来季のJクラブ内定選手でベストイレブンを選出!ユースより高体連がタレント性は抜群【高校&ユース編】
“高校&ユース”のJリーグ内定者の内訳はユースが多数を占めるが、高体連のほうが個々のタレント性は抜群だ。代表格は西川で、今年はU-17だけでなく、飛び級でU-20ワールドカップにも出場した逸材を迷わず左サイドにチョイスした。彼に次ぐ有望株の染野は、足もとの技術に加えて空中戦にも強く、他のFWよりも実力はワンランク上だ。このふたりに匹敵する面白いアタッカーが松村で、積極的に仕掛けるドリブラーを2列目の右に置いた。1トップと両翼は他の追随を許さない。
インサイドハーフにはオフェンシブな選手を選んだ。先のU-17ワールドカップで大活躍したスピードスターの若月も、攻撃的なポジションならどこでもこなせる川本も、ブレイクが期待できる万能型だ。アンカーの藤田は攻守両面でポテンシャルが高いレアな選手である。
CBコンビはチャレンジ&カバーの関係性を考慮しながらセレクトしたが、競り合いの強さでは高さのある高橋がトップクラスで、井出はバランス感覚に優れる。両SBでは攻撃力に惹かれて、左にはすでに2種登録選手としてJデビューしたバングーナガンデ、右には今季のクラブユース選手権優勝に貢献した石田を置いた。GKには190センチと体格に恵まれ、ポテンシャルを評価して山田をチョイスした。
【ベストイレブン選出者の寸評】
FW 染野唯月(尚志高→鹿島)
決定力とキープ力を兼備し、ポストプレーやスルーパスも上手い。万能性に鹿島が惚れ込んだ。
MF 西川潤(桐光学園高→C大阪)
シュート、ドリブル、パスなどあらゆるスキルが、トップスピードのなかでも高水準な秀才だ。
MF 若月大和(桐生一高→湘南)
瞬発力に優れ、高速スプリントを何度も繰り返し好機演出。シュートテクニックも見応えあり。
MF 川本梨誉(清水ユース→清水)
技術とパワーを兼ね備え、FWから2列目まで、さらにはSBもこなすポリバレント性が売り。
MF 松村優太(静岡学園高→鹿島)
変幻自在の高速ドリブルは分かっていても止められない。左サイドでもプレーできるだろう。
MF 藤田譲瑠チマ(東京Vユース→東京V)
類まれなパスセンスでゲームメイクし、守備では的確なコーチングで中盤をコントロールする。
DF バングーナガンデ佳史扶(FC東京U-18→FC東京)
クレバーかつ身体能力も高い。精密機械のような左足キックで、サイドから決定機を作り出す。
DF 高橋祐翔(米子北高→大分)
稀少価値の高い左利きのCBは、フィード能力に定評がある。188センチと高身長で空中戦に強い。
DF 井出敬大(柏U-18→柏)
守備力が安定し、ビルドアップ能力にも長ける。また、的確な指示で最終ラインを統率できる。
DF 石田凌太郎(名古屋U-18→名古屋)
瞬発力あるオーバーラップはパンチ力抜群。技術力も申し分なく、クロスからチャンスを作る。
GK 山田大樹(鹿島ユース→鹿島)
190センチと体格に恵まれている。後方からのコーチングは的確で、ビルドアップも安定している。
【セカンドチーム/4-1-4-1】
FW 栗原イブラヒムジュニア(三菱養和SCユース→清水)
髙田颯也(大宮U-18→大宮)
細谷真大(柏U-18→柏)
MF 谷内田哲平(帝京長岡高→京都)
武田英寿(青森山田高→浦和)
古宿理久(青森山田高→横浜FC)
ノリエガ・エリック(清水ユース→清水)
DF 池田航(横浜ユース→横浜)
田平起也(神戸弘陵高→C大阪)
畑大雅(市立船橋高→湘南)
GK 三井大輝(名古屋U-18→名古屋)
武田と古宿は昨年の高校選手権優勝メンバーで、畑はU-17ワールドカップでも活躍した有望株。細谷もネルシーニョ監督に才能を評価され、2種登録選手としてすでにJデビューしている。彼らはベストイレブンの面々とも遜色ない選手たちだ。
文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)