土管から流れる水を作ります。
出来上がるとこんな感じになります↓
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エミッタオブジェクトを選択して、モデルモードの状態で座標オブジェクト角度Pの設定数値を-90°にして適用させます。
そして属性マネージャの”エミッタ”タブにある”X方向の大きさ”と”Y方向の大きさ”をそれぞれ25cmに設定します。
ビューを4分割にして、エミッタオブジェクトを土管オブジェクトの中心の位置に合わせたら、エミッタを奥へ移動させて中央に配置します。
次に球体オブジェクトを選択して、属性マネージャの”半径”を3cm”分割数”を15にして、オブジェクトマネージャのエミッタにドラッグして子にします。
※球体のサイズは作っていくうちに変わるかもしれませんので”編集可能にする”は、まだこの時点ではクリックしません。
ここでエミッタオブジェクトの属性マネージャにある”エディタにオブジェクトを表示”にチェックをつけて、アニメーション再生して確認してみます。
※状態が見やすいようにレンダリングしています↓。
球体オブジェクトが土管からビュンビュン出てくるのが分かります。
でもまだ球体がぽこぽこ出てくるだけなので水っぽくありません。
メタボールオブジェクトを選択してエミッタをメタボールの子にします。
これでもう一度再生して見てみましょう。
うおっ(=▽=;でかっ!
球体オブジェクトがメタボールの作用で1塊になって出てきました(ちょっと塊がでか過ぎた)
このようにメタボールオブジェクトを使うと、スプラインやオブジェクト、ポリゴンやスプラインが含むポイント、パーティクルなどを種にしてスムーズな曲線に変えてくれます。
今回の場合、その種となっているのは球体オブジェクトです。
でもこのままだとちょっと種がでか過ぎて、まったく水っぽくない形なので、属性マネージャのメタボールとエミッタの設定を変えてもっと水らしい形になるようにしたいと思います。
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まずは種である球体オブジェクトの設定から変えていきます。
属性マネージャの”半径”を7cmに変えて、球体オブジェクトを少し大きくします。
次にエミッタの”パーティクル”の設定数値を以下の写真の通りにします。
※パーティクルの詳しい説明は、以前やった『エミッタを使って煙を作ろう その3』に書いてありますので、参考にしてみて下さ~い(^^)/
メタボールの設定数値も以下の通りに変えます。
メタボールの”影響力”の数値を上げると、メタボールの曲面の体積が小さくなります。
エディタでの分割数/レンダリングの分割数は空間を分割する距離を表します。
ですから値を大きくするとメタボールの曲面が粗くなります。
”指数関数で減衰”にチェックをつけると、メタボールの種同士がより近い距離に引きつけられて、その境目がよりシャープになります。
この設定でアニメーション再生をクリックして、どのように出てくるか確認してみます。
・・・・いえいえ大丈夫です。
今まだマテリアルを適用してないのでかりんとうのように見えますが、これからちゃんと水っぽくなるのでご安心ください( ̄∀ ̄)。
土管を見ると、若干オブジェクトが突き抜けてしまっている部分があります。
ちょっとエミッタのサイズがギリギリ過ぎたかもしれませんので、エミッタのXとY方向の大きさを19cmに縮めます。
これで土管からはみ出る事はなくなるはずです。
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次はこの真っ直ぐ流れる水のオブジェクトを、特殊なモディファイアを使って下へカーブさせます。
まずシュミレートにある重力モディファイアを選択します。
このモディファイアは、重力を作り出す事が出来ます。
ビューを見ると写真のような座標軸が現れます↓。
※全体が見やすいように重力モディファイアの座標軸を上に移動させています。
赤い矢印の所を見ると-Y軸方向に黄色い矢印があるのが分かるでしょうか?
これはパーティクルがワールド座標の-Y方向に加速する事を示しています。
オレンジ色の枠は、重力の影響領域を表しています。
パーティクルがこの枠に入ると、-Y軸方向に引き寄せられます。
影響範囲はスケールで大きさを変える事が出来るので、使う状況によってサイズを変えます。
ここで重力モディファイアの属性マネージャの設定を見てみましょう。
”重力加速度”は、パーティクルが重力の影響範囲に入った時の加速度を設定する事が出来ます。
現在の設定は250cmです。
試しにこの値を-250センチにしてみると・・・・
パーティクルが上(+Y軸方向)に行ってしまいました。
負の値を入れると浮力のような力が働くみたいです。
”ダイナミクス質量を考慮”は、チェックをつけると重たいオブジェクトが重力モディファイアの影響を受けなくなります。
ヘルプを見ると、これにチェックをつけないと重たいオブジェクトの質量がつけ加えられないので、ふわふわ動き回ってしまうらしいです。
・・・・・重たいオブジェクトって何だろう(=▽=;船とかかな?
