「風立ちぬ」を見てきました | トリュフ・ラボ-アクマで4コマ-

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イラスト描き、マンガ描きが趣味のトリュフのブログ。

 なにかとフォロワーな僕は、今回もいい加減出遅れて「風立ちぬ」を見てまいりました。

まず二言。「とても良かったです。繰り返し見る方がいるのも納得です」


 これから感想みたいなことを書こうと思っていますが、ネタばれがいやだという方もいると思いますので、この記事の前半は直接は関係していない内容を書きます。

 写真は五枚あります。五枚目の写真のあとに「風立ちぬ」の内容に触れることを書き出しますので、ネタばれを回避したい方は、そこでお引き返しください(^^)


トリュフ・ラボ-アクマで4コマ--東京都慰霊堂

東京都慰霊堂(昭和5年建造:東京都墨田区)


 これらの建物の写真は8~9年前に僕が趣味で撮影したものです。

大正12年の関東大震災で酷く破壊された東京は、その後、見事に復興を遂げました。


トリュフ・ラボ-アクマで4コマ--震災復興記念館
震災記念館(昭和6年建造:東京都墨田区)


 そして「昭和モダン」と呼ばれる一時代が生まれたと言われています。

しかし昭和モダンは、その後の太平洋戦争の世相の中で損なわれ、そして東京大空襲で物質的にも多くが失われました。


トリュフ・ラボ-アクマで4コマ--旧墨田公会堂
両国公会堂(大正15年建造:東京都墨田区)


 関東大震災から東京大空襲のわずかな期間に幻のように現れた昭和モダンです。

これらの建物は、その時代を伝えるものです。ほどほどに華美で、一方で近代的な風貌も併せ持ち、しかも、どことなく「おどろおどろしい」それらに、僕は魅力を感じています。 


トリュフ・ラボ-アクマで4コマ--両国駅
両国駅(昭和4年建造:東京都墨田区)


 今では、これらの古い建物に面影を見るだけとなった過去の時代です。

ただ、いつでも街の景色は変わっていきます。これからも当然のように変わるでしょう。


トリュフ・ラボ-アクマで4コマ--駒形橋
駒形橋(昭和2年建造:東京都墨田区)


 以上、東京オリンピック2020年開催のニュースに便乗してると思われてもおかしくない記事でした。

(でも、この記事を考えたのは昨日なんですよ(笑))


 さて、「風立ちぬ」の感想です。

 いきなり昭和モダンの時代を紹介しましたが、映画をご覧になった方なら「うわ、あざとい(笑)」とも思って頂けたのではないでしょうか?


 平和と自然愛護の旗手との印象もある、その一方で兵器大好きな宮崎監督が鈴木プロデューサーに「その矛盾に結論を出してはどうか?」と諭されて作った本作です。監督の姿は本作の主人公の堀越二郎に、もちろん重なって見えます。


 堀越は飛行機の設計にひたすら取り組むのですが、その飛行機は戦争の道具だという悲劇をはらんでいます。また、堀越の妻は不治の病にあります(この映画はフィクションであり、史実の堀越二郎とは設定は大きく異るところがあります)。

 正義感も葛藤もある堀越が、その状況でどのような選択をしたのか?・・・なんて質問は野暮です。そう感じざるをえません。


 それが宮崎監督の「答え」か?・・・そんな質問も野暮でしょう。答えとか何とか理屈をつけて考えるもんじゃない。「ナチュラルに、そうであった」としか言いようがないのです。


 僕は何事も、特に作品作りに対しては、すごい葛藤しながらやります。作っているものが正義に則しているか?、また臆病なものですから人の目から、どのように見えるかも、ものすごく気にします。それで、ちょいと人生が狂ってしまったと思い当たるところもあるほどです。


 ただ、それが是が非か・・・それも無意味な質問かもしれません。僕が恐れる無意味です(笑)。

結局は、それもまた「そうであった」と言うしかないのかもしれません。


 ところで「風立ちぬ」の中で、個人的に一番好きになったキャラクターは黒川さんです。

「意地悪な態度でイヤミを吐く」初登場のシーンの時点で「あぁ、この人はいい人だ」と見抜きました(笑)。その期待通り、最高に男前なキャラクターでした(ルックスは・・・ですが)。天才堀越を育てた、守ったという意味で彼もまた非凡な人物です。

 僕は今や自分の創作の才能に何の希望も感じていません(笑)が、後継者を教え導けることには、まだ憧れを感じます。

 ・・・それも、手の届きそうにない遥か遠くにある憧れなんですが・・・。

 


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