最近、日本の福音宣教には、キリスト教の中で何派であるかを明確にすることが、非常に重要な鍵になると思っています。
なぜなら、教派によっては教えがまるで違うことが多々あるからです。
福音派では「クリスチャンは永遠の命を与えられて天国、ノンクリスチャン(未信者)はそのまま死ねば滅びて地獄行き」と教えます。
ところが、他のキリスト教では、そのような恐ろしいことは教えていません。
内村鑑三牧師によって提唱された「無教会主義」では、福音派とは真逆なことが教えられています。
現在でも無教会主義は健在で、内村鑑三牧師が教えていたキリスト教の教えを現代語に訳して伝え続けています。
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内村鑑三牧師の「わが信仰の真髄」は「神は愛」ということであり、「神は、キリストによって世を救ってくださった」ということである。
「神が世を救ってくださった」ということは、この世全体を救ってくださったということである。すなわち人類全体を救ってくださったということである。
神の愛(アガペーの愛)とは、このような[絶対的かつ無条件的]なものであるに違いない。
そして私は、聖書はこのような普遍的救済を教える書物であると信じる。
「見よ。[彼イエスこそ]世の罪を取り除く神の小羊」と聖書にある(ヨハネ福音書1:29)
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内村鑑三牧師の信仰の真髄の一部を抜粋して伝えましたが、内村鑑三牧師はプロテスタント福音派の教会の教えにつまずいて、反発し、教会よりも「キリストの十字架」を重んじて、無教会主義を提唱されたようです。
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隣国の韓国では、プロテスタント福音派の教会の教えにつまずいて、クリスチャンをやめた人たちは多いです。
韓国のプロテスタント教会は、2005年の韓国基督教総連合会の発表によれば、プレスビテリアン(福音派)が70.7%、メソジスト(福音派)が9,8%、純福音(福音派)が8,2%、ホーリネス(福音派)が6,2%、パプテスト(福音派)が4,7%
なので、韓国のプロテスタント教会は福音派ということになります。
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2005年に発表された「韓国教会の未来を準備する集まり」というプロテスタントの団体が発表した統計資料では、
カトリック信者の18,8%はカトリック以外の宗教・宗派から移った者たちであるが、そのうちの57,1%はプロテスタント教会から移った者たちであった。
また、無宗教の人口の3人に1人は過去に宗教を持っていたが、そのうちの62,2%が過去にプロテスタント教会の信者であったという。
このような結果が発表されると、プロテスタント教会は騒然となり、自省の声もあがったそうです。
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私自身も、プロテスタント福音派に長年所属していましたが、個人的な体験では、日本の場合はそれ以上だと思っています。
日本の場合、総人口の約99%はノンクリスチャン(未信者)です。「イエス・キリストを信じずに死ねば、滅びて地獄行き」と断言する福音派の教えは、日本人がもつ良心・知性・常識からすれば、恐ろしすぎます。
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日本で最も有名なクリスチャンは、アニメ・漫画「サザエさん」で有名な漫画家「長谷川町子」先生になるでしょう。
サザエさんは戦後の日本の復興と共に歩み、当時の「日本家庭の象徴」とも言われました。
テレビ放映されて50年が経ち、現在でも絶賛放映中です。
長谷川先生は、国家のために長年にわたり尽くして、素晴らしい成績を挙げた功労者に与えられる「勲四等宝冠章」を授与されました。
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長谷川町子先生は、両親が聖公会のクリスチャンで、里帰りの時に「礼拝したい」と伝えたのですが、同行した夫妻と一緒に隣のメソジスト(福音派)の教会に通う羽目になったそうです。
しかし、母親が「無教会主義」の指導者の一人「矢内原忠雄」先生の集会に行き、矢内原先生と交流をもったことから、
長谷川先生は、福音派の教会をやめて、無教会主義の信者になります。
50歳の時の対談で、自らの宗派を「無教会派」と答えています。
