ありがたいことに、包丁砥ぎのご依頼を多数頂いております。
多くの包丁を見て思う所として、
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①細かい刃欠けが多い
②刃先が波打っている(真っすぐでない)
③【しのぎ】が無くなっている
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といった状態の包丁がとても多いということです。
こんな状態でも力を込めれば切ることは出来るので、今の切れ味がいかに悪いか中々気づけるものでもないのだと思います。

そうして、非常に悪い状態になってからやっと砥ぎのことが思い出されるのかなと思います。

色んな所で話をしていると、新品の包丁が一番切れ味が良いと思っている方が多いように感じています。
実は、新品の包丁の切れ味は一番ではありません。もっと上の切れ味があるんです!

市販の包丁のほとんどが機械加工の仕上です。
素材選定、柄との組み合わせ等々、包丁作りのノウハウは包丁メーカーが一番得意とするところです。

ですが、切れ味については「機械加工で出来る最良の切れ味」となります。
刀剣に代表される、刃物の切れ味については刃研ぎ師が一番得意とするところです。
刃研ぎ師は四六時中砥ぎのことを考えています。どのように砥ぐと最上の切れ味になるのか。

刃研ぎ師の情熱は、さすがに機械加工では再現できません。

つまり、刃研ぎ師の砥いだ包丁の切れ味が最上の切れ味なのです!
 

「新品の状態に復活」なんて謡っている砥ぎ屋さんをよく見かけますが、そんなのは間違いです。
新品よりももっと上の切れ味があるんです!
 

力説しつつ、弊社も通常は「総合的なメーカー」ですので正直一本一本を職人による砥ぎを入れているわけではありません。
ただ、工場で使う刃物は料理ほど繊細さを要求されるものでもありません。

一部の繊細な切れ味を求められる刃物にだけ刃研ぎ師の砥ぎ技術を注ぎます。

 

この内容でまだまだ伝えたいことが多いので、今回はこの辺りで。