総理の動き-タイ訪問-平成21年4月10日・11日

平成21年4月11日(現地時間)、麻生総理はASEAN関連首脳会議にに出席するため、タイ王国のパタヤを訪問し、各国首脳とそれぞれ会談を行い、意見交換を行いました。

http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2526.html

平成21年4月11日(現地時間)、麻生総理はASEAN関連首脳会議に出席するため、タイ王国のパタヤを訪問し、各国首脳とそれぞれ会談を行い、意見交換を行いました。

 まず、中華人民共和国の温家宝国務院総理との間で日中首脳会談を行いました。会談では、日中関係や北朝鮮問題について話し合いました。日中関係では、東シナ海の資源開発や「食の安全」について議論を行いました。北朝鮮については、麻生総理は「北朝鮮のミサイル発射を受け安保理で活発な議論が行われているが、その過程で外相レベルを含め、日中間で建設的な協議が行われていることを評価したい。」と述べ、安保理が一致して、強いメッセージを迅速に発出することが重要であると強調し、安保理決議を採択することが望ましいという我が国の立場を説明しました。

 続いて、大韓民国の李明博大統領との間で日韓首脳会談を行いました。会談では、北朝鮮問題や二国間関係について話し合われました。日韓関係については、麻生総理から、シャトル首脳外交は日韓関係にとって極めて重要であり、大統領の早期訪日実現に向けて、是非、調整を急ぎたい旨述べ、今後、両国で調整していくこととなりました。北朝鮮問題については、両首脳は、国際社会の一致した、強いメッセージを発出するためには、安保理決議を採択することが望ましいとの立場を確認する一方、あまり時間をかけることなく、迅速に結論を得ることが重要である、との認識を確認しました。

 さらに、麻生総理は温総理、李大統領とともに、日中韓首脳会議を行いました。会議では、北朝鮮問題や三国間関係について議論が行われました。北朝鮮問題については、麻生総理、李明博大統領より、改めて、日韓両国の考え方について発言がありました。これに対し、温家宝総理は、国連安保理の一体性を維持し、六者会合を通じた非核化にも資する形で対応したい、日中韓で引き続き意思疎通を続け、共同の努力で皆が受け入れられる解決策を見つけたい、といった発言がありました。

 その後、麻生総理は記者のインタビューに応じ「いずれの会談でも北朝鮮の問題が中心、そういったかたちになりました。これらの協議を通じて、形式もさることながら、北東アジアの平和と安全というものを守るために、安保理として発出すべきメッセージの内容について三カ国の間で相当程度考え方が収斂してきたということが確認されたと思っております。それを踏まえまして、私と李明博大統領、温家宝首相との間で、ニューヨークにおいて早期に最大限に強いメッセージというものが発出できるよう、それぞれの国連代表部に対して作業を加速するように指示をしたところです。ニューヨークで建設的な議論がさらに行われることを期待しております。」と述べました。

 夕刻には、タイ王国のアピシット・ウェチャチワ首相が麻生総理を訪問し会談を行いました。アピシット首相から、今回のASEAN関連首脳会議を延期とせざるを得なくなった経緯について説明の上、深いお詫びの表明があり、今回麻生総理がアジアの経済危機解決のためにASEANと協力する施策をお持ちであったことに対し感謝の意が示されました。これに対し、麻生総理は、海外からの信頼回復のためにアピシット首相の指導力を期待し、今回アジア全体の経済成長のために協力していく施策を用意したので、今後協力して危機を乗り越えていきたい旨述べました。
「安全と繁栄を確保する日本外交」-平成21年6月30日

平成21年6月30日、麻生総理は都内のホテルにて開催された日本国際問題研究所(JIIA)主催の講演会で、「安全と繁栄を確保する日本外交」と題して外交政策演説を行いました。

http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2653.html

真実の報道-19

麻生内閣総理大臣講演
「安全と繁栄を確保する日本外交」
(財)日本国際問題研究所(JIIA)フォーラムにて


麻生太郎です。
 突然ですが、外交の目的とは一言で言えば何か。皆さんは、どう答えられますか。
 私は、「国家・国民の安全と繁栄の確保」であると思います。
 これは、自分勝手な理想を唱えることで達成できるものではありません。

