『資格でも取っておくか!』

 

 

21歳のとある日、仕事帰りに寄ったTSUTAYAにて

たまたま手に取った宅建の参考書。

寝る前にパラパラっとめくり、、、

 

『うん、意味がわからん。週末にでもやろう』

 

そのまま参考書は本棚の片隅へ。

週末は仲間と飲みに出てまた同じ1週間。

その後、その参考書が本棚から取り出されるのはしばらく先のこと・・・。

 

いつか本気出せばいいや。

気付けば、この様な日々を5年間過ごしておりました。

明日やろうは馬鹿やろうどころの騒ぎではありません。

 

なぜ宅建の参考書を手にとったか。元々法律にも少し興味がありました。

それから宅建士(当時は主任者)の年収も高い事は学生時代に調査した記憶があります。

ただ一番大きな理由。それは自分がブラック企業に勤めていたからです。

 

それまでの自分は努力とは無縁の世界にいました。

そもそも本気で何かに挑戦した事がなく努力せずとも何の問題もなかったからです。

 

社会に出るまでは。

 

私が21歳から勤めていた会社は、食品の卸売業者で1日の労働時間は13時間。

休みは週に1度の日曜日だけ。それが1年間続きます。

祝日、連休、正月などの言葉は関係がない会社でしたので、年間休日60日を切っていました。それで年収350万円。

 

20代前半はなんとかやっておりました。

独身で体力もあり、生活はなんとかしていける。

そして、そもそも自分がここにいる理由もある意味納得できていました。

今まで何かに挑戦、努力したことのない人間でも雇ってもらえる。

特別なスキルがなくても雇ってもらえる。

むしろ少し感謝しながら一生懸命働いておりました。

 

そして目の前の仕事を頑張っていれば、何かが変わると信じひたすら働いておりました。そして5年が過ぎました。

 

何も変わりません。

昇給がない会社でしたのでどれだけ働いても年収は変わらず。

今になって思うのですが、一生懸命仕事をしているというのは表現の問題で、

本当は慣れた毎日のルーティンをこなしているのが楽なだけだったのかも知れません。

思考停止状態でした。

 

もしお若い方で、同じ様な状況にある方。

本当に我慢しているだけでは何にも変わらないんですよ。

 

気付けば25歳。四捨五入をすれば30歳。

 

「待てよ。このままの状態で30歳を迎えるのか?」

 

ふとその会社で30年間働く50代の上司を見ました。

ものすごい勢いでコキを使われています。

他に転職先もないだろうからどれだけ使っても問題ないとでも会社が認識しているかの様にそれは酷い扱いでした。

 

「いや、普通に自分もこうなるな」

 

このままではまずい。やっと気が付きました。

現状を認識した瞬間、いつかやろうがに変わりました。