From:ななころ
プライベートオフィスより
我が家にホームステイしていたイタリア人を父に持つ女の子から、昨夜のイタリアローマの街の様子の動画が届きました。
イタリアが53年ぶりの優勝で夜遅くまで街は大盛り上がりのようです。
ところで、このニュースを見て、「面白い実験だ」とポジティブに捉える人、「アホだ」と批判する人、「こんなの無理・・・」と悲観的に捉える人、、、それぞれ反応があって良いと思います。
ただ、どう反応するかで、その人の人生が形作られているんだろうなと感じた次第です。
◆今月中に方向性を決めないといけない理由
スルガ銀行から融資を受けているサラリーマン投資家から、いまだに相談がちょくちょく来ます。
スターバックスみたい名前の不動産業者。
大家という名前なのに物件を売っている県庁所在地大家さん。
外資系銀行みたいな名前の不動産業者。
カタカナ横文字の免許番号1番の都内の不動産業者。
こういった「自分のところが儲かれば良い」という不動産業者から高値で購入してしまい、収支が苦しくなっているサラリーマン投資家の人たちです。
いずれも返済比率が高く、70%80%を超えている人もかなりいます。
なかには90%を超えていた人もいて驚いたことがあります。。。
もしこのブログをお読みの方で、スルガ銀行から融資を受けて苦しんでいるのにも関わらず、今現在何も対処せず方向性が決まっていないのであれば、かなり危険です。
「座して死を待つ」ような状態です。
方向性は、大きく3つしかありません。
1.稼働率を上げて保有し続ける
2.売却に向けて動く
3.スルガ銀行と交渉する
「方向性をどうするのか?」が決まっていないのであれば、早急に決めておく必要があります。
もっと言うと、もし「3.スルガ銀行と交渉する」を選ぶのであれば、遅くとも7月中には、行動を起こす必要があります。
前回の記事では、急ぐべき3つの理由のうち2つをお伝えしました。
◆1つ目の理由「期限」
◆2つ目の理由「時効」
いよいよ期限が迫ってきているのです。。。
※債務者を標的にした怪しい団体もあるようですので、くれぐれも二次被害にお気をつけください。
◆3つ目の理由「存続」
そして、3つ目の理由は「存続」です。
報告された有価証券報告書を読み解くと、今後の存続が不安になる内容が浮かび上がってくるからです。
まず、支援の手を挙げていたノジマから事実上三行半を突き付けられ提携解消。
ノジマの息のかかった役員はすべて退任という事態となり、再建はまたしても振り出しに戻っています。
=== 記事一部抜粋 ===
ノジマは保有株売却へ スルガ銀の「脱・個人」に不信感
ノジマは19年10月、スルガ創業家などの持ち株13.5%を約140億円で取得するなどし筆頭株主となった。投資向け不動産の不正融資で失墜したスルガの信用を補完する形で救済に乗り出した。
同首脳はこう続ける。「スルガは原点回帰しようとしていないのが問題。期待を裏切られ、吹っ切れた」。保有するスルガ株は「損をしてもいいから売却したい」と強気だ。
(2021.6.2日経ビジネス記事より)
=== ここまで ===
先月29日に開催されて大荒れとなったスルガ銀行の株主総会。
ノジマの保有するスルガ銀行株の行方がどうなるのか、注目されるところですが、株主総会ではノジマ提携解消については一切言及がなかったようです。
有価証券報告書を見ると、18.49%のスルガ銀行株を保有するノジマ。
ノジマが撤退となった場合に、株を引き受ける先があるのかどうか?