 日本の安全・繁栄は、国際社会の安全・繁栄なくして実現できない。これが私の出発点です。特に、食糧・資源・エネルギーの供給や市場を、海外に大きく依存する日本は、このことを肝に銘じる必要があります。

 私は、昨年9月に総理大臣に就任しました。その直前の9月15日に、米国の大証券会社、リーマン・ブラザーズが経営破たんし、世界は、深刻な金融・経済危機へと突入しました。まさに、抽象論ではなく、具体的な方針と、行動が求められました。
 私は、11月のワシントンでのG20サミットにおいて、世界各国の首脳に対し、先進各国が協調してこの危機と戦うことを呼びかけました。すなわち、内向きとなることを戒め、むしろ、積極的に世界の金融・経済秩序を守り、事態をコントロールすることです。例えば、国際通貨基金(IMF)の資金基盤を強化するために、1,000億ドルの融資を、日本が表明しました。その後、各国の協力により、私の呼びかけが、実現に向かいつつあります。
 また、私が総理大臣に就任する前には、「麻生が総理になったら、中国や韓国との関係が悪化する」、と心配される向きもおられました。しかしながら、昨年12月には、初めての独立した形での日中韓首脳会議が実現しました。すでに中国の胡錦濤国家主席、温家宝総理とは、計8回。韓国のイ・ミョンバク大統領とも、一昨日を含め8回の首脳会談を行いました。両国首脳との関係は、戦後、最も緊密な状況にある、と思います。

 さて、安全で繁栄する世界を自ら創造していく。その実現に向け、積極的に行動することこそが、まさに日本自身の国益をもたらします。

 2006年11月、私は、外務大臣として、この日本国際問題研究所のセミナーでスピーチを行いました。そこで、日本外交の基礎である日米同盟の強化、そして近隣諸国との協力、に加える新機軸として、「自由と繁栄の弧」という構想を提唱しました。
 冷戦のくびきから解放され、新しい希望を持ち、未来を模索する国々。そうした若い国々の努力を、日本は支えていく。
 「経済的繁栄と民主主義を希求する先に、平和と人々の幸福(しあわせ)がある」(Peace and Happiness through Economic Prosperity and Democracy)という、私のかねてよりの信念を実践している国々の「伴走ランナー」を、日本は務めていく。そう述べました。

 この信念は、日本が戦後一貫して歩んできた道、追求してきた道です。
 そして、日本外交の背骨となる考え方でもあります。

 そのスピーチから、2年半。世界は、北朝鮮などによる大量破壊兵器の脅威、頻発するテロ・海賊事件など、むしろ一層厳しい状況にあります。
さらに、金融・経済危機は、世界中の国々を困難な状況に陥れています。

 この厳しい国際情勢の下で、日本は何をし、また何をすべきか。具体的に、私の考え方を、お話しします。

[1.世界と日本の安全]
 
 まず、日本と世界の「安全」です。
 
 (1)北朝鮮
 我々の目の前には、深刻な問題があります。
 北朝鮮は、この春以降、ミサイル発射と二度目の「核実験」をたて続けに強行しました。明白な脅威です。
 全会一致で採択された国連安保理決議第1874号が、着実に実施されなければなりません。日本は、この強い決議の採択に向けて、安保理を牽引してきました。日本は、金融面や貨物検査を含め、この決議を実施するため、具体的な行動をとってまいります。
 そして、米国と韓国、さらに中国、ロシアとも緊密に連携し、北朝鮮に対して強い圧力をかけることが必要です。これ以上の挑発行為は、何の利益にもつながらないことを、示す必要があります。一方で、我々は、対話による解決の扉も閉ざしてはおりません。
 北朝鮮に対し、安保理決議を誠実かつ完全に実施し、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けた、目に見える行動をとるよう、改めて求めます。

 この問題に端的に示されるように、日本の安全と繁栄は、日本一国では確保できません。まず、日米同盟の実効性を確保していくことが不可欠です。同盟関係は生きものであり、一篇の条約文書があることで、足りるものではありません。日米双方の不断の努力を通じ、日米安全保障体制を万全なものにしていくことが、常に必要です。
 同時に、日本の国益を主張し、関係諸国の協力を得ていく上で、日本自ら、目に見える形で、国際的な責任を果たしていかなければなりません。

