火災保険料はこれからどんどん上がっていく

 

こんな話を皆さん聞いた事があるかと思います。

今回は、じゃあ実際どれだけ上がるの?といった具体的な金額というところを見て行きたいと思います。

 

今回お話しする内容は以下の3つとなっております。

 

1、地震保険値上げ幅

  ⇨長期係数の見直し

  ⇨具体例

 

2、火災保険建物構造

  ⇨損保ジャパン具体例

 

3、火災保険の割引制度

 

それでは早速見て行きたいと思います。

 

1、地震保険値上げ幅

 

 

過去に東日本大震災がありました。

これをきっかけに地震保険の値上げの方針が決まりました。

 

ただし、急にあげるのは酷だという事で3段階に分けて値上げをしていく事になりました。

まず第1段階は2017年1月に5.1%

次に第2段階は2019年1月の3.8%

そしてきになる3段階目が来年、2021年の1月となっておりますので、詳しく見て行きましょう。

 

その前に下記を見ていただければと思います。

 

 

皆さん「値上げ」「値上げ」とばかり聞くと気分があまり良くないかと思いますので、この値上げの背景を見て行きたいと思います。

これは実際に支払われた保険金の額を2011年度まで遡ったグラフになります。

 

見ていただきたいのが、2018年。

災害が重なり支払われた保険料を軽く1兆円を超えております。

重要なのがその翌年2019年。

2019年には皆さんの記憶にも新しい台風15号、それから台風19号がありました。

しかしこのグラフにはまだ正確な金額が発表されていません。

 

この年も軽く1兆円を越える見通しだという事で、過去10年を見比べても温暖化等の影響から予想も出来ない様な災害が増えてきているという事です。

 

こういった背景を見ると値上がりも仕方がないのかなと。

では実際来年、どのくらい上がるのか。

結論が以下となります。

 

 

全国平均で5.1%。

この数字は2017年1月の値上がりと同じとなっております。

 

 

それでは最大引き上げ率を見て行きましょう。

地震保険料というのは建物の構造によって金額が変わってきます。

 

まずイ構造といって耐火建築物、つまり鉄筋コンクリート造といったマンション等をイメージしていただければと思います。

 

次にロ構造といってこれは非耐火建築物。つまりイ構造以外の木造等をイメージしていただければと思います。

 

木造は燃えやすいですよね。一方、コンクリートに火をつけて燃えますか?と。

この違いという事です。

 

最大引き上げ率という事で、地域によって保険料も変わってきます。

では一番引き上げが大きかった地域は?というとイ構造の場合+14.6%という事で埼玉県となっております。

次にロ構造は+14.7%という事で福島県となっております。

 

今まで値上げ値上げといってきましたが、地域によってはなんと下がる地域もあるんです。

 

最大引き下げ率という事で、イ構造の場合マイナス18.1%という事で、愛知県、三重県、和歌山県が該当します。

次にロ構造。マイナス14.2%という事で同じく愛知県、三重県、和歌山県が該当します。

 

ですのでこれらの地域にお住いの方は地震保険に長期で加入する場合はタイミングを見た方がいいと思われます。

 

長期係数の見直し

 

今回の値上げで長期係数というものも見直されました。

そもそも長期係数とはなんぞやという事なんですが、地震保険料は火災保険料と同様、長期で加入した方が割引率が適用され長ければ長いほど割引率も上がって行きます。

 

本来であれば2年加入する場合、年間の保険料×2年間という事になりますが、

割引率が適用される長期係数を掛けます。

現行の長期係数は2年間で1.9。3年間で2.8と長期で組むごとにお得になっていく訳です。

それが今回見直しされるという事で、上記の様に割引率がわずかではあるんですが、減ってしまっています。

この長期係数の見直しというのは、前回の値上げ時も見直された訳ですが、今回も見直されたという事になっております。

 

割引率を見ても、いまいちわかりづらいかと思いますので、実際に今年で契約する場合と来年で契約する場合、どれ位の金額が変わってくるのか見て見ましょう。

 

 

まず今年中、2020年12月31日までに上記の条件にて契約締結した場合。

 

東京のイ構造の1年間の保険料は2万5000円。これを先ほどの現行の長期係数5年で掛けるという事ですんで、掛ける4.6。

すると5年間の保険料が11万5000円となります。

 