これに関しては、実際そういうオブジェクトを作ってみないと、動きが分かりませんね。
ちなみにダイナミクスって言うのは、オブジェクトを物理シュミレーションで変形させる機能らしいです。
では加速度を250cmに戻して、重力モディファイアの効果を確かめるためにアニメーション再生をクリックしてみましょう。
はい落ちました~♪
これで土管から流れる水のオブジェクトが出来ました。
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次はこのオブジェクトをもっと水らしくする為に、マテリアルを適用させます。
新規マテリアルを作成して、カラー、鏡面反射、スペキュラ、拡散、透過、パンプにチェックをつけます。
そしてマテリアルの名前を”土管の水”に変更しておきます。
まずはカラーから設定していきます。
カラーのRGBの設定を145にして、テクスチャを”フレネル”にします。
フレネルを使うと、光の入射角度に応じて面の見え方が変わるような効果が得られる・・・・と私はそう覚えました(=▽=;
つまり透明な物質・・・・例えば湖とかを見ると、近くの波の下に見えるは砂利がよく見えますが、遠くの方は見えなくなり、水面には周りの景色が写りそちらの方がよく見えます。
これがフレネルの効果なのかなと・・・・(違うかな)
このフレネルをクリックして”グラデーション”の色を変えます。
色を変える時は、写真の赤丸にある鉛筆みたいな形の所をダブルクリックすると、カラーピッカーが出てくるので、そこで変えたい色を選びます。
白い方は変えず右の黒い色を変えます。
色の設定数値は、S35%、V63%、R100%、G145%、B160%にします。
するとグラデーションの色がこのよう↓になりました。
ちなみに話はちょっとズレますが、カラーピッカーにある”スクリーンカラーを選択”って言う所があるんですけど、このバーを選択するとマウスのポインターがスポイトになります。
そのスポイトでパソコンのウィンドウ内のどこでもいいので、吸い取りたい色があったら吸い取ると、その色がカラーピッカーに表示されます。
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話を元に戻します。
カラーの設定が出来たので、次は拡散の設定を変えます。
拡散は、マテリアルの表面に劣化、汚れ、腐食などを表現するチャンネルです。
他の設定はそのままにして”鏡面反射に影響”にチェックをつけます。
これにチェックをつけると、拡散テクスチャが鏡面反射や環境チャンネルにも働きます。
最初の”基本”の設定で鏡面反射を選択しているので、このチェックをつけます。
次にテクスチャを”ノイズ”にしたら、カラーの時と同じ様にバーをクリックしてノイズの種類を変えます。
”シェーダの属性”の設定ではノイズを細かく編集して設定する事が出来ます。
その項目は写真画像では納まらないくらい色んなものがあるので、説明用の写真も全部入りきらない為内容が切れています↓。
それくらい多いんです(=▽=;。
とりあえず今回使うのは上の方の設定だけですので、その設定を変えていきます。
シードは独特のランダムなノイズパターンを作る事が出来ます。
設定値は-2147483647~2147483647とめっちゃ幅広く変えられます。
(幅広過ぎてそこまで使いこなせる自信がない)
”ノイズの種類”を”Sparse Convolution”にします。
このノイズの種類もたくさんあって、全部で32種類あります。
”全体スケール”を600%にします。
このスケールはUVW方向に均等にノイズをスケールする事が出来ます。
ちなみにその下にある”相対スケール”は、UVWを別々にスケールします。
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拡散の設定が終わったので次は透過の設定をします。
ここの設定は変える所がたくさんありますよ~(=▽=;
まずは”カラー”のRを250、Gを253、Gを255に設定します。
”透明度”は80%で”屈折率”を1.33(もしくは1.333)にします。
ヘルプには、水や宝石などの絶対屈折率の数値が書いてありますので、透明に近い物質を作る時は、その値を見て数値を入れるとよりリアルな光線の屈折が表現出来ると思います。
”フレネル”にチェックをつけ”放出鏡面反射”のチェックを外し”フレネル鏡面反射度”を78%に設定します。
放出鏡面反射は、簡単に言えば光が透明の物体に入った時に屈折し、さらに内側の壁に当たって屈折した時に、あまり見た目の良くない多重屈折された映り込みが出ることがあります。
その変な屈折が生じたら設定をOFFにすればいい・・・・と言う所までは何とか分かりました。
最後に”吸収色”の色を変えます。
吸収色と言うのは、吸収距離で決められた距離を光線が移動した時に、透過色によって乗算された色の事です。
設定数値は以下の通り・・・。
赤枠の数値をそのまま入れて下さい。
だいぶマテリアルが水っぽくなってきましたけど、後チャンネル3つ編集します。
ファイト~(==/
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次は鏡面反射です。
鏡面反射はマテリアルを鏡のような質感にする事が出来ます。
”反射率”を50%にして”テクスチャ”を”フレネル”にします。
テクスチャの”フレネル”をクリックしてグラデーションの黒の色を変えます。
赤丸で囲んだ黒い色の方をクリックして、カラーピッカーを表示させ、S0%、V51%、R130、G130、B130の数値を入れます。
色が変わったらグラデーションの真ん中にある白い星を少し左側いに移動させます。
これによって白とグレーの色の割合が変わります。
これで鏡面反射の設定は終了です。
