◆さらなる不可解な点が・・・
スマートデイズ社が、
民事再生を申請したことが、
4月9日に一斉に報じられました。
負債額は60億円以上とも言われ、
1/3に当たる約20億円が、
かぼちゃの馬車オーナーへの負債とされています。
この20億のほとんどの割合が、
サブリース賃料の滞納分ということなります。
オーナーを700人とすると、
単純計算で1人当たり約290万円の滞納です。
大家から見たら、
とんでもない悪質な入居者です。。。
4月9日「【速報】スマートデイズ民事再生申請、負債額60億円以上」
そして、スマートデイズ社は、
破産ではなく、民事再生の道を選択しましたが、
その動きには不可解な点が数多く出てきます。
前回の記事では、
3つの不可解な点を書きました。
不可解な点1「なぜ直前で社長が交代?」
不可解な点2「なぜ民事再生を選んだのか?」
不可解な点3「民事再生の費用はどこから?」
4月10日「スマートデイズの民事再生の動きは不可解な点だらけ(1)」
しかし、さらに不可解な点が、
ぞくぞくと出てくるのです。
黒幕が黒幕だけにいろいろな憶測が出てきます。
さらなる不可解な点とは・・・?
◆他誌が報じない闇
今回のスマート社の民事再生について、
多くの記事が表面上しか報じられているだけで、
詳しいことが分かりません。
その中でも、最も詳しく報じているのは、
東京商工リサーチの記事です。
東京商工リサーチの記事を読み込んでいくと、
さまざまな不可解な点が浮かび上がってくるのです。
それらの不可解な点が、
今回の事件の闇を一層深くしているのです。
~ 記事一部抜粋 ~
民事再生申請のスマートデイズ、上場企業の社外取締役の会社が質権設定
4月9日、(株)スマートデイズ(TSR企業コード:294730672)が東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は約60億円。
1月にシェアハウス「かぼちゃの馬車」などのサブリース賃料の支払い停止を公表してから約3カ月。3月27日には、スマートデイズとサブリース(マスターリース)契約をしていたオーナー13名が、スマートデイズや建築会社、販売会社など15社とスマートデイズの役員らに総額2億円の損害賠償を求めた訴訟を東京地裁に起こしたばかりだった。
また、2月1日にはスマートデイズに債権譲渡登記(質権設定)がなされていたことも判明した。
(2018年4月10日 東京商工リサーチ記事より)
~ ここまで ~
◆不可解な点4「債権譲渡登記がされていた?」
この記事を読み込んでいくと、
非常に気になる記事が書かれています。
「スマートデイズに債権譲渡登記(質権)が設定されたことも事情を複雑にしている。」
最初読んだ時、どういうことのなのか、
理解するのに時間がかかりました。
この記事が意図することは、
どういうことなのでしょうか?
債権譲渡登記とはいったい何のでしょうか?
~ 記事一部抜粋 ~
スマートデイズに債権譲渡登記
2月1日、スマートデイズに債権譲渡登記(質権)が設定されたことも事情を複雑にしている。質権を設定したのは東京都港区に本社を置くA社。A社の代表X氏は、スマートデイズの親会社である(株)オーシャナイズ(TSR企業コード:296564656)の監査役を2015年4月22日から今年1月12日まで務めていた人物だ。4月6日、東京商工リサーチ(TSR)は、スマートデイズを通じてX氏の監査役辞任の理由や質権設定の内容を尋ねたが、4月9日までに回答はなかった。X氏も取材に応じていない。
~ ここまで ~
◆「債権譲渡登記(質権)」とは?
