しあわせ一番町26 | にいののブログ

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(´・∀・`)(*.゚ω゚)おーみやちゃん達の

ゆる~い腐妄想小説もどきです。

読んでいただけたら嬉しいです。









微かに薬品の匂いがする店内‥

大野さんがいつになく
真剣な眼差しで

じっと茶色の小瓶を見つめ‥

ついと手を伸ばしそれを丁重に
手に取りラベルに書かれてる
効能を確めたかと思いきや

くるりと小瓶を回し
後ろに記載されている

夜はビンビン赤まむしドリンクの
期限をチェックしてる

何やってんだアイツ‥
まさか買う気じゃないよね?
などと視界の端に映る大野さんを
訝しがっていると

オレの前では猫を被らない
やよいちゃんが小声で

「ワシの勘がハズレるとわな‥

てっきり尻尾巻いて一人で東京に

帰るもんだと思っておったわい」

〃一人で東京に帰る〃
を強調するクソばばぁに

『言っとくけど、オレが東京に

帰る時は大野さんも一緒だから。』

残念でした!って、ベロを出すと
やよいちゃんちが忌々し気に

「まったく小憎らしい嫁じゃ

おーちゃんも苦労するのぅ‥」

小姑がふーっと、
わざとらしくため息をつくも
それを完全に無視して

滞在から住民帳簿への
変更書類にサインと押印をして

『はい。手続きはこれでOKでしょ? 

これからどーぞ宜しく、そんじゃ。』

万年筆を机の上にコロンと転がし
おざなりに挨拶をして椅子から
立ち上がると

「待たんか、まだ終わっとらん

ほれコレにもサインが必要じゃ。」

そぅ言いながらやよいちゃんが
オレの手にマジックを握らせる

───え?   コレ‥って、
思わず言葉を失うオレに

「おーちゃんは ちゃんと

サインしよったわ。」

やよいちゃんが嘘だと思うなら
本人に聞いてみろって
顎をしゃくる

いくらなんでも、
そんなまさかね‥

『……大野さん?アナタ、

コレにサインしました?』

赤まむしを買い物カゴに数本
入れてる最中の大野さんが
オレの問いに振り返り

「ぅえ??   ああ~ それな!!

ちゃちゃっと自分の名前書いて

今日の日付けを入れてその最後に

〃やよいちゃんへ♡〃って

入れるだけでいいらしいよ♪」


芸能人がするサイン
じゃねぇかよッ!ムキームキームキー

得意気に言ってるけど、
バカが完全に騙されてんじん!

握らされたマジックを
机に叩きつけ叫ぶオレに

「オノコがそんな細かいコトを

気にするでない早よぅサインせんか。

それともまた滞在帳簿に

戻されたいんか?」

涼しい顔で権力を振りかざす
とんでもない島の長に

マジでムカツク、
ムカツクけど………

『わかああぁったよ!

書きゃいーんだろ、書きゃ!』

色紙をひったくりさらさらと
サインを書き終え机の上に
色紙を伏せ置き

『ほら、これで文句ねぇだろ!

大野さんドリンク棚に戻して、

家に帰りますよ!』

カゴの中の赤まむしを
棚に戻すオレに

えー、全部戻しちゃうの?って
不満そぅな大野さんの手を引いて
やよいちゃんの店を出ると同時に

背後からやよいちゃんの
ヒステリックな声が聞こえて

「こらーーっ待たんか!ムカムカムカムカ 

二宮金次郎って、、ガーン

なんじゃ、このサイン!!」

大野さんが目をまるくして
後ろを振り返り

「二宮金次郎って書いたの?(笑)」

『だってあの人ずっとオレのこと
そぅ呼ぶじゃない(笑)』
「そぉだけど、もぅ‥仲良くしてよ?」
『向こう次第じゃない?』

クスクス笑い注意しながらも
店に戻る気はないらしく

大野さんがバイバイと
やよいちゃんへ手を振り

肩を並べ
来た道をまた
とぼとぼと帰る

『あのさ、赤まむし必要ないでしょ
いつもギンギンなんだから』

「飲んだらもっとスゲぇのかと
試してみたくない?(笑)」

『試さなくてもそのままで充分です』

慌てて即答するオレに大野さんが
あははって機嫌のいい時に出る
高笑いをして

繋いでいた手を指を絡める
恋人繋ぎにかえ

大野さんが珍しく
歌を口ずさむ‥

冬の寒空に透き通った声と
やさしいメロディーがとても
心地よくて‥

思わずオレもつられて
口ずさむ


巡りあいたい人がそこにいる♪

やさしさ広げ待っている

山も風も海の色も

一番素直になれる場所

忘れられない歌がそこにある

手と手をつないで口ずさむ

山も風も海の色も

ここはふるさと‥♪


どぉしてこの歌を

大野さんが口ずさんだのか

オレには分かる。

だって、今きっと
同じコト考えてるから(笑)


この島がウチらの
ふるさとになる‥