体も心も痛い驚異的な濃度のサスペンス〜チェイサー | 坂本龍馬(野球、ラグビー、映画、筋肉)ブログ

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韓国のクライム・サスペンス映画です。レオナルド・ディカプリオ製作によるハリウッドリメイクも決定しているということなので、元となる韓国の作品をDVDで見ました。







【作品概要】

 04年に韓国で実際に起きた連続殺人事件をベースに、殺人犯と元刑事の追跡劇を緊張感たっぷりに描き出した犯罪スリラー。元刑事ジュンホが経営する風俗店から、女たちが相次いで失踪を遂げる。やがて店の客だった青年ヨンミンが容疑者として逮捕されるが、証拠不十分で釈放されてしまい……。ジュンホが拉致された女を捜すという数日間の出来事を描く。韓国では観客動員数500万人以上を記録。各賞を受賞した傑作。

監督・脚本:ナ・ホンジン
キャスト:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソ・ヨンヒ

原題:The Chaser 追撃者
配給:クロックワークス、アスミック・エース
(2008年韓国・125分)

【所感】

 個人的にはクライム・サスペンスはあまり見ない方ですが、付き合いもあり、また話題の問題作だったので見ました。とにかく深く考えさせられる作品です。但し、暴力シーンや残酷なシーンもあるので見る時間を選んだり、音を小さくすることで少しは怖さも減るのではないかと思います。

 濃厚な作品だったと思います。被害者の苦痛を感じない社会の無関心について深く考えさせられました。また、犯人役のハン・ジョンウも勿論のこと、元刑事役のキム・ユンソクの演技が良かったです。女に対する罪悪感や被害者の苦痛に共鳴したことから、汗まみれ傷だらけになりながら、真実を求め、犯人を追いつめていく姿や執念が切なく痛々しい感じです。

 “光州5.18”“シルミド”のように、韓国映画はこういった社会の矛盾や不条理等を取り扱った作品が結構あります。誰が悪かったか等、社会問題は単純に語れない事ではありますが(勿論、殺人事件は犯人が一番悪いです)、この作品は大量殺人事件を生んだ社会やその社会を形成する一員である自分自身への怒りを描いたんだと思います。