運命の人(小説、ドラマ)、西山事件(1972年)に思う事(2) | 坂本龍馬(野球、ラグビー、映画、筋肉)ブログ

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引き続き“運命の人”“西山事件”について記載致します。

西山事件の経過を時系列にまとめると以下になります。

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~1971年~
①沖縄返還協定で、アメリカが負担すべき「現状回復費」を日本が肩代わりする密約文書(電文コピー)を当時の毎日新聞西山太吉氏が、外務省の女性事務官蓮見喜久子氏より入手。
②西山記者はニュースソースへの配慮と取扱に慎重を期すため、更に真近に迫った調印への影響を避けるため、記事への生の掲載はできないと判断し、間接的な表現での署名入解説記事とする(6月11日)。そのため読者からの反響は得られず、また福田外相も疑惑を否定。その後、日米間で沖縄返還協定調印(6月17日)。
~1972年~
③3月西山氏は事実を明らかにするため、社会党横路議員に文書を渡す。当時の衆議院予算委員会で追求するも政府は密約の事実は無いという答弁を繰り返す。3月27日横路議員は密約文書の存在を暴露してしまう。一転して外務省内で犯人探しが行われる。入手経路の調査により、4月4日情報を提供した女性事務官が国家公務員法の第100条・守秘義務違反で、西山氏が第111条・幇助罪(そそのかし罪)で逮捕。
④毎日新聞社が「国民の知る権利」キャンペーンで政府批判と取材の正当性を主張。他報道機関もこれに追随。
⑤4月15日東京地検の起訴状で「西山記者は女性事務官をホテルに誘ってひそかに情を通じ、これを利用して・・・」と記される。これを受けて、毎日新聞は同日「本社見解とおわび」を掲載。以後、西山氏と蓮見氏の男女関係によるスキャンダルとして、当時のテレビや週刊誌などが連日報道。
⑥「知る権利」を掲げる正義の闘いが一転、世間の罵倒を受け、不買運動により毎日新聞は部数が急減(実際には不買運動ではなく、読売との販売戦争の敗北及びオイルショックの影響の方が大きかったらしい)。西山氏は休職。
~1974年~
⑦1月30日一審の判決出る。 女性事務官~懲役6ヶ月執行猶予1年の有罪、西山記者~無罪。西山氏について検察が控訴。同時に西山氏は毎日新聞を退職。
⑧『週刊新潮』74年2月7日号で、蓮見喜久子氏が「私の告白」として10頁に渡り手記を発表。
⑨12月佐藤栄作ノーベル平和賞受賞。
~1976年~
⑩7月20日二審判決 西山氏に懲役4ヶ月執行猶予1年の有罪判決。西山氏上告。
~1977年~
⑪オイルショック発生、毎日新聞社が事実上の倒産。
~1978年~
⑫5月30日最高裁上告棄却。西山氏の有罪確定 以降、西山氏は故郷の北九州(実家の青果販売会社の役員を務める)を経て、沖縄(マンション賃貸業)で蟄居。沈黙を守り続ける。
~2000年~
⑬「琉球朝日放送」の土江真樹子ディレクター(現在、名古屋テレビ勤務)の説得により再びメディアに登場。(1月取材、5月放送)
~2005年~
⑭4月西山氏、国家損害賠償訴訟を提訴。
⑮12月山崎豊子氏が“運命の人”執筆開始。
~2008年~
⑯9月2日西山氏による国賠訴訟が控訴審で全面棄却。9月3日西山氏、ジャーナリスト有志、作家、学者らを原告とする沖縄返還密約訴訟提訴。
~2009年~
⑰9月16日鳩山由紀夫内閣(民主党)内閣成立。岡田克也外相が外務省に秘密文書の公開を命じる。
~2010年~
⑱4月9日文書開示と損害賠償を命じる一審判決。しかしながら控訴審にて2011年9月29日原告団逆転敗訴。原告団は上告。

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 事を本事件に限れば是非は単純ではありませんし、様々な観点、見方、感じ方があるべきでしょう。各々の方のお立場によりそれは大きく、場合によっては180度変わるものだと思います。そうはいっても、本事件のような存在自体及び可能な範囲での事実関係については、私自身が一日本人・一社会人として知っていなければならないと痛切に感じています。
 本事件に関する文献、ドラマ、テレビ特集、報道、ネット記事は数多くあり様々なご意見や見方がありますが、その中の一つ、社会的影響力のある小説を多く手掛ける山崎豊子氏による“運命の人”執筆とそのドラマ化は、本事件の存在自体を広く知らしめる事として、大きな意義があったのだと思います。

(参考)日曜21時“運命の人”スタッフ

原作:山崎豊子 
脚本;橋本裕志
プロデューサー:瀬戸口克陽 
監督:土井裕泰 
出演:
弓成亮太…本木雅弘 弓成由里子…松たか子 三木昭子…真木よう子 山部一雄…大森南朋
<毎朝新聞>
司 修一…松重豊 清原 了…北村有起哉 金田 満…遠藤雄弥 荒木 繁…杉本哲太
<外務省>
安西 傑…石橋凌
<家族>
弓成正助…橋爪功 鯉沼 玲…長谷川博己
<三木家>
三木琢也…原田泰造
<弁護士>
大野木正…柳葉敏郎 坂元 勲…吹越満
<政治家>
横溝 宏…市川亀治郎 福出赳雄…笹野高史 小平正良…柄本明 佐橋慶作…北大路欣也

(各々、実在のモデル)
弓成亮太(西山太吉)…本木雅弘
山部一雄(渡辺恒雄)…大森南朋
小平正良(大平正芳)…柄本明
佐橋慶作(佐藤栄作)…北大路欣也
司修一(三宅久之)…松重豊
曽根川靖弘(中曽根康弘)…本田博太郎
田淵角造(田中角栄)…不破万作
福出赳雄(福田赳夫)…笹野高史
十時正春(後藤田正晴)…伊武雅刀
横溝宏(横路孝弘)…市川亀治郎
安西傑(安川壮)…石橋凌
吉田孫六(吉野文六)…升毅
山本勇(山田勇)…小松和重
林外務次官(藪中三十二)…石丸謙二郎