 

次に来年、2021年1月1日以降に同条件にて契約締結した場合。

 

まず年間の保険料が上がって2万7500円。さらに長期係数も見直されたので、掛ける4.65。結果12万7875円となります。

 

 

年内と来年。いつ契約するかによって5年間あたり12,875円差額が出てくるという事になっております。

 

火災保険建物構造

 

それでは次に火災保険について見て行きたいと思います。

 

まず火災保険の今までの値上げ水準という事で、火災保険というのは各保険会社が

上記に損害保険料率算出機構の発表する参考純率を基に金額を決めます。

 

この損害保険料率算出機構とは日本で唯一の料率算出団体です。

保険料というのは事故や災害、今までの様々なデータを基に算出されます。

これを参考純率として発表するのが料率団体の役割です。

 

まず2018年に平均5.5%の値上げ。次に翌年2019年には平均4.9%値上げとされてきました。

これに基づき各保険会社も金額を決めますので自ずと火災保険料も上がっていくという事になっております。

 

 

火災保険も建物の構造によって保険料も変わってきます。

ではまず地域別に築15年以上の建物の値上げ率を見て行きたいと思います。

 

 

最初に関東圏、1都3県を見て見ましょう。

全体的の増加となっております。特に地震保険料にて最大引き上げ率となった埼玉県のT構造は約3割増しという事になっております。

 

 

次に東北になります。

こちらも全体的に増加傾向にあります。

秋田県のT構造が埼玉県同様30%代の増加になっております。

 

 

次に九州になります。

あれ、なんと福岡のH構造の場合、マイナス2.9%と下がる事になっております。

同じく佐賀、それから大分のH構造が下がる傾向になっております。

九州を中心とした大雨にてこれは驚きました。

が、熊本はやはりどの構造においても上昇傾向にあります。

その上昇率も異常です。なんとM構造においては50%超。

熊本を中心とした大雨の影響が大きいと考えられます。

 

 

今までは築15年以上の建物について見てきましたが、上記は築15年未満の改定割引率。築年数が浅ければ浅いほど割引率が高い築年数割引といったものになりますが、

この割引率が改定後、なんと倍以上上がるという事になっております。

 

 

まとめると築15年以上の物件に関しては、どの構造においても上昇傾向にある一方、

築15年未満の物件においては全体的に下がる傾向となっております。

 

とはいっても火災保険料、全体的にはやはり上がるイメージかと。

では火災保険に割引はないのか。次項にて割引制度について見て行きたいと思います。

 

火災保険の割引制度

 

 

まず、どこの保険会社も用意している主な割引制度として、新築割引、それから築浅割引があります。該当する物件であればいずれも数%〜十数%の割引になります。

 

築浅物件に該当する要件の築年数については、各保険会社によって変わってきますが、概ね築10年前後といったところでしょう。

保険会社によっては築15年までといった場合もあります。

 

その他の割引制度として、耐火建築物割引、ホームセキュリティ割引、オール電化住宅割引、ノンスモーカー割引と、各保険会社によって独自の割引制度を用意しておりますので、自身が加入を検討している保険会社の担当に直接確認して見ましょう。

 

火災保険をお得に組む鉄則として、まずは長期一括契約が有利になります。

どういう事かというと、

例えば、保険料が上昇傾向にある現在の情勢の中、

5年間で一括契約した場合と10年間一括契約した場合で見て見ましょう。

 

例えば契約してから2〜3年後に保険料が上がった場合、当然ですが5年後の契約満了日以降は値上げした保険料に対応しないとなりません。

一方10年契約をした場合は、値上げ保険料に対応する期間を先延ばしにできる為、

今の保険料が安いうちに入っておくと有利となる訳です。

 

一部地域によっては、先ほど見てきたように保険料が下がる場合もあるので確認が必要になってきます。

 

自分が必要な保証以外は外す、長期一括契約、それから独自の割引制度がないか保険会社に確認し、自分の物件が該当しているという事であれば担当者に話をして割引を適用する。ここで注意が必要なんですが、各自の物件が該当していたとしても担当としっかり特約として契約してしないと補償の対象外になる場合がありますので、きちんと話をする事が大切です。

 

YouTubeでも詳しく解説しておりますので参考にしていただければと思います。

 

https://youtu.be/t7ZJpZCRv9I