「水戸黄門 第21部」#1(1992.4.6) | All the best for them

All the best for them

好きな人と好きな人に関連するあれこれ、好きな物、家族とのことを細々と、時間があるときに綴っています。





















 

「悪鬼が巣喰う岡崎城」



11月1日~2日にTBSチャンネルで放送された「水戸黄門21部」の初回を

根上淳さん演じた秋野武右衛門中心に記録しています。

(11月は根上さんの出演ドラマが少ないので、

見てしまうのがもったいなくて、ずっと置いていたのですが、

そろそろ我慢できなくなって、ついに封印を解いてしまいました)



ご老公は、水戸近郊の袋田温泉で、お銀、八兵衛とともに湯治中であった。

そんな折、弥七、飛猿らが、暴漢に襲われる尼僧2人を助ける。

彼女らの正体は、

三河岡崎藩主水野忠盈の娘・鶴と、国家老秋野武右衛門の娘・萩江であった。



~~岡崎藩では、藩主が病に倒れ、

次席家老大月監物が、側室艶の方の子・亀をお世継ぎにと動き、

藩を2分しての争いになっていた。

しかも亀姫はお方さまと大月の子であると噂が立っているらしい。

国家老の武右衛門や萩江の許婚でもある大目付・石川隼人らが、

藩を立て直そうと奔走しているが、大月の勢力は増すばかりで…



ついに武右衛門は、蟄居謹慎を命ぜられる。

その使者として白羽の矢が立ったのが、石川隼人。

武右衛門の娘・萩江の許婚である隼人ではあったが、

今の国家老では岡崎5万石を任せることは出来ぬと、

大月の配下になることを申し出た。

それを喜んだ大月は、

亀姫さまお世継ぎ決定の暁には、隼人を重役に取り立てる約定をしようと

念書をしたためた。



「待て、石川隼人! 血迷うたか」  

国家老秋野武右衛門、上意である~謹んで承れ~ 

娘の許婚である石川隼人から、蟄居謹慎を命ぜられ、

苦渋の表情を浮かべる武右衛門。「隼人!」 

上意!と言われ、頭を垂れた。

息子の兵馬が食い下がったが、

武右衛門は「兵馬、やめぬか!」と必死に止める。

姉が哀れだ、裏切り者~と刀を抜こうをする兵馬だったが、

武右衛門は 「兵馬、早まるな。必ず萩江から知らせがくる。

萩江の帰りを待て。待つのだ…」 と、重々しい口調で息子を説得させた。~~



水戸での騒動を聞きつけた助・格も加わって、

ご老公は岡崎へ向かって出立した。



途中、藤枝で町奉行の悪事を片付け、吉田で助・格と落ち合ったご老公。

だが、荒れ寺にて大月の一味の襲撃に遭い、鶴姫は拉致されてしまった。



ご一行は、萩江のばあやのところへ一旦身を寄せた。

萩江は、ばあやより、隼人が大月の配下になったことを知らされ、

事実を確かめるべく、隼人に会いに行くが相手にされず、

隼人の真意を探っていた大月の手下に連れ去られてしまった。



巽櫓の隠し牢に入れられた鶴姫の元へ、

大月の言うとおりにするようにとのご老公の伝言が、弥七により伝えられた。

弥七去った後、拉致された萩江を人質にした大月が牢に現れ、

ご家督を亀姫に譲る旨を殿に申し出るよう、鶴姫に迫る。



一方ご老公は、蟄居謹慎中の武右衛門を訪ねるべく、邸へ忍び込んだ。

武右衛門さん、武右衛門さんや、いたら出ておいで~

兵馬が顔を出し、相手をしていたら、

「兵馬?」 と怪訝そうな顔をして武右衛門が障子を開けて奥から出てきた。

妙な田舎じじいが…父上のお知り合いですか? と兵馬。

うん、知り合いじゃよ とご老公。

頬被りをはずし、武右衛門、わしじゃ、わしじゃよ とニコリ。

「あ~っ! ご老公!」 そそくさと縁側に下りてひれ伏す武右衛門。

(下りるときに着物のすそからすねがちらりと覗いて、

これが妙に色っぽかった根上さんですラブラブ!

