本記事、リブログにつき食べ物は一切ない記事となります。
ボクのFacebook、Instagramなどにあげた記事の加筆となります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『交通誘導員ヨレヨレ日記』 柏耕一
いろんな方々に、いろんな意味で読んでいただきたい一冊。
kobakenjumpさんのブログにてご紹介いただきました。
ボクが空手修行のために東京に出てきたのは1990年。
以降、1995年まで空手の先輩からご紹介いただいた仕出し弁当配達のアルバイトをしていた。
(この会社 → https://e-bento.co.jp/ )
(こちらの会社さんには他の空手仲間もお世話になった)
ボクの配達エリアは大田市場だった(いわゆる中央市場です)
配達先には意外なくらい可愛いお嬢さん、お姉さんもいてちょっと楽しかったのも思い出。
ある年、バレンタインに50個くらいチョコレートをいただき「なんだか行けそうな気がする~♪」と天津木村な気分にもなった(笑)
当時、昼休みに異なる新聞銘柄を買って読むのはちょっとした楽しみのひとつだった。
月曜日は朝日新聞、火曜は読売新聞、水曜は毎日新聞、・・・違う違う違う(笑)
本当のところは月曜は日刊スポーツ、火曜はスポニチ、水曜はサンスポ、木曜はデイリーという感じでした^ ^(強い信念のもと報知だけはぜったいに買いません(笑))
スポーツ紙も各紙タイトルに工夫のこらしていたのも懐かしい。
大スクープかと思い、折りたたんだ新聞を広げると隠れていた部分に”~か??”と書かれていたり。
近年、スポーツ紙が部数を落とし昔を思い出すと寂しいですね。
当時、スポーツ紙には警備員の求人がよく出ていました。
金額についてはうろ覚えの部分もあるのだけど15,000円~20,000円以上可と書かれているのを見て、月に20日働けば30万か・・・悪くないのかなとぼんやり思った。
当時時給1,500円で7時半~16時まで働いていたボクの日給より高いことになり羨ましい気持ちになった。「未経験者歓迎、親切に指導します」など読むと、ボクにもできるのかしら?と思ったり。
突然、余談だが当時のスポーツ紙の求人欄が特徴があり面白かった。
日刊スポーツは訪問販売(リフォームとか新聞の拡張)の募集が多かった。
スポニチは土工など当時の言葉でいうとガテン系が多かった。
サンスポはパチンコ屋さんのスタッフ、報知は飲食となぜか印刷オペレターなど印刷の現場系。
スポーツ紙を買う人の読者層ってそうなのか?偶然なのか?などぼんやり考えた。
ボクがサラリーマンになったのは1996年、30歳になる年だった。
最初の職場は求人広告を扱う新橋の広告代理店。
当時は正社員募集なら「B-ing」「DODA」女性の求人なら「とらばーゆ」「サリダ」などの求人雑誌が伸びた時代。
アルバイト募集なら「Daily an」(アルバイトニュース)とか「From A」の時代です。
もういまの人はご存じないかも。
ボクが入った会社は当時でも落ち目であった新聞広告を主としていた。
スポーツ紙の求人もよくやったので自分が弁当配達の昼休みに見ていたスポーツ紙の求人広告の流れを経験し、こういうことだったのかよ・・・と謎がとけたような気もしたり。
警備会社の求人は何度も何度もやりました。
まず、警備員という言い方からボクは制服、制帽着用で施設の入り口で受付をしたり、施設内を巡回するような姿をイメージしていたのだが当時スポーツ紙などに掲載されていた警備員は道路工事、建設現場周辺で誘導を行う交通誘導員をさすことが圧倒的に多いとしった(ちなみにボクがイメージしていた警備員は施設警備とか常駐警備という言い方をされることが多い)
警備会社もイメージと違うところが多かった。
警備会社=セコムとかALSOKとぼんやり思っていたのだが、訪問するとほとんどが雑居ビルの一室だったり、時にはマンションの一室で人も少なく、会社然とした感じがない。
お年頃のOLグループが黄色い声で明るく会話しているような会社は一社もなかった。
この会社に入ったらオフィスラブなんてありえないと妙なことが残念になったり(笑)