引き受ける先によっては、これまでの債務者とスルガ銀行との交渉が、再びゼロスタートとなる可能性もあるのです。
(実際、1年ほど前にスルガ銀行側の弁護士が代わったことにより、交渉がゼロスタートになっています。)
(2021年 3月期(2020年度)有価証券報告書より)
◆減り続ける従業員と店舗数・・・
そして、存続が不安な点として、スルガ銀行の従業員数も減り続けていることです。
ここ一年で200人近くの従業員がスルガ銀行を去っているのです。
最盛期の2018年には2000人近くの従業員がいたのが、現在は約1600人まで減少しています。
従業員のことを「人財」と書いたりするように、企業にとって従業員の存在はとても重要です。
会社の方針がおかしくなった場合、優秀な従業員から会社を去っていく傾向にあります。
スルガ銀行存続に関する危険なシグナルなのではないかなと感じています。
また、従業員の減少とともに、店舗統合や移転が加速しています。
スルガ銀行のホームページのお知らせ一覧をご覧になると分かると思いますが、どんどん店舗が消えていっているのです。
ななころの担当支店だった仙台支店も無くなってしまいました。。。
2棟目の決済のために、お金を節約するために新宿駅から深夜バスに飛び乗り、朝早く仙台駅に到着したことを思い出します。
見晴らしの良いビルの応接室の豪華さに驚かされましたっけ。
スルガ銀行の象徴ともなっている日本橋からも近々撤退するのではないかと、ななころは見ています。
◆いまだに財務体質は良さそうだが・・・
有価証券報告書を見ると、スルガ銀行は未だに高い収益率を誇っています。
現金も豊富にあり、高い自己資本比率です。
早々に潰れるというような財務体質では無さそうです。
しかし、売上は右肩下がり。
経常利益も減り続けていることが分かります。
それもそのはず。
お金を貸すことで利益を上げる銀行にも関わらず、貸出金残高は減り続け、新規貸出は増えていませんからね。。。
一方で、今抱えている貸出金は急激に腐っていっています。
かぼちゃの馬車などのシェアハウス関連の不良債権を一括処理したのにも関わらず、一向に内容が良くなっていないことからも分かります。
こういったことからもスルガ銀行の存続が厳しいということが伺い知れるのです。
(2021年 3月期(2020年度)有価証券報告書より)
◆まとめ
以上、スルガ銀行融資で苦しんでいる人が、急いで”なんらかしらの行動を取るべき理由”について、3つほどお伝えしてきました。
今すぐの売却は難しく保有し続けるのであれば、稼働率を上げて経費を減らすために今すぐ動く必要があります。
また、いざ返済できなくなった時のことも想定して、自己破産以外にどんな対処法があるのかを知り、覚悟を決めておく必要もあるでしょう。
団体交渉するのであれば、早急に動かないと時効が成立してしまう可能性もあります。
これ以上の交渉が難しくなってしまう可能性もあります。
繰り返しますが、「保留」or「放置」というのが最も危険な考え方となります。
周りの人に助言をもらいないがら、今月中(7月中)には方向性を決めておくことをオススメしている次第です。
◆編集後記
たしかに「投資は自己責任」ではありますので、自分が巻いた種と言えるかもしれません。
不勉強なのは間違いありません。
ただ一方で、「100%すべて投資家の責任か?」というと、ななころは世間一般とは少し違う考えを持っています。
不動産業者が一番悪いのは間違いありませんが、スルガ銀行にも非はあるのではないかと思っています。
融資に不正があったことは間違いない事実だからです。
また、批判される方もいらっしゃるかなと思いますが、お金を貸す方にも多少なりとも責任があると思うからです。
なぜなら、スルガ銀行もお金を貸す時に、物件を担保に取り、給与を担保に取り、場合よっては奥さんまでも担保に取り、お金を貸しています。
つまり、スルガ銀行は返ってこないと思っているわけです。
返ってこない時に取りっぱぐれの無いように貸しているのです。
私たちはお金を貸した友人に言います。
「人にお金を貸す時には、返ってこないものと思って貸した方がいいよ」
そして、お金が返ってこないと嘆く友人に、こう言ったりします。
「そりゃー、お金を貸したお前が悪いよ」
お金を借りたら返すのは当たり前だとは思います。
ただ、「騙された方が全面的に悪い」というのも違うのかなと考えている次第です。
メルマガでは毎回2000文字から3000文字で、もっと突っ込んだ役立つ情報を書いています。
▼毎週金曜配信のメルマガ登録 → コチラ
※登録は無料です。即解除もできます。