From：ななころ
2024年6月20日楽待コラムより
※このコラムは楽待の要請により、楽待コラムからは削除しております。そのため、こちらに元のコラム記事を掲載しておきます。
◆「みんなで大家さん」が行政処分
びっくりニュースが飛び込んできました！
「みんなで大家さん」を運営する都市綜研インベストファンド株式会社に対して、東京都と大阪府が30日間の業務停止命令の処分を下しました。
※ニュースの性質上、どうしてもこのコラムでは表面上の記事になってしまうことをお察しください。（ディープなところはメルマガ等で）
＝＝＝ 記事一部抜粋 ＝＝＝
不動産商品｢みんなで大家さん｣系に販売停止処分 大阪府
大阪府は18日までに、不動産投資商品「みんなで大家さん」を運用・販売する都市綜研インベストファンド（大阪市）に対し、不動産特定共同事業法に基づき18日から30日間、新規販売など一部業務の停止を命じた。
東京都も同日までに、共生バンクグループのみんなで大家さん販売（東京・千代田）に対し、不動産特定共同事業法に基づき21日から30日間の業務の一部停止などを命じた。
（2024年6月18日 日経新聞記事より）
＝＝＝ ここまで ＝＝＝
このコラムを読んでいるような方だったら説明不要かなと思いますが、「みんなで大家さん」は1口100万円から不動産投資ができる不動産小口化商品です。
私が不動産投資を始めた2008年頃にはすでにあったと思います。成田市や成田空港を巻き込んだ壮大なプロジェクト「シリーズ成田（通称：ゲートウェイ成田）」はあまりにも有名です。
「みんなで大家さん」というユニークな名前や、元本割れ無しの利回り7％の投資商品ということで、不動産投資界隈でも注目されていました。一時期はテレビCMやネット広告をガンガンやってましたもんね。
たとえば、10口1000万円を投資した場合、毎年70万円を５年間、利益分配金がもらえる。さらに、5年後の償還を迎える時には元本1000万円が戻ってくる。
単純計算で5年間で350万円の利益です。これ、すごいですよね！驚
◆行政処分の内容
今回の行政処分の内容を掻い摘まむと次のようにあります。
ファンド名「シリーズ成田」に関して、事業プランの変更があったにもかかわらず、投資家に対してその重要事項を説明しなかったこと。
開発許可を受けていない土地を対象不動産に含めていたにもかかわらず、あたかも開発許可を受けているかのように誤った情報を提供し、勧誘や契約を行ったこと。
そして、この問題の是正のため、開発許可の対象外の土地を許可を受けた土地と交換しようと試みたものの、その過程でも投資家との契約変更において不適切な行為が発生していたこと。
さらに、契約成立前交付書面において、宅地造成工事完了後の形状や構造を記載すべきところを、工事完了前の形状を記載していたことも判明しています。
（令和６年６月17日 東京都住宅政策本部民間住宅部不動産業課より）
◆投資したお金はどうなるのか？
そして、出資者が気になるのは、「投資したお金はどうなってしまうのか？」ということかと思います。
みんなで大家さん側の説明では、今回の行政処分が「利益分配金や出資の価額の評価に影響を及ぼすものではない」アナウンスしていますが、心配な出資者も多いかなと思います。
今回の行政処分をきっかけに途中解約を希望される出資者も多いことでしょう。行政処分の内容には以下のようにあります。
＝＝＝ 処分内容を一部抜粋 ＝＝＝
（３）成田商品の解約の申出があった場合には、Ｙ社への取次を誠実かつ適切に行うなど、事業参加者の保護には万全を期すこと。
（７）指示事項（３）については、事業参加者からの解約の申出に係る対応状況（解約申請件数・金額及び被処分者のＹ社への取次件数・金額を含む。）について、当面の間、日次の報告を行うこと。
＝＝＝ ここまで ＝＝＝
つまり、「出資者から途中解約の申し出があった場合は、速やかに処理しなさいよ」といった内容が記されています。
また、「出資者からどのくらいの数の解約の申し出があったのか？いくら返金したのか？といった対応状況を報告しなさいよ」と記されています。
東京都や大阪府は出資者に対する誠実な対応と、その対応状況の報告を義務付けているのです。
◆解約が殺到
ところが、2024年6月18日、「みんなで大家さん」は譲渡契約の一時停止を発表しました。つまり、解約受付の一時停止です。
理由としては、今回の行政処分で解約の申出が多発していることを挙げています。相当な数の解約申請が届いているのだと想像できます。
「一時的に停止」とアナウンスしていますが、いったい一時停止とはどのくらいの期間になるのでしょうか。。。
そして、2024年6月19日現在、ファンド情報がホームページからすべて消えました。運用状況なども一切確認できない状態になっています。
シリーズ成田の工事状況の動画や写真もどんどん頻度や数が減っていっています。また、2024年5月20日から更新されていません。
私の考えでは出資者にお金が戻ってくる可能性は限りなく低いのではないかなと考えていますが、果たしてどうなるでしょうか。。。
（2024/06/17 MBSニュースより）
◆過去に同様のトラブル
実は「みんなで大家さん」、過去にも同様のトラブルを起こしています。
2011年に行政から会計基準の違いを指摘されたり、2013年には約32億円の資産過大計上を指摘されました。
その時にも、運営会社の都市綜研インベストファンド株式会社が60日間の一部業務停止という行政処分を受けています。（今回の30日よりも長い。）
そして、2013年の行政処分の際にもユーザーの解約が多発したことから一時返金の遅延が発生しています。
ところが、最終的に全額が返金されています。今回出資者に望みがあるとすれば、過去は返金されているということでしょうか。。。
◆800万円溶かした過去・・・
実は私も「みんなで大家さん」ではありませんが、同様の投資で800万円を溶かしてしまいました。
事前に危険を察知はしていたのですが、出金するタイミングを完全に誤ってしまいました。行政処分がニュースとなった翌日にはすでに出金申請が殺到していました。。。涙
そして、「出金申請が殺到して送金遅延が発生している」「想定を超える送金額にシステムがエラーとなっている」「国税庁のチェックが入っている」などと言い訳の連発。
もうかれこれ2年以上経つのですが、未だにお金は戻ってきていません。お恥ずかしや・・・。（先方の言い分としては現在も出金手続中）
ということで、みなさんもくれぐれも甘い投資にはお気をつけくださいね！「みんなで大家さん」の出資にはお金が戻ることを祈っています！
◆編集後記
学費やら習い事やら洋服やらおもちゃやら、、、これまで親からいくら投資してもらったんだろうか？
これまで投資してもらった以上のものを僕は両親に返せているだろうか？親孝行できているだろうか？
投資詐欺にはならないようにしないといけないなと、今回のコラムを書いていて強く感じた次第です！
◆追伸
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