「金環蝕」(1975.9.6) | All the best for them

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先日から、ちまちまと「金環蝕」を見ていました。

このお正月に日本映画専門チャンネルで放送されたやつ。

長いのとどう見ても難しそうな感じだったので、ほっちっちにしていましたが、

三谷さんが三國さんの出演作として推薦されていたので、

じゃあ見てみようかと、重い腰をあげました。



う~ん、内容はやはり難しかった、かな?

BGMはコミカルなんやけど、なんか電力会社と政治の絡みみたいな…

起承転結があるようなないような、

登場人物皆が腹黒で、欲むき出しで生きてる様子が哀しくもありおかしくもあり。

同じオールスター映画でも、先に見た「超高層のあけぼの」は全くの正統派で、

これは完全にどろどろ劇でしたね~



ただ出ている俳優さんの怪演ぶりに、見とれてしまったかも…

名前を知っている人だけざざ~っと。

まずキャストの筆頭の仲代さん。

官房長官とのことですが、ポーカーフェイスでめっちゃ気取ってます。

でもなかなかのイケメンでスタイルもめちゃ良いのですね~

愛人との熱烈なラブシーンもなかなか見ものでした。

次は宇野重吉さんの金融王・石原参吉。お妾さんが中村玉緒さん。

私には昔、「ルビーの指環」で一世風靡した寺尾さんのお父さん

というイメージが強いのですが、やっぱり親子そっくりやった。

石原のあの前歯は入れ歯?

いやらしさ全開の表情が、正直気色悪かったけど、

一番あくどかったかも…最後は逮捕されて、ホッとした。

わたしゃ官房長官派だったから。

で、三國さんの神谷代議士は最後外国へ飛ばされた、ということなんやろか。

なんか正義感ぶってるけど、自分はどうなんよって感じで。

顔は佐藤浩市さんによく似てるけど、神谷の雰囲気は全く別人。

佐藤さんキャラがホステスの乳房をまさぐったりするなんて、

絶対想像出来ひんけど、三國さんキャラなら全く違和感なし。

とても豪快な人でした。

この主要お三方に次いで、

かつての黄門さま。えっこんなにはげてたの?っていうのが第一印象。

現代劇ではワル役でも有名だったのは知っていたので、

冷血キャラにも違和感なし。

でしたが、びっくりしたのは料亭でのはじけっぷり。

鼻の穴に煙草を突っ込んでの余興に、目が点でした。

で、うさんくさそうなジャーナリストに高橋悦史さん。

この方は真面目で固いキャラのイメージが強かったので、

裏街道を行くジャーナリストというのはともかく、

愛人と激しくキスをして口紅ついたままになったり、

これまた乳房をまさぐっている姿に、驚きでしたよ。

その愛人というのが、夏純子さん。

「非情のライセンス」でゲスト出演していたときに名前覚えたんやけど、

とても可愛い女優さん。ですが、ここでは結構蓮っ葉な感じの女の子でしたね。

で、このジャーナリストは、弟に刺されてしまうのですよ。

石原参吉と組んで秘密を暴露しようとしたところ、

官房長官の差し金かなんかで、弟も買収されたのかな、

お兄ちゃんを殺してしまう。

このやさぐれ弟が峰岸徹さんだった。

若い! 最初一瞬ジュリーかと思ったぜ。なかなかのイケメンですね~

平成版「暖流」での熱血漢のイメージが私には強いので、

若い時代のヤンキーぶりに、びっくり。

あとは、電力開発㈱の新総裁になったのが内藤武敏さん。

あんまり知らない俳優さんなのですが、

土ワイの「三毛猫シリーズ」で捜査一課課長やったな。

腹黒さを隠すように淡々としていましたな。

この電力開発㈱の副総裁が神山繁さん。

彼もどうも真面目な役のイメージが強いのに、

もうまた愛人の乳房ですよ~

そうそう、イメージ違い過ぎ~と思ったのは、弥七やん。

何?彼もでっぷり肥えた貫録たっぷりの腹黒政治家?

私の弥七のイメージが…壊れた~

法務大臣の大滝さんも大仏さんのような顔して腹黒やし、

検事の加藤嘉さんも、時代劇ではいつも哀れなお爺ちゃん役が多いのに、

メガネの奥の眼光鋭いし~

女性陣の筆頭のマチ子さま。

いつ出てくるかいつ出てくるかと思っていました。

きっと寺田元総理の奥さまだろうと予想はしていましたがビンゴ。

椅子の向こうに座っていた貫録の和服美人。

年を重ねても艶っぽいまなざしは相変わらずで、

そこに風格が加わって、迫力満点でした。

私が分かったのはここら辺りでしょうか。



で、お待ちかねの根上さん。

電力開発㈱の小島理事ということで、会議の場面での姿が多かったかな。

当然うさんくさいやつの一人なのですが、

なんか他の面々が私が持っていたイメージと全くかけ離れていたせいか、

根上さん演じる小島理事の腹黒さなんて、可愛いものですよ。

根上さん恐らく50代前半。

うさんくさい役はもうお手の物ですよね。

甘いマスクを隠すメガネ姿もがっちり固められて生え際が白いヘアスタイルも、

すっかりお馴染み。

でも今回はちょい嬉しいシーンが。

小島理事、話がたいくつなときは

たいがい手持ちの白いハンカチでメガネを拭いているんです。

その数秒間に、大きなお目目がお目見えするので、きゃあ~っでした。

色んな裏工作の結果、内藤さんの新総裁の下でダム建設工事の業者が

黄門さまの建設会社に決まったのです。

当然小島理事も含めて皆ぐるなわけですが、会議のあと、

してやったりの黄門さまのところへすたこら駆け寄って、

とんとんと肩をたたいてニヤリ。この狸じじいが~と思っちゃいましたよ。

この後、神谷代議士の手によって、この事が露見されようとしたのですが、

小島理事は尋問で誰にも目を合わさないようにもごもご~っと口ごもって、

そそくさと自分の席に戻ろうとするの。

この姿も現実味があって、なかなか良かったです。



映画自体は30年以上前の物でも、今の世の中も対して変わっていないなあ

と思える内容だったし、

次の展開が気になるので、最後まで飽きずに見ることが出来ました。