私が生まれたのは島である。

島での出産は命がけ!
今回はそんな話を書いてみる。

これは、私が生まれる前の話。
兄の出生の話だ。

その日は雪が降る、大嵐の夜だったという。
そんな日に母は産気づいた。
島での出産は困難で、本土に渡る必要があった。
しかし海上は大荒れでだれも船を出せる状態ではなく、島で船を持つ人をあたったが、妊婦に何かあってはいけないと、首を縦にふる人はいなかった。

そんなとき父が思い出したのは、数日前に耳にした情報だった。
「なにかあれば、うぢらを呼んでけらい!」
当時まだ地域でも無名だった救急艇のことだった。偶然、数日前に聞いたのだという。

そして、大雪大嵐の中、救急艇は島にやってきた。
ところが、激しい風と波が邪魔をし、とても岸に船をつけることが出来る状態ではなかったそうだ。船が破損してしまうからだ。

しかし、出産目前の妊婦を前に、彼らは本土に引き返すという選択はしなかった。

救急艇がとった作戦は、
この日嵐のために、客船が2艘くっついて岸に横付けに繋がっていたところに
3艘目として、横付けにする作戦。
もちろんそれでも船が安定する訳はなく
船を着ける際に船同士がぶつかり、かなり破損もしたという。

そして母は、陣痛に耐えながら、
その大嵐のなか、"自分の足で(!)"
船を3艘跨いで渡ったという。

もしもこの時、万が一母が足を滑らせていたら…
赤ちゃんがこの瞬間に生まれてしまっていたら…
陣痛の中、どこにそんな体力があったのだろう。。
母親のチカラ、すごすぎる。

ようやく船が本土に着いたころ、岸には救急車が来ていた。
母は必死すぎてこの日の記憶はほとんどないそうだが、唯一、この救急車に乗った際に
「出産で救急車に乗った妊婦は初めてよ!」と嫌味っぽく看護師に言われたことが忘れられないそうである(笑)

その晩、無事に兄は生まれた。

そして母が翌日目を覚ますと、
救急艇のおじさんたちから、お祝いの花が部屋に届いていたそうだ。
やってくれるじゃないか。

島での出産は命がけ。

その四年後に私も生まれたわけだが、
母の故郷の病院で、安全に生まれてきた。

とはいえ、逆子。
生まれる瞬間から母に迷惑をかけている👶

母への感謝はつきない。

親孝行をしたい。
それもまた、故郷へ帰る理由のひとつである。

#島の名前はいずれ
#離島
#田舎暮らし
#島
#離島ライフ
#移住
#ブログデビュー
#島に帰る
#島民に戻る日
#4月から毎週土曜日更新
#あらしの夜
#嵐
#船 
#出産