■このブログと原爆忌
本ブログを始めたのは2011年の4月です。
「カナエとムジャ子」の4コマ漫画がメインのブログとして始めました。
同じ年の9月にムジャ子というキャラクターがひどい悲しみを抱えていることに気が付き、「ヨシノとミコト編(墜ちたテンシと太陽の物語)」のお話を見出しました。
以来、原爆忌は本ブログにとって特別な日になっています。
戦争、とりわけ核兵器は僕にとっては子供の頃から恐怖そのものです。
どれだけ模範的で道徳的な良い子ちゃんでいようと、核兵器のもたらす死から逃れることはできないでしょう。
生殺与奪の権限は大人の手にあり、それは子供には如何ともできない不条理は絶望をもたらします。
一方、戦争が天変地異と異なり、人が起こすものである以上、それは起こさないことも可能であると考えてきました。
理論上は正解であるはずです・・・、理論上は。
僕がクリエイターを志したのは、その理論を前提に表現物を通じて、世界平和と地球環境保全を訴えるフロントランナーでありたいと思ったからです。
英雄願望がすごかったんです。
かくして「ヨシノとミコト(墜ちたテンシと太陽の物語)」に着手したのは2015年のこと。
かつての英雄志願者は既にクリエイター業をドロップアウトし、現実を生きていく難しさに戸惑いながら、びくびくと始めたものです。
■ 表現物は世界平和を促すか?
表現物は世界平和を促すか?
そんな問いかけに対して、かつての英雄志願者だった僕なら自信をもって「そうであるべきだ」と言ったと思います。
まことに恥知らずでしたがクリエイターが"答を提示し、教え導く"という不遜な意気込みがあったことも否めません。
一方、今の僕はとてもそのような自信はありません。
むしろ慎重かつ誠実な表現を怠れば、即座に人のネガティブな感情を喚起してしまうような危うさを感じています。
また、僕が表現しようとしていることは、せいぜいが僕が抱えている疑問であり、その答ではありません。
ですので僕の作品(に限らず)を見て、「あれ?何か変なこと言ってないか?」と感じたら、それはとても大事にして頂きたいと思っています。
じゃぁ、どうすればいいんだ?ってことに思いを馳せて頂くと、それは一つの答に繋がるのではないかと考えています。
僕は拙作は「未来志向」にしたいと考えています。
歴史をたどり、現在を省みて、将来はどうなると良いか?…それを考えること。
自分で考える人がどんどん増えていくと良い。
それが未来志向の一つの要素だと考えています。
2018年8月6日 河鍋トリュフ