この世の中に自分のよりも先に子供を見送る人がどれだけいるのだろうか?世界に目を向けると、沢山いる。
日本でも震災や災害、事故、病気、事件などで子供を亡くした人は沢山いる。けど、自分の周りだけをみると、そう沢山はいない。
そして、その分、その苦しみに付き添ってくれる人もいない。
平成17年3月の私もそうでした。誰にも話せない、話したくても、相手を困らせるだけになる、その反応が嫌で嫌でまた話せない。
1人で全部抱え込んで、吐き出せない苦しみは車の中で一人で泣き叫ぶしかなかったな~。
グリーフ・・・・悲嘆の哀しみ
その中にいる時には本当にすごい勢いで様々な感情が沸き起こってきます。後悔や自責の念、自分や家族、友人、社会、医療機関への怒り。。。。。
特に後悔というものは、どんな亡くし方をしても必ず心の中に湧き上がります。
どうして、私はあの時に〇〇してあげなかったのだろう。
もっとこうしてあげればよかった・・・。
電話を切った直後に旦那さんが交通事故に遭い旦那さんを亡くした方は自分の電話を掛けるタイミングを悔やんでいました。
LINEが既読にならず、翌朝胸騒ぎがして、単身先に駆けつけ倒れている旦那さんを見つけた方は、朝ではなく、夜のうちに行けばよかったと涙を流していました。
流産を経験した方は守ってあげられなかったと。病気でお子さんを亡くした方は、ちゃんした体で生んであげられなかったと。
お父さんを亡くした方はもっと一緒の時間を過ごせばよかったと・・・・。
そして、私も。
私の後悔は寝たきりの子でてんかん発作が頻繁にある息子を外に連れ出してあげることをしなかったこと。
外の世界を沢山経験させてあげられなかったことでした。
外で発作がおきたらどうしよう。
風邪を引かせたらどうしよう。
命に係わることになったらどうしよう。
そんな心配だらけで、息子に外の世界を教えてあげられませんでした。2歳で時間が終わるなら、もっと外の世界を教えてあげたかった。風が気持ちよいこと、空がきれいなこと、生き物が沢山いること、夜空を見せ、星のきらめきを感じさせてあげたかった。
沢山、たくさん、いっぱい、体験させてあげたかった。
友だちを作ってあげたかった。
多くの人の記憶に残してもらいたかった。
病院と病室と家だけでなくて、もっともっと外で一緒に想い出を作りたかった・・・・。
後悔ばかりでした・・・・。
*ベビーカーでのお散歩することが唯一の楽しみでした。
その後悔をね、少しでも解消するために、当時の私がしたこと。
それはね、息子がお気に入りだった小さなぬいぐるみのクマと外出すること。
鞄にね、携帯ケースを付けて、そこへくまさんをイン。
名前をともべあーと言います
智と何もできなかった分、この子と沢山色々なところへ出かけるようになりました。このぬいぐるみを息子と思い、いつも一緒に行動していました。
福岡門司への旅行。親の会のみんなには生きている時に会わせてあげることができなかったから・・・
沖縄の友達にも会いに行ったり
鎌倉にも(^^)
クリスマスの時期はいつも入院していたので、
ツリーは見せたことが一度もありませんでした。
だから、智ベアーには見せてあげたよ
仕事で出張した時も一緒にホテル泊り。
(美容部員の時なのでけばい私)
3才の誕生日も一緒にお祝い。母ちゃんがろうそくを消しました。
水族館も行ったよ。
後悔の癒し方は人それぞれですが、こうして何かをしてあげられなかったとい後悔の念ならば、何かをその人と見立て
やってあげたかったことをするということもありなんですよ。
私はお洋服も沢山買ってあげたかったという思いがあったので、クマさんのお洋服を沢山集めていました。
こんなことが2年位続きました。
そのうちに、次の段階へ進み、段々と智ベアーを置いて家を出ることができるようになって行きました。
端から見たらおかしなことと思われるかもしれませんが、
出来なかったことをさせてあげるということは大切なグリーフケアーの過程なのです。だから、もし、そばに同じようなことをしている人がいたら、おかしいからやめろ!!なんて言わないで上げてくださいね。大抵はだんだんと緩和されていくことだと思いますので。
さて、現在の智ベアーですが、連れ歩くことは一切ないです。お仏壇にいます。
昔と今との心の変化ですが、昔は後悔の念と、いつも一緒だったのに離れるなんて考えられないという思いでしたが、10年以上経った今ではいつも心でつながっているという思いがあるから持っていなくても大丈夫です
哀しみは最終的に故人を心の中に落ち着かせることができた時に(精神的なつながりを持てた時)に終わると言われていますが、
私はきっと、そういった状態なのでしょうね。。。。。。
今、〇〇してあげたかったという思いのあなた、やってあげたかったこと、存分にしてあげてください。
そして、いつか現実を受け容れられる時を待ちましょう。
大丈夫だよ。
心理カウンセラー佐織より