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次はバンプの設定です。
バンプはマテリアルの表面を凸凹にする事が出来ます。
バンプの表示を見ると”バンプの強度”の設定が選択出来ない状態になっていますが、”テクスチャ”を選択すると表示がアクティブになります。
テクスチャを”レイヤ”にして”バンプ強度”を15%にします。
選択したレイヤ(レイヤシェーダ)は、Photoshopなどで使うレイヤと同じ様なもので、シェーダやビットマップ画像を無制限に重ねて編集する事が出来ます。
その編集した内容は一括してリアルタイムにレンダリングされます。
使い方はテクスチャの”レイヤ”をクリックしてレイヤシェーダの編集画面にしたら、”シェーダの属性”ある”シェーダ...”をクリックします。
するとサブウィンドウが表示されるので、その中から”ノイズ”を選択します。
するとノイズのレイヤが表示されます。
”ノイズ”と言う名前はダブルクリックすると変更する事が出来ます。
その隣には現在設定されているノイズのプレビューが表示されていて”通常”の隣にある白い三角形をクリックすると加算、乗算、レイヤマスクなど様々な効果が設定出来ます。
またプレビューをクリックすると”シェーダの属性”の編集画面に切り替わり、さらに細かい設定をする事が出来ます。
%のパラメーターは、レイヤの濃度を設定出来ます。
今回はノイズを2つ使うので、ここでもう1つ”シェーダ...”からノイズを選択します。
まずは一番上のレイヤから設定していきます。
パラメーターの数値を30%に設定して、プレビューをクリックします。
”シェーダの属性”の編集項目は非常にたくさんあります。
いや~もうそれはそれはびっくりするくらい色んな設定があるので、ここで全てを説明するのはちょっと無理ですので(=▽=;;今回は使うところだけ説明します。
”シード”は設定数値を変える事で、ノイズのパターンをランダムに作る事が出来ます。
とりあえずこの数値を300にしておきます。
”ノイズの種類”はそのまんまですが、ノイズの種類を選択する事が出来ます。
ノイズの種類は32種類あります。
今回はその中から”Turbulence”と言うノイズを選択します。
”細かさ”は、ノイズの中に含まれる、くり返し成分の細かさを指定します。
これを3に設定します。
この細かさの設定は、使うノイズの種類によっては設定出来ない場合もあります。
最後に”全体スケール” の設定数値を500%にします。
全体スケールはUVW方向に均等にスケールします。
これで1番目のレイヤの編集が終わったので、黒い左向きの矢印をクリックします。
すると1つ前の状態(レイヤシェーダの編集画面)に戻ります。
画面が戻ったら2番目のレイヤのプレビューをクリックします。
シェーダの属性画面が表示されたら、写真の赤枠の通りに設定します。
ここではさらに項目の下の方にある”下をクリップ”と言うところも編集します。
下をクリップは、ノイズ関数の値を下から切ります。
・・・・・と、ヘルプに書いてあります。
ノイズ関数(=▽=????
何だか難しそう言葉が出てきましたね。
これを言葉で説明するとめちゃくちゃ長い文章になると思いますので、ここでどういう効果があるか実際に数値を変えてその変化を見てみたいと思います。
写真左が下をクリップを28%にしたプレビューで、その隣が85%に設定したプレビューです。
%の数値を高くするとノイズの黒い部分が段々濃くなって100%になるとほぼ黒い色になってしまいました。
次に下をクリップの値を28%にした状態で、その項目の下にある”上をクリップ”の数値を50%に設定してみます。
上をクリップは、ノイズ関数の値を上から切ります。
ビューを見てみると、ノイズの白い部分が明るくなりました。
私はもう数学的な事が大の苦手なので、難しい事は置いといて、こういう機能がノイズにどんな影響があるのかという事だけ覚えてます(==;←えらい無責任
だってノイズ関数なんて・・・・・難しすぎて分からんもん!
(T△T)<ぬおおおおぉぉぉぉっ!
という事で、下をクリップの設定を28%にして上のクリップを100%に戻したら、ノイズの設定は終了です。
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最後はスペキュラの設定です。
幅、高さ、減衰の数値を写真赤枠の設定数値に変えます。
幅と高さの設定数値を高くしたり低くしたりすると、光沢の強い物質からマットっぽい物質まで表現する事が出来ます。
減衰の値は-100%~100%に設定出来ます。
100%に近くなると、スペキュラが非常に強くなります。
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これでやっとマテリアルの準備が出来ました。
ではこれを早速、水のオブジェクトにドラッグしてレンダリングメニューの”プレビューを作成
”をクリックします。
”画像サイズ”の設定数値を600にしてOKをクリックします。
そしてしばらく待つ。
待つ、待つ、待つ、待つ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
すると画像表示ウィンドウが表示されるので、アニメーション再生をクリックすると・・・・
水ドバ~~~ッ!!
いえいっ(>▽<)V☆
これで土管から流れる水が出来ました。
最初はかりんとうみたいなオブジェクトでしたけど、やっぱりマテリアルを入れるとリアルになりますね~。
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さて次回は、コンクリートに溜まっている水を作って、コンクリートのマテリアルにもレイヤを重ねて水が溜まってたようなシミを表現してみたいと思います。