 (2)海賊対策、テロ対策(アフガニスタン、パキスタン)
 最近、国際的な責任を果たす上で、日本は、一歩前進しました。海賊対処法の成立です。
 貿易立国の日本にとり、海上輸送の安全は、死活的に重要です。また、海賊行為への対処は、国際的な課題であり、多くの国が艦船を派遣しています。
 中東のアデン湾・ソマリア沖では、毎年約2,000隻の日本に関係した船舶が航行しています。これらの船の安全を確保し、国民の生命・財産を守るため、我が国も海上自衛隊の護衛艦と、P-3C哨戒機を派遣しています。今回の新法制定により、護衛を要請してくる船舶について、船籍にかかわらず、対処することが可能になりました。
 こうした我が国の取組について、海賊の脅威にさらされている船主(ふなぬし)の方々から、感謝の言葉を頂きました。また、先日、来日された、アロヨ・フィリピン大統領からも、温かい賛辞を頂きました。実は、日本の外航船舶の船員の7割以上は、フィリピンの方々です。
 海賊対策については、日本政府は、いわば根本治療のための治安や民生上の支援も、全力で行っています。
 第一は、ソマリアの安定化のための支援です。海賊がはびこっているソマリアの治安向上、雇用の創出、人道状況改善などです。ソマリアでは、20年近くも内戦や混乱が続き、人々は、想像がつかない程の、苦難に直面しています。
 第二は、ソマリアの周辺国のイエメンやオマーンの海上保安能力の強化です。既に日本は、両国の沿岸警備隊職員の研修を行っており、更なる支援を進めていきます。
 このように、海上自衛隊や海上保安庁による活動と、ソマリア及び周辺国に対する、治安・民生面の支援は、いわば、「車の両輪」です。

 テロとの闘いについても、同様に、「車の両輪」による取組を行っています。
 日本は、インド洋で、アフガニスタンのテロ対策の一環として、海上自衛隊による補給支援活動を行ってきました。これを継続するため、昨年12月、特別措置法を延長しました。海上自衛隊は、40度を超える灼熱の中で、地道に活動を続けています。隊員の最高度の補給技術は、補給を受けている他国の海軍から、「神の手」(God Hand)とまで言われています。隊員と、留守を守っておられる家族に、心からの感謝と敬意を表します。
 アフガニスタン情勢は、8月の大統領選挙を控え、これからが正念場です。
 これまで日本は、アフガニスタンで、
  500以上の学校の建設・修復、
  1万人の教師の育成、
  30万人の識字教育、
  のべ4000万人に対するワクチン供与、
  治安対策では、全警察官8万人の半年分の給与を支援、
 こうした実績を積んできました。
 今後も、治安・民生双方の分野で、これまで以上に力を入れていきます。
 アフガニスタンの問題は根深く、パキスタンや中央アジアを含む、より広範な地域の安定と、一体でとらえるべきものです。隣国パキスタンは、現在、過激主義との闘いの結果生じた、三百数十万人に上る国内避難民を抱えています。そのパキスタンを支援するため、私は、就任早々のオバマ大統領とも連携をとりながら、4月に東京で、支援国会合を開催しました。世界の主要国に協力を強く働きかけた結果、予想を上回る、50億ドルを越える国際的支援が約束されました。日本は議長国として、世界から高い評価を受けました。会合に出席したザルダリ大統領は、困難に立ち向かう断固とした決意を語り、日本国民への感謝を表明されました。パキスタンの支援に、日本は、引き続き、リーダーシップを取っていきます。