入り口で「〇〇様にお約束をいただいている者ですが」と告げると、週刊誌を読んでいたオジサンが「え?オレ?そういえばそんな電話もらったっけ」とか言いながら週刊誌をポンと投げたのだが、ページが捲れて女性のグラビアページが丸見えになり、視界にそれを見ながら微妙な気分だったことも思い出す。
商談を思いだすと「うちは公共工事がくるルートがあるから」とか「うちは〇〇建設(ゼネコン)とがっちりだから」みたいな話をなんどか聞いた。お役所の予算消化時期などにおこぼれのような仕事が入りうれしかったが、税金を使い、無意味に道路を掘り返していることにコバンザメになったような気分にもなった。
会社の先輩諸氏からはバブル期には警備の求人が次から次にありけっこう儲かったと教えてもらった。
景気がよく、いろんな建設や工事があり、警備員(交通誘導員)にものすごい需要があったのだろう。
ある先輩から聞いた話では、提案した広告で採用した人と連絡がつかなくなり、最後は「どうしてくれるんだ?」という言いがかりのような展開になったらしい。
最後は「誰か紹介するか、お前自身がこい」という話になったのだが「私は警備の経験も資格もありません、直接の知人にもそのようなものはいません」と逃げようとしたら「経験?資格?そんなもん、いらん・・・生きていたらそれでいい・・・このままだと工事をとめなきゃいかんし、責任問題にもなりかねない・・・立っているだけでいいな」とまで言われたともいう。
むかしもいまも街中で目にする交通誘導員。
今年の夏などは本当に大変だったと思います。
あの灼熱地獄のなか、立って動き続けていたのである(←ホントに大変ですよね)
暑い夏を思い出すと、社会全体でお礼を言わねばなりませんね。
交通誘導の方々がいなければ工事もできないし、施設の入退場だってスムースにはいかないし、あちらこちらで渋滞が起こるし、間違いなく事故も増えるだろう。
本書で交通誘導員の日当が約9,000円と書かれていたが、あの夏の日に一日外に立ちその金額はないのでは?と無関係のボクが抗議したくもなる。
労働に対して等しい対価が回る正しい世の中でありますように。
kobakenjumpさんから「けっこう笑えるでしょ」とメッセージをいただいたが、ボク的には笑えない話のほうが多すぎた
ボクはだいたいのことは「オレにもできる」と自惚れているが、本書を読み「オレには無理かも・・・」と珍しく自信がない。
どんな仕事をしても、どんな会社へ行ってもいろんな人はいるものだが、ボクが働いてきた会社社会より警備業界は振り幅が大きいのではと感じ、そして交通誘導でかかわるドライバーまで含めると振り幅は何倍かもしれない。
誰しもわけのわからない人にはかかわりたくないだろうが、日々従事していればわけのわからない人ととも遭遇しますよね。
思っていた何倍も大変な仕事です。。。
人生で3回ほど、交通誘導の方に激しく突っかかる人を見た。
あれはホントに恥ずかしい・・・
彼らはドライバーと揉めることなんてできないことは運転をする人は再確認を。
【本書から抜粋】
事故を警備員のせいにしたがるドライバーにはひとこと注意しておきたい。手元にある研修テキストにはこう書いてある。
「工事現場等における人や車両の誘導はあくまで相手の任意的協力に基づく『交通誘導』であり、警察官や交通巡視員の行う法的強制力を持つ『交通整理』とはまったく異なることに注意しなければならない」
警察官は緊急時や危険時には赤信号でもクルマを通すことができるが、警備員にはそんな権限はない。
そういう意味でもドライバーは「警備員が通れと言ったから」などという言い訳は通用しないことを知っておいたほうがいいだろう。
いろんな人にいろんな意味で読んでほしい。
誰しもがしょっちゅう見る交通誘導員の方が違って見えます。
自分にはできそうもないことに従事して社会を支えている人たちがいることを再確認しました。
千葉中央図書館には22冊の蔵書があるという。
ボクの最寄りの図書館にもあった。
著者が千葉県在住で舞台は千葉なので千葉の方は親近感を持って読めるかも。
kobakenjumpさんが書かれている以下の言葉に共感。
今までは本を読むある程度知的レベルの高い人ばかりを対象にしてきた私。
それ以外にも世の中いろんな人がいるなあ、とこの業界に入って思う。むしろそういう人たちが大半なのだと。
そして、そういう普通の方、大勢の方を幸せに向けるのが政治の役割ではないのか?と最近の政治を思い出すのだ。