【補足・解説】謎のB-29に迫れ! | トリュフ・ラボ-アクマで4コマ-

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イラスト描き、マンガ描きが趣味のトリュフのブログ。

 お久しぶりです。
今日の記事では拙作のマンガの裏話というか解説をお送りします。

 解説する部分は、前回の更新でまとめをアップした以下のリブログの章となります。


 

 この章については「大本営参謀の情報戦記~情報なき国家の悲劇~(堀栄三著、文春文庫)」ならびに「原爆投下~黙殺された極秘情報~(NHKスペシャル取材班・松木秀文・夜久恭裕著(新潮文庫)」を主な情報ソースにしています。
 この記事に記している内容も、多くはこの二冊の書籍をもとにしています。

 
 「北多摩通信所」…インターネット上ではかなり不鮮明な写真が一枚発見できたのみでした。
 現存はしていない施設です。今は東京都東久留米市に「通信住宅」という地名が残っているのみのようです。
 写真が不鮮明だったこともあり、他に参考にした施設の鉄塔などにかなり引きづられてしまった様に思います(なので、この図は実物とはかなり異なっているのではないかと思います)。

 この施設を使用していたのは日本の旧陸軍の「特種」情報部という組織です。

 

 


 「コールサインV600番台」…日本軍の諜報活動の一つにはサイパン、テニアン、グアムの島々を発つB-29の発する電波を受信することがありました(上の図の記録ノートは実物とは違うと思いますが、書かれている内容のわかりやすさ重視して想像しました)。
 なお発する内容は暗号化されており、またみだりに電波を発することもなかったのですが、それでも解読できた要素に、B-29の機体番号(コールサイン)があります。
 B-29の搭乗員にとっては命綱とも言える無線機ですから離陸前、そして離陸後一定時間経ったあとに無線機のテストと異常確認の報告のためにコールサインを伴った電波を発信していたそうです。

 コールサインは
 V400番台がサイパン島のB-29、V500番台がグアム島、V700番台がテニアン島という具合で、当初はV600番台が欠番でした。

 


 1945年5月にV600番台のコールサインを持つB-29が現れ、特種情報部では警戒感をもって注視するようになります。V600番台はテニアン島に駐留した飛行隊で、十数機しかないごく小さな規模であることが特異な部隊でした。
 特種情報部ではこの部隊のB-29を「正体不明機」と呼称しています。

 


 当初はテニアン島近海を飛行していたV600番台のB-29ですが、やがてより日本本土に近い海域…硫黄島まで進出するようになりました。
 特種情報部では1945年7月中旬頃に「正体不明機」を「特殊任務機」と呼称を改めています。
 なお、アメリカのニューメキシコ州で1945年7月16日に史上初の核実験が行われています。

 この段階で、実は日本側は「アメリカが原爆を開発・所有し投下する準備を進めている」ことを知っていたのではないか?という議論もあります。
 参考にしたNHKスペシャル取材班の著した書籍は、その可能性を追求したものです。

 


 もう一つの参考書籍を著した堀栄三氏は特種情報部に所属していた方(当時は少佐)です。
 そして著書の中では「『特殊任務機』が原爆投下の任務を受けていたことは8月6日までわからなかった」と述べています。
 拙作では堀栄三氏の著作に則って描いています。ですので登場する「班長」も、正体不明機が何か特殊な任務を帯びていると察しつつも、何の任務か?まではわかってなかったとしました。
 ちなみに実際にV600番台の無線を傍受した若い将校や報告を受けていた班長は堀栄三氏とは別人であるという認識でいます。


以上です。

 ところで、長らく更新が空いてしまってお恥ずかしい限りです。
 所用と不調期のため、なかば開き直りでブログを放置しておりました。
 現状、ストックしている原稿がないので、またしばらく間が空いてしまうと思います。
 ただし、筆を折る気はありません。再開のときには改めてよろしくお願いします。


<オマケ>
 猫の日に精一杯のサービスをする松原カナエさん(20歳)の図

 

 

<お知らせ>

 コミティア121に先駆けて公開したWebマンガ形式の「墜ちたテンシと太陽の物語(1)・・・原題:ヨシノとミコト編1~2部」は引き続き公開しています。

 「ヨシノとミコト編」の第一部・第二部を収録したものです。

 アメブロ系サービスの”マンガにしてみた”を利用させていただいています。

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