 (3)政府・与党の責任
 さて、これまで、政府・与党は、日本が進むべき方向を国民に訴え、日本の安全と繁栄を守ってきたと自負しております。
 イラク、インド洋、そしてソマリア沖への自衛隊の派遣。
 日本の防衛と極東の平和と安定の基盤である、日米同盟の強化。
 一方、残念なことに、民主党は、これらの国家としての重要な選択に、いずれも反対や異議を唱えられました。
 日本が果たしてきた役割は、いずれも必要なものばかりでした。それをどこか他の国にやってもらいたい、ということなのでしょうか。それでは、国際社会では受け入れられません。
 日米同盟に至っては、北朝鮮問題に直面する中、民主党幹部からは、第7艦隊だけで、米国の極東における存在は十分という、発言もありました。これは、日米安保体制を大幅に縮小し、米国が我が国に提供する抑止力を大きく減らすことを意味します。
 これでは、国家と国民を守ることは、到底、できません。
 日本の安全にとって、極めて重要な問題であり、あえて指摘させていただきます。

[2.日本と世界の繁栄]
 
 さて、次に、外交を通じて「繁栄」をどう確保するかについてです。
 
 (1)「平和と繁栄の回廊」
 ひとつの例をご紹介します。
 日本は、パレスチナで、象徴的なプロジェクトを進めています。題して「平和と繁栄の回廊」。単なる経済プロジェクトではありません。イスラエル、パレスチナ自治政府、ヨルダンと協力しながら、日本やイスラエルの技術で、ジェリコをはじめヨルダン川西岸を、緑の大地とする。そこでパレスチナ人が作る農産加工物を、ヨルダンを経て、湾岸の石油産出国などの消費地に輸出する。ともに汗をかき、当事者間の不信の壁を低くし、そして利益を分かち合う。日本のアイデアと技術、資金により、共同の「繁栄」をもたらすということです。中東和平の実現は、世界の外交上、もっとも困難な課題のひとつです。日本が、中東における希少な資源、すなわち「信頼」をもたらす仲介者となりたい。このような思いを込め、このプロジェクトを進めています。

 先週、「経済財政改革の基本方針 2009」を決定しました。そこでの最優先課題の一つとして、戦略的な国際貢献の加速を、掲げました。私の政策のキーワードは、「安心」、「活力」、「責任」です。これは、国際的にも、同様です。

 このパレスチナのプロジェクトのように、日本が、「安心」と「活力」をもたらすため、当事者とともに「責任」をもって事業を進めていく。このような国際協力で、世界と日本の繁栄を確かなものにしていきたいと思います。

 (2)「ユーラシア・クロスロード構想」+現代版「シルクロード構想」
 本日は、新しい構想をお話しします。
 「自由と繁栄の弧」の真ん中に位置し、豊かな資源・エネルギーを有する中央アジア・コーカサス地域に、皆様の注意を向けて頂きたいと思います。この地域を通り、ユーラシア大陸をタテ・ヨコ双方でつなげることに、日本は協力します。
 これを、「ユーラシア・クロスロード」構想と名付けます。
 タテの線は、「南北の物流路」、即ち、中央アジアからアフガニスタンを経てアラビア海に至るルートです。道路や鉄道の整備を想定しています。
 ヨコの線は、「東西回廊」です。中央アジアからコーカサスを経て欧州に至るルートです。カスピ海沿岸の港湾整備などを想定しています。
 こうした広域インフラの整備により、資源豊かな中央アジア・コーカサスと、経済的基盤を必要としているアフガニスタン、パキスタンを含む地域が一体となります。
 私は、これまで、インドのデリー・ムンバイ間産業大動脈構想、インドシナのメコン経済回廊といった、アジアの広域開発の話をして参りました。これらのプロジェクトによって、例えば、ベトナムのホーチミンからインドのチェンナイまで、今は海路で約2週間かかるものを、インフラの整備やワンストップ・サービスといった日本の技術を活用し、8日間に短縮することが可能になります。
 こうした一連の構想をつなげて、太平洋に始まり欧州に至るユーラシア大陸全体を貫き、ヒト・モノ・カネが自由に流れるルートを整備する。そんな未来も描けます。
 いわば、現代版シルクロードとも言え、本日は皆様と、そうした夢のある大きな構想を、共有させて頂きます。
 この地域で安定と繁栄が相乗効果をあげれば、世界経済を大きく押し上げることとなるでしょう。中国、インド、ロシアは、そのための重要なパートナーです。こうした構想に、これらの国々が関心を持つことを、歓迎します。

[3.世界への発信]
 
