手く伝えるのが課題です。』


<参加者の意見>

・「例えば、紙製のタオルを使うように指導しているのだが、どうしても布製タオルを使いたがるんです。聞けば、『もったいないから』と。施設の方針として、紙製タオルを使用するよう伝え、その場では『分かった』と言うが、しばらくすると元に戻ってしまう。」


・「食事もそうです。何時から食事をすべき、という先入観がある。うちの施設はユニットだから、各自が食べたいときに食べて頂くのが基本。だが、その職員が勤務のときだけ早く食べたくても食べられない。利用者も困ってしまう。」


・「もちろん会議でも再三伝えているし、その場では本人も『分かりました。やっていきましょう』となるのですが、結局変わらない。施設全体で一貫したサービスにならないので他の職員もどうしたらいいのか迷うし、利用者さんが一番かわいそう。」


・「やはり未経験者を一から教育する方が簡単ですよね。経験者を変えるのは難しい。」



【後藤の個人的な意見】


『確かに、経験者に教えるのは難しいですね。頑固な人がいますからね(^_^;)。

ただ、介護の現場って、「個人生活」と「仕事」とがしっかり切り分けられていない人が結構多いような印象を私は持っています。

もともと、「個人の生活」と「仕事」がごちゃごちゃになりがちな職場環境ですよね、介護の職場って。


ご利用者の、正に「生活そのもの」を支えることが「仕事」なわけですから。ついつい個人的な価値観を職場に持ち込んでしまいがち。しかも、それが自分にとって「正しい」ので、つい頑固になってしまうんでしょうね。


でも、間違えちゃいけないと思うのは、そもそも介護の現場は「職場」であって、職員一人一人の生活の場ではないですよ、ということだと思うんです。


お金を頂く以上、プロですよ、プロ。で、プロというのは、問題を解決する人であり、その役割を「演じきる人」のことだと私は考えます。
ある意味では、介護職員は役者。プロの役者。そして介護現場は、そのプロの役者たちが演じる「舞台」。


”お年寄りの生活を支える”という「舞台」を、プロの役者たちが「チーム」で演じているようなものだと考えるといいんじゃないかと思うんです。

そのプロ集団がリーダー中心に真剣に取り組もうとしている舞台に、一人でも個人の価値観やら個人生活やらを持ち込んだら、そりゃ他のメンバーも怒りますよね。


そうです、怒るべきなんです、他の職員が。というか、怒れるはずです、プロならば。

「私達は一つの方針のもと、利用者さんのために介護サービスを提供するチームなんです。あなた、チームの方針に従えず、自分勝手なことをするのなら、このチームから外れていただけますか?」って言うべきなんです。

他の職員が直接言うとさすがに波風が立つ、というなら、リーダーがハッキリとこれを伝えるべきだと思います。


でも個人的には、メンバー同志がハッキリ指摘しあえる、そんなチームが私は好きです。本来、遠慮なんて要らないはずです。プロ同士なんだから。チームで動く舞台なんだから。自分だけ違うことするメンバーがいたら、絶対に上手くいくはずがないですから。


そんな、プロ同士がバンバン指摘しあう介護現場って、なかなかないですよね。どうしてだろう?みんな優しすぎるのかな?』


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③【介護職の真の仕事とは何か?】


『何をすればいいか分からない新人職員に、「やるべきこと」をリストアップして渡す方法が、私は好きじゃない。爪きり、耳掃除、リハビリ・・・・「作業」としてやり始めると、「発見する楽しみ」を奪ってしまう気がします。職員一人一人が自分の力で見つけて欲しいと思うけど、高望みなのでしょうか?』



<参加者の意見>


・「介護職の専門性って何?って話だと思う。医師、看護師、理学療法士、栄養士・・・。それぞれに専門性がある。では介護職の専門性は?

介護の専門性は、「知る」ことだと思う。ご利用者の一番近くで見ている。介護職しか知りえない情報を知ることができる。

それは、体の状態だけでなく、その方の「生きがい」であったり、「残りの人生で何をしたいのか」、「どういう生活を望むのか」・・・。これらをまず「知る」こと。そして認知症の方については、ご家族とのコミュニケーションの中から「知る」こともたくさんあるはず。」


・「なるほど、『知る』ということをテーマにすればいいんですね。『まずこれをして、次にこれをして・・・』というのではなくですね。『まずこれをして、次にこれをして・・・』ってやっていると、やらされ感でいっぱいになってしまうから。」


・「私の施設も、やるべきことは細かく決めていません。その日のリーダーが臨機応変に指示すればいいと思っています。」


・「私の施設では、訪問看護も併設されているのですが、訪問看護の看護師さん達がいつも感心し感謝されるのは、介護職員がレクをしながらご利用者さんの情報を引き出してくれることなんです。
『へ~、この方、こんなことができるんだ~。』って。昔料理人だったおじいちゃんとかね。」