長谷川先生は矢内原先生をとても尊敬されていました。
矢内原忠雄先生は、東京大学総長で、正三位勲一等瑞宝章を授与されています。
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私自身も、福音派の救いに関する教えなど、合わないところが多々あり、福音派の教会を出て行った人たちも多すぎることを体験しました。
どこの教派に属しているかで、教えがまるで違うことがあり、人間性も変わってきます。
福音派に属していれば、人間はアダムの原罪を持って生まれ、イエス・キリストを信じなければ地獄へ行ってしまう存在ということを信じ込んでいました。
しかし、福音派から離れると、そのような恐ろしい教えから解放されました。
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けれど、キリスト教の教えを他人に教える時は、投稿記事を見てもらえればわかるように、聖書の御言葉を引用して、字義通りに伝えるようにしています。
福音派の教会から出て行き、無神論者になった人たちが、間違った聖書理解を悟ることが出来るのは、その方がいいと思ったからです。
私の弟がそうなのですが、福音派の教会につまずけば、何年経っても、牧師やクリスチャンに対する憎しみと怒りを持ち続け、それがイエス・キリストを否定する原動力になっています。
そういう人たちは意外にも多いです。
憎しみや怒りから解放されるには、福音派とは違う教えにも耳を傾ける必要もあります。
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「サザエさん」は無教会主義の信者さんの長谷川町子先生の作品です。
その漫画作品は日本で最も愛されているのです。
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無教会主義を立て上げた内村鑑三牧師の「神の愛」の信仰の真髄は、
「私は未だかつて、ただの一人も救ったことがない。
たとえ、救うことが出来たとしても、世界の人口は15億余り(注:当時)であって、その中の千人や万人を救ったところで、他の人はどうなるのか、
私は、その人たちが滅びゆくのを見て、耐えられるのだろうか。
私は、私のすべての祖先と十数億の同胞とを残して、ただ少数の信徒と一緒に天国に行くことは耐えられない。
私は、わずかに百人や千人の人だけを救い得て、他の人々はすべて永遠の死(滅び)にゆだねなければならないような、そんな絶望的な仕事には従事したくない。
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私は「神は怒っておられる。だから、自分の罪を悔い改めて、神に立ち帰れ」とは言わない。
私はパウロに倣って言う。
「神はキリストにあって、世を御自分と和解させてくださった。
それゆえ、私はキリストに代わって、あなた方にお願いする。
神の和解を受け入れなさい。」と(第二コリント5:19以下)
神の側にあって、和解は既に済んでいるのである。
それゆえ、私はこの和解に応じるように、罪人に勧めるのである。
すでに救われている者に、その救いを承認させようとするのである。
これは、本当に容易い、本当に楽しい、本当に喜ばしい仕事である。
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以上のように、福音宣教は、神の側において、イエス・キリストの十字架上の死と復活によって、和解は既に済んでいる。
その救いを承認させようとすることが、クリスチャンの本当に楽しい仕事だと教えるのです。
あのアフガニスタン約65万人の命を救ったと、全世界を感動させた「中村哲」先生も、初めはプロテスタント福音派の教会に導かれて、洗礼を受けましたが、福音派の教えが理解できなかったそうです。
そして、内村鑑三牧師の教えによって、初めてクリスチャンになることが出来たと著書や対談で語っています。
それから、内村鑑三牧師同じ信仰(神の側において全人類の和解は既に済んでいる。神の和解を受け入れなさい)を持っているカール・バルト牧師の教えによって、本当にクリスチャンになって良かったと言われています。
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内村鑑三牧師はさらにこう言います。
「すべての人に及ぶ、神の普遍的な愛(アガペー)!どうして私は、この事を人に知らせずにいられるだろうか。
「キリストの愛が私を捕らえて離さない」とパウロは言っているが、実にその通りである!(第二コリント5:14)
このような教えは、日本人の心に響くと思います。