まず、「債権譲渡登記(質権)」が、
分かりにくいですよね。
私がこの記事から読み解いた限りで、
分かりやすく解説したいと思います。
※誤っている場合はご指摘ください。
たとえば、あなたが、
彼女に10万円を貸したとします。
しかし、その彼女はどうしよもない彼女で、
ホスト通いが大好き。
あなたにはまったく返す気配がありません。
しかも、事もあろうに、
お気に入りのホストAに対して、
彼女は20万円ものお金を貸していたのです。
あなたは心配になります。
「ちゃんと返済してくれるか・・・(不安)」
「こいつ、ホストA以外にもお金貸してるのでは?」
そこで、彼女に約束させます。
「お前がホストAに貸してる20万円のうち、
10万円は俺のもんだからな!」
こうして、
彼女がホストAに貸している20万円のうち、
あたなは10万円分を担保に取ることに成功します。
これが「質権」です。
そして、彼女がホストAに貸している20万円のうち、
10万円分の返済は、あなたに移りました。
これが「債権譲渡」です。
それでも、まだ不安です。
ホストBがやってきて、
「この10万円は俺のもんだ!」と言われると困ります。
そこで、
「彼女がホストAに貸した20万円のうち、
10万円分は、私に移りました。」と、
彼女以外の第三者にも対抗できるように、
公的な機関に記録することを、
「債権譲渡登記」と言います。
◆不可解な点5「X氏がスマートデイズに債権譲渡登記?」
上記の説明を今回の関係に落とし込んでみると、
以下のような関係になります。
・あなた → X氏
・スマート社 → 彼女
・スマート社の顧客or取引先 → ホストA
つまり、X氏は、スマート社に債権譲渡登記を行い、
スマート社が顧客や取引先に対する売掛金などを、
優先的に支払ってもらうように、
登記してあったということになります。
ということは、スマート社が負っている負債は、
優先的にX氏に支払いがされることになります。
たとえば、入居者からの賃料は、
優先的にX氏への返済に充当されるべきと、
X氏は主張することができることになります。
X氏は、なぜスマート社に対して、
債権譲渡登記を行ったのでしょうか?
X氏は、いつ、どのような内容の
債権譲渡登記を行ったのでしょうか?
◆不可解な点6「X氏とは何者なのか?」
そして、スマート社に対して、
債権譲渡登記をしたX氏とは何者なのでしょうか?
記事によると、X氏は、
東京都港区に本社を置くA社の代表とあります。
オーシャナイズ社の監査役を務め、
東証一部上場の企業の社外取締役でもあると、
報じられています。
このX氏がオーシャナイズ社の監査役を務めていたのが、
「2015年4月22日から今年1月12日」ですので、
オーシャナイズがスマート社と関係を持つ前から、
監査役を務めていたということになります。
ということは、オーシャナイズが、
スマート社に対してアプローチするきっかけに、
大きな影響を及ぼした人物だということが、
言えるのかもしれません。
~ 記事一部抜粋 ~
X氏は、東証1部上場のB社の社外取締役も務めている。2015年6月29日に社外取締役に就任している。B社の2017年6月6日付の株主総会招集通知には、X氏を社外取締役候補者とする理由を「長年にわたり海外及び国内において企業経営者として高い実績をあげており、豊富な経験、幅広い知見を有している」と記載されている。だが、略歴欄にオーシャナイズの監査役兼務の記載はない。
4月6日、TSRの取材に応じたB社のIR担当者は、債権譲渡登記やオーシャナイズの監査役を兼務していた点について「一担当としては把握していない。社外取締役なので連絡を取って確認したい」と述べるにとどめた。
~ ここまで ~
◆不可解な点7「ステップライフ社とは?」
東京商工リサーチの記事を読むと、
もう1つ不可解な点が出てきます。
取材のために、スマートデイズの専用電話にかけると、
別の番号を案内をされて、
ステップライフと名乗ったとのことです。
「代表取締役を菅澤聡氏が務める(株)ステップライフ」
この会社はいったい何でしょうか?
何のために設立された会社なのでしょうか?
スマート社やスプリングボード社との関係は、
いったいどうなっているのでしょうか?
~ 記事一部抜粋 ~
代表変更の理由は周囲にも知らされていなかったようだ。9日昼、TSRの取材に応じた関係者は「菅澤社長の辞任理由は一身上の都合」で、「スマートデイズがオーシャナイズの子会社であることに変わりはない」とコメントしている。
これに前後して4月6日、これまで取材対応していたスマートデイズの専用電話にかけると、別の番号を案内するようになった。その番号は「ステップライフ」と名乗る。登記上本社がスマートデイズと同所で、代表取締役を菅澤聡氏が務める(株)ステップライフ(TSR企業コード:022350837)とみられる。
~ ここまで ~
◆闇は深まるばかり・・・
いや~、スマート社の一連の動向を追っていると、
複雑で不可解なことがいっぱい出てきます。
1つ1つ読み解くにも時間がかかります。
それでも闇は深まり、
憶測がどんどん出てきます。
1月のオーナー説明会で、
前社長の菅澤聡氏は、
全容解決に向けて最大限努力することを宣言しました。
しかし、菅澤氏の宣言したことは、
すべて反故にされています。
それどころか、高度な知識を利用して、
巧みに責任と債務から逃れているようにすら、
感じてしまうのは私だけでしょうか・・・。
逆に闇は深まるばかりです。
明日12日(木)と14日(土)に、
かぼちゃの馬車オーナーに向けて、
再度説明会が開催される予定です。
果たして説明会で何が語られるのでしょうか・・・
動向が注目されるところです。