武右衛門さん、ご老公とはどうやら旧知の仲のようで…

久しいのう、武右衛門。 「ははあ」 

父の様子を不思議そうに見ていた兵馬、「これ兵馬、水戸のご老公さまだ」

と父から言われ、びっくり仰天、ご無礼を申し上げました と平謝り。

いや、よいよい とご老公。蟄居謹慎と聞いていたが、息災で何よりじゃ。

「ご老公さまにもいつもながらご機嫌うるわしく…」

そこへ、助・格も見張りの役人の目をごまかして邸へ入ってきた。

ところで武右衛門、この度の騒動、そなたどう始末するつもりじゃ?

「恐れ入ります」と一礼する武右衛門。

「ご老公さまのお手を煩わしたばかりでなく、鶴姫、萩江の面倒まで…」

いやそのような挨拶は後でよい。 「ははあ」

「岡崎5万石の安泰のためには、

いつなりとこの皺腹かっ切る覚悟は出来ておりますが、

家中の大半が大月監物の息がかかっているとなると…」 

ここで助さんが、そのような弱気は禁物かと、

格さんも、鶴姫さま、萩江どのが隠し牢に閉じ込められていると、意見した。

それらに黙って耳を傾けていた武右衛門。

ご老公が そろそろ出番じゃな と言い出した。

「それがしにどうせよと仰せられるので?」

胸を張って城中に乗り込み、大月監物と対決しなさい とご老公。

「監物と対決を?」 

そなたの娘婿にと見込んだ石川隼人まで敵に回ったとなれば、

恐らく勝ち目はない戦じゃが、

そなたの骨をこの光圀が拾ってしんぜようと申したら、どうかな?

「ははあ。そのお言葉で勇気百倍。

老骨に鞭打って大月監物に立ち向かいまする」 光圀の言葉を受け、

晴れ晴れとした表情で、力強く言い切った武右衛門。

息子の兵馬も、お供いたしますと続き、

助・格も、

秋野さまに勝っていただくために身命を投げ打ってお味方させていただくと

申し出た。

「かたじけないご了承…」 武右衛門は感極まった。

さて、ご老公には妙案があった。

武右衛門、ちょっと耳を貸しなさい。 「ははあ」



そして、城中において…

江戸より鶴姫さまがご登城されたと、艶の方が、病床の殿に御簾ごしに告げた。

そこへ、国家老秋野武右衛門、火急の登城、お目通りお許しくだされ~

と助・格、兵馬をお伴に、武右衛門が乗り込んできた。

大月は、お咎めを破っての登城、お覚悟のことでござるな と遮った。

が、武右衛門、

「お家存亡に関わる大事なお世継ぎの評定に

国家老の重職にあるそれがしにお呼びがないとはいぶかしい。

さぞかし奸賊どもの策謀と、まかり出たのじゃ」 と、怯むことなく立ち向かった。

黙れ! お咎め者の世迷言など聞いてはおれん、下がれ、下がれ~

とのたまう大月。

そこへ 待ちな! と鶴姫参上。 

「これはこれは鶴姫さま」 武右衛門は、姫の傍にひれ伏した。

「遠路はるばる、よおご無事で」  武右衛門、懐かしいのう

「鶴姫さま、さっ 殿のお傍へ」 と武右衛門は手招きするが、

大月は、殿はご病気、そこへお控えくだされ と返す。

邪魔立てした大月を睨む武右衛門。

鶴姫は、武右衛門の右隣に座ったまま、父への見舞いの言葉を述べ、

続いて、水野家のお世継ぎの件を持ち出し、殿の採決を迫った。

大月は、鶴姫に、ご採決をと申し上げるだけでなく、

ご家督を亀姫さまに譲ると申し出るように、と促した。

「黙れ、監物! 