【後藤の個人的意見】


『この話題、実はものすごく本質的な議論だと思うんですね。さすがに井戸端カイゴの参加者、という感じの議論だと思います。「介護職の本質は一体何なのか」、という話です。


食事、入浴、排泄などのいわゆる介助が介護職の仕事だ、と考える方も多いでしょうが、それはちょっと違う、ということなんだと思います、たぶん。


もちろん、ご利用者の生活をサポートするわけですから介助作業も絶対に必要な仕事ではあります。でも、それだけになってしまうと、だんだん「やらされ仕事」になっていくと思います。そうすると、やりがいも見失い、仕事がつまらなくなっていくような気がするんです。


で、施設全体がそのような状態になるとどうなるか、というと・・・。


経営陣は、職員に何とか目標を持たせよう、と考えるわけです。例えば、「全員のオムツを外そう」とか、「介護甲子園で優勝するぞ」とか・・・。


もちろんそれら自体は悪くない。悪くはないのですが、問題は、多くの職員にとって、またやらされ仕事(=「作業」)が増えるだけ、という結果になる可能性が高い、ということなんです。

だって、ほとんどのケース、自分たちで自主的に始めたわけではないと思いますから。やらされ感満載で仕方なくやっている、というケースがほとんどだと思うからです。


こうなると、もう悪循環です(^_^;)。完全に、負のスパイラル。


でも、今回の参加者の発想は違いますよね。三大介助が真の仕事なのではなく(それはもちろん必要かつ重要な作業ですが)、利用者さんの人生の最後を、どうサポートするか、が介護職の本当の仕事だよ、と。そのためにはご利用者や家族と接して様々なことを知り、ニーズを感じ、気づき、その利用者の望みを満たせるように動く。チームで動く。これが介護の真の仕事、専門性だ、ということでしょうか。


介助のスキル向上を目指すのはプロとして当然。それから、利用者・職員双方のリスク・負担を軽減するための移乗スキルの改善・勉強もこれまた当然でしょう。

しかし、介護職員、特に施設で働く介護福祉士の本当の仕事(=志事)は何かと考えたとき、各利用者さんの本当のニーズを捉えて実現させることなのではないか、と。そういうことではないでしょうか。


皆さん、どう思われますか?』



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これらの話題以外にも、Wワークの方々の話(スゴイ・・・)、外国人介護職について、青山氏のスーパートランス(独自の移乗法)とその研修の話題、職員の評価・処遇の課題、夜勤のときに「出る」話(こわい・・・)などなど・・・。すみません、書ききれませんでした(^_^;)。


今回も、楽しかったです。参加者の皆さま、本当にありがとうございました。


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■今回の参加者から寄せられた声です。


・介護職としてスキルアップしたいので参加しました。


・仕事のルールやマニュアルを増やすより、一人一人の特性を理解して対応する柔軟さが、介護士として大切なポイントだなと思いました。


・久しぶりに参加して、他の人の意見を頂きたかったので来ました。


・「人への伝え方」について悩んでいましたが、話しかけていくことの大事さがわかりました。


・少人数だし、より密度の濃い話が聞けると思い、参加しました。



■編集後記


私、実は会話を理解するスピードが遅いんです(自分でそう感じている、ということです)。


だから、会の中では、ついていくのに精一杯。介護職の方の専門用語とか分からないことも多く、「え?それってどういうこと?」とか、「なになに、今なんて言ったの?」とか「青山さんって誰?(笑)」とか・・・(^_^;)。


このブログを書くときもですね、録音したICレコーダーを何度も停めながら聞きつつノートに会話を書き起こし、その内容を改めて読み返し一体どんな話が展開されたのかを考え、ポイントを抽出し、書くべき項目とそうでない項目に分け、必要な脚色をしながらPCを使って書き、その上で後藤の個人的意見を思いつくまま書く・・・という手順で書いています。

ですから、ブログだけ読むと、あたかも後藤が会の中で臨機応変に意見を繰り出している、むちゃくちゃ頭の良い人間だという感じがするかもしれませんが、全く違います(キッパリ)。


ものすごく時間をかけて、後藤の意見までたどりついているのが現実、です。


何度も言いますが、会の中では、ついていくのが精一杯です。ホントです。


でも、このブログを書いて会の内容を少しでも残す、ということになぜかこだわっている自分がいます。


<後藤>



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★お問合せや参加申し込みは下記まで。

goto●aqua-brain.co.jp (●を@に置き換えて送信してください)

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■次回の開催概要


【日時】平成27年12月18日(金) 13:15頃~16:30(13:00開場)


【場所】<東別院>名古屋市女性会館~イーブルなごや~(第1集会室)


<地下鉄>地下鉄 名城線「東別院」下車1番出口から東へ徒歩3分
<駐車場>49台(30分以上1回300円)

【参加費】500円


【定員】15名


【主催】TSC事務局(こころLink内) 後藤 剛


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