保育士1年目、わたしは2歳児の担任になりました。
25人の子どもで保育士は4人。

今は未満児は少人数のゆるやかな担当制を、
と言われていますが、
当時の勤務先では担任が役割分担をしていました。

・リーダー:保育を進めていく人
・サブ:リーダーの補助
・給食:給食の準備、片付け
・トイレ:排泄の援助全般
といった感じで
週ごとにローテーションしていきます。

わたしが一番はじめに担当したのは、
給食でした。

2歳児が25人、
そのうち新入園児が9人いると、
給食後の保育室は悲惨なことになります。

保育士になって一番はじめに苦戦したのが
春雨サラダ。

床にはりついて、
ほうきではいてもはいても
動く気配が全くないのです。

柄の長いほうきだったので、
もっと力を入れようと
しゃがんで柄を短く持ってみても
わずかに移動するのみ。

あまりにもたもたしていたので、
見かねた主任の先生が手伝ってくれました。

そしたら、春雨サラダがすいすい集まる!

わたしのほうきの使い方が悪いのかな
と思っていましたが、
その謎が判明したのは数週間後。

その主任の先生が、
今度は落ちた大量のごはんを
ほうきで集めようとしているわたしに、
「ほうきの先を水でぬらすと取りやすくなるよ」
と教えてくれたのです。

やってみたら……、
わ~めちゃくちゃ早く掃除できる!

感動して毎回毎回ほうきの先を
水でぬらして掃除をしました。

ところがある時ふと気づきます。

あれ、ぬらさなくても掃除できるとき、
あるんじゃない?
と。

たとえば、パンくずだけとか
おせんべいのかけらだけとかの時には、
ぬらさなくても、ほうきは使いやすい。

当時のわたしは、
「ほうきの先を水でぬらすと取りやすくなるよ」
という言葉をそのまま受け取って、
すべてに当てはめちゃっていたわけです。


ごはんや春雨サラダは床にくっついているから
水分があるととりやすい。
パンやおせんべいはくっついていないので、
そのままはくことができる。

普通に考えたら当たり前のことだけれど、
気付かずにいたのですね。


これって、いろんなことに言えると思って。

たとえば何?
というのは今はあえて書かずにおくのですが。


保育士として働き始めると、
先輩からいろんなアドバイスをいただくと思います。

異動がある方なら、
異動先でのやり方を教わることもあるでしょう。

その時に、言葉をそのまま受け取るのではなく、
「それって何のためなのかな?」
という視点を持つと、
もっともっと仕事がやりやすくなると思います。

そして分からなかったら教えてもらう。

「ほうきの先を水でぬらすと取りやすくなるよ」
と教えてもらったら、
「教えてくださりありがとうございます!
 めちゃくちゃ掃除がしやすくなりました。
 あれって何でなんですか?」
という感じで。



行動だけではなく、
意図(なんのためか?)を見るようになると、
保育力って格段に上がっていきます。

ぜひ「なんのため?」の視点でみる
練習をしていきましょう!



わたしがこの記事を書くのは、
今日も楽しかったね、明日はもっと楽しいよ、
と思える子どもと保育士さんを増やすためです^^