鶴姫さまは、その方がお方さまと不義の子の亀姫さまを、

水野家のお世継ぎにしようとの悪だくみをお耳にされ、

命がけで江戸から参られたのだ」 と武右衛門。

見苦しいぞ、秋野武右衛門。あらぬことを口走り、人に濡れ衣を着せるつもりか?

「何~?」

大月も負けてはいなかった。

鶴姫さまをお世継ぎとなし、岡崎5万石を己が意のままにせんと謀ったのは

そなたであろう。なればこそ、亀姫さまをお世継ぎと申し上げるこの監物の下へ、

家中の大半が集まって参ったのだ。

ここで、大月の配下の者が大月の周りにさ~っと集まった。

「おのれ~!」 武右衛門は憤る。

が、萩江を人質に捕られている鶴姫の心は決まっていた。

武右衛門。 「はっ?」

もう何も申すな。鶴は亀姫にご家督を譲る覚悟を決めたのじゃ。

「鶴姫さま…」 武右衛門は悲嘆にくれた。

そのときである。 お待ちください、鶴姫さま!

今の今まで口をつぐんでいた石川隼人が、口を開いたのである。

隼人は、大月の悪事の証拠をつかむためにわざと大月派に身を置いたのだ。

裃を脱ぎ捨てると、大月の企みの証拠として、

かつてしたためられた念書を懐から取り出し、見せつけた。

はっとする武右衛門。「殿!」「ご採決を…」

御簾の向こうで一部始終を聞いていたのは、殿のふりをしていたご老公。

いざというときのために捕らえていた人質の萩江も、弥七が無事助け出した。

「無事であったか~」 と娘を見て喜ぶ父。

あとは、助さん格さんにお銀、飛猿が加わっての乱れ舞となりました。



そして…世継ぎ騒動もどうやら形がつきましたな、とご老公。

武右衛門、隼人、兵馬、

このようなことが二度と起こらぬように、皆、力を合わせてな。

「ははあ」 ご老公に言葉をかけられ、深々と頭を垂れる武右衛門であった。



ご老公一行は、鶴姫、隼人、萩江、兵馬に見送られ、

再び漫遊の旅を続けるのだった。





水戸黄門ではここのところ、町人が続いていた根上さん。

久々の重厚感溢れる重職でございました。

以前の城代家老・長瀬丹波は「じい」と呼ばれていたくらいなので、

武右衛門よりも若いはずなのに、白髪の鬘のせいか、

眉毛まで白かったせいか、おじいちゃんに見えました、

が、こちらの武右衛門さんは、髪の毛も予想より黒くて、眉毛も自然。

ヴィジュアル的には、武右衛門さんのほうが私の好みかな。

お城で、大月監物と対峙するところが一番の見せ場だったかも。

毅然とした姿勢で、

かつての伊吹隊長を彷彿させるような威厳を見せつけてくれました。

でもね、私は60代後半になってからの根上さんには、

厳格な表情以上に、柔和な笑みに魅力を感じているのです。

それが、ご老公との秋野邸でのシーンでした。

この2人の会話シーンには、老練同士の渋みというのか、

酸いも甘いも噛み分けたベテラン同士の味のある空気感が漂っていて、

ほっとするものがありました。

「皺腹掻っ切って」とか、「老骨に鞭打って」とか、

妙にリアルなセリフもおもしろかった。

(でも皺腹掻っ切る根上さんは、ちょっと怖いなあ)

ところで…この中で一番おいしいところをかっさらたのは、

中条きよしさん演じた石川隼人でしょうねえ。

以前見た銀さんもめっぽう強かったけど、

この隼人は、二刀流。

私の中では「うそ」のイメージが強かったのですが、殺陣もすごいんだ。