おーのさんが待つ部屋に帰るのが
こんなにツライなんて…
エスカレーターに乗り込み
ボタンを押す。
上へ、上へ ノンストップで…
ぐんぐん
さいごに… 向かってく
わかってる。
ちゃんと
さよならするから…
あとほんの すこしだけ
恋人と呼びあえる時間をオレに下さい。
カタン…
エスカレーターが最上階で止まり
静かにドアが開いた。
『 ただいま。
おーのさんごめん、遅くなりました。』
玄関には
青いビーサンが
【 ニノんち いぇ~いッ!!
久しぶりッ~♡ おじゃましまぁ~す♪】
所有者の
ご機嫌ぶりをそのまんま表すかのような
はっちゃけた…見事な脱ぎっぷりに
『 …ホント、しょーがないんだから。』
思わず苦笑いしてビーサンを きちんと
揃えて…並べると
胸に…
勝手に 、
熱いものが 込み上げてくる…
こんなささいな日常も
もー なくなるんだ…
『 おーのさん?』
居間の電気は ついてるのに返事がない…
ドアを開けると
待ちくたびれた おーのさんが
ソファーの上で眠ってる…
オレは静かにバックを床に下ろし
眠ってる
おーのさんの横に膝をついて
そっと… 寝顔を見つめる
さわると 手触りのいぃ…
やらかい ふわふわな髪の毛も
今は眠ってて…閉じられてるけど
オレを見てる時の自分知ってる?
ただでさへ… タレ目のアナタが更に
…やさしく 目尻が下がってんですよ?
そんな くすぐったぃ 眼差しも
スラリとした形ちのいぃ鼻にも
時々ふざけて鼻の頭にキスしてみたり
「ニノっ…」
って、
オレにだけの 甘ったるい声、
愛おしぃ… 唇も
これ、本当に、
ぜんぶ…

オレのじゃなくなるの?
パタ…っ
涙がこぼれて
洩れそぅになる 声を押し殺す…
「…ん……ニ…ノ?」
気配に気づいたおーのさんが目を覚まし
オレは慌てて涙をぬぐって
『 ただいま… 遅くなりました。』
まだ、半分寝ぼけてるおーのさんが
掠れた声で…
「 おかえりぃ…
待ってた。」
なんの疑いもない無垢な顔して
ふ わ り
笑って… 手を伸ばし
オレの頬に触れる…
いつも…

どの時代も…
アナタの

この笑顔に
なんど救われただろ…
また目の奥が…熱くなって
おーのさんを正視できなくって…
瞳を伏せ
男っぽい…大好きな手に頬をすり寄せる。
「 オイラ…
さっきまで ちゃんと起きて
待ってたんだよ? けど…
いつの間にか
…寝ちゃってたみたい」
寝起きの舌っ足らずな おーのさんが
少しバツが悪そぅに…上目使いで見上げる。
オレは
いつも待たせてばかりで…
ちゃかしたり、困らせてみたり
アナタの本気の気持ちを反らして、
ずっと… 素直じゃありませんでしたね…
そして さいごまでオレは、
アナタに嘘をつき通します。
ごめんなさい…
ビクッ、!
まるで オレの心の声が聞こえたみたいに
頬に触れてた手を引っ込め…
「 なに…
どーしたの?」
きゅっ、
不安そぅに眉を潜めオレを見上げる
だから、
こんな時だけホント…敏感なんだって。
『 ……どーしたのって?
オ レ は た だ … 一 刻 も 早 く、
ヤ り た い ん で す 。』
にっこり
おどけて微笑えんで…
おーのさんの腹の上に跨がり
引っ込められた手を取って、
手の甲に
ちゅっ。
キスして…
中指を…
ちゅっ…く…、
口 に 含 ん で… 舌 を 這 わ せ な が ら
『 アナタは 早く…ヤ り た く な ぃ 、
…あっ!、あぁ…んッ……」
みなまで言い終える前に、
おーのさんが 器用に空いてる方の手で
オレのジーンズのファスナーを下ろし
い や ら し い 手 つ き で …
゛オレを ゛確かめるよぅに
あぁ… さいごへと…
導ぃてく…
アオビーサン …バイバイ(*.゚∀゚)。
つづく。



