本との気持ち77 | コラムなタイム

本との気持ち77


「辞書と頭は使いよう」ダイソー文庫5
(大創産業・105円)

 「100均の名著」第2弾。「電子辞書から百科事典までを使いこなす知的武装術」というサブタイトルが付いている。国語辞典、英語辞典を始め百科事典など様々な辞書の意外な使い方、活かし方、選び方などの知恵が222ページに9章にわたって100以上も紹介されていて、辞書は意味や読み方を引くだけでなく、使い方次第でいろいろと役に立つ便利な書物だということをこの本は教えてくれる。といっても全てがすぐに役立つというわけではないが、コラムを読むような気軽な気分で読む楽しさを味わうこともできる。日常から実践を積めば「知的武装」にもなりそうだ。
 さて、自分がなるほど実践してみたいと思った「武装術」を拾ってみることとする。それらは新しい発見でもあった。
 まず買う時の注意点として、選ぶのに迷ったら付録の充実度で決めるという手がある。特に古語辞典は付録の充実度で決めると時代考証などの知識が身につく。類語辞典や反対語辞典も表現力を身につけるのに意外と重宝する。そして、よく使う辞書は同じものを二冊買って会社と家の両方に置くと結構フットワークの効いた仕事ができるだろう。買ったらケースは外して、机には左前方に目線より低い位置に積み、重ねないで立てて置くと手に取りやすい。引き方では、国語辞典なら読めない漢字は音読みよりも訓読みで引いた方が早く分かるという。英和辞典なら、分からない単語はいきなり英和でなく中学校レベルの英英辞典を使った方が英語の勉強になり、英作文では小中学生の辞書を使った方が文例や文法上の注意もあり、やさしく分かりやすい表現ができる、等々。
 一方、百科事典にもまた便利な使い方がたくさんある。映画や演劇、美術などの鑑賞の時には予備知識として使うと楽しいし、結婚式などの挨拶やスピーチの時にも頼りになる。例えば、新婚夫婦の出身地について話す時に「山形県は母なる最上川が流れ、優美な京文化が伝わる紅花の里であります」というぐあいに、話す内容を豊かにすることができる。また気のきいた贈り物や引き出物にするのも良い。百科事典は、外国ではどこの家庭でも日常的に使われていて、嫁入り道具の一つにもなっているというくらいだ。
 さらに、百科事典は読み物として読んでも面白い。かのホリエモン君は拘置所で百科事典を読んでいたとか。孤独な彼の唯一の知的ブレーンだったのかもしれない。デートの待ち時間に読むのもいいかも。すぐに彼女に知識のあるところを聞かせられるし…。
 ところで、辞書と辞典ってどう違うのだろうか。徳富蘇峰や湯川秀樹はトイレで読んでいたなんてエピソードもたくさん紹介されいていて、とにかくこの真っ赤な本、頭の中が火傷するくらい面白い。そこで読んですぐにしたことは、それまでの広辞苑の付箋の箇所を開いて、一つずつノートに書き出して自分特製の辞書を作ったこと。できあがって、さっそく次なる新たな再スタートをした。来年には自家製の辞書がまた1冊完成していることだろう。

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