 さて、世界の「安全」と「繁栄」のため、日本が積極的に行動する、という、私の考えを述べましたが、そのために世界に発信するメッセージが必要です。
 
 (1)日本のソフト・パワーの発信(コンテンツ、日本人の価値観、日本語、日本人学校)
 私は、外交を進めるには、人と人とのつながりの中で、お互いの考え方や価値観を共有することが重要と考えます。信頼は、かけがえのない国際協力の基盤です。
 日本には、世界に誇れるソフトパワーが多くあります。
 アニメやマンガ等のコンテンツや、映画やファッションなどは、「クール・ジャパン」と言われ、世界的な評価が高まっています。折しも7月2日から、パリで、JAPAN EXPOが開催されます。10回目を数えるこのイベントに、日本のポップカルチャー・ファンの欧州内外の若者が、15万人も集結するというから、驚かれませんか。

 それだけではありません。日本のソフトパワーには、敗戦の焼け跡から復興し経済大国になった日本人の勤労倫理、例えば「納期」をあくまでも守る仕事のやり方、優れたモノ作りの技術など、幅広く多様なものがあります。
 これを世界に紹介し、各国の人造り、制度造りに協力することは、日本が得意とする貢献です。
 カンボジアでは、若い女性を含む日本の法律家が、大いに活躍しています。民法と民事訴訟法を、現地の方々との共同作業により、現地クメール語で、編さんする。裁判官や弁護士を育成するカンボジア人の教官をコーチする。そんな地道な活動が、もう何年も続いています。
 また、日本語も、ソフトパワーです。「クール・ジャパン」への関心を背景に、日本語の学習に興味を持つ外国の方々が増えています。ゲームの攻略本を読むために、日本語を始める若者たちもいます。
 現在、海外の日本語学習者は約300万人。この3年間で、230万人から3割増え、右肩上がりが続いています。東南アジアでは、英語でなく、日本語を主要外国語として、教育している大学が数多くあります。学習者の熱意に応えるべく、海外の日本語教育を一層充実していかねばなりません。
 海外の日本人学校も、地元の方々から熱い視線が注がれています。日本人の礼儀正しさ、勤勉さを学ばせたいので、日本人学校に地元の子供を入れて欲しいとの声が寄せられています。この期待に、何らかの形で応えたいと思います。

 (2)ODA強化
 平和国家であり、また経済大国である日本にとり、ODAは、外交上、最重要の手段、ツールです。二国間関係においても、国際機関に対しても、ODAを強化する必要があります。
 近年、ODA予算の減少傾向が続いていました。その結果、かつては世界第一位であった日本のODAは、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスに次ぐ、世界第5位になりました。これは、額だけの問題ではなく、日本の外交姿勢の問題です。私は、平成20年度、当初・補正予算をあわせ、この減少傾向を逆転させました。日本が、世界に約束した支援を確実に実施し、世界が直面する新たな課題に対応していくためにも、ODA事業量を、しっかりと確保します。

 (3)シンクタンク交流
  本日は、日本国際問題研究所のセミナーですが、シンクタンクを通じた知的交流も、重要な外交上のツールです。新しい国際基準やルール作りの過程では、世界に通ずるアイデアを、いち早く打ち出すことが、非常に重要です。産官学をあげて、日本の知力を結集し、新たな秩序造りの先頭に立って取り組むことが必要です。
 来年創立50周年を迎えられる日本国際問題研究所をはじめ、日本のシンクタンクには、今後も、日本外交のブレーンとして、頑張って頂きたいと思います。

[おわりに]
 外交は、「国家・国民の安全と繁栄」のためにある。言葉では一言です。しかし、これを実現することが、容易ならざることは、世界の歴史を見渡せば明らかです。

 しかし私は、日本外交の将来に、明るさを見出しています。
 それは、若い世代が、個人の力を発揮し、国際社会に貢献していく姿を、この目で見てきたからです。
 外務大臣時代、私は、平和構築を担う人材を育てるため、「寺子屋」を作ることを約束しました。この「寺子屋」、即ち人材育成事業は、これまで2年間で卒業生は約60名と、規模ではまだささやかです。しかし、広島に設けられたコースでは、日本人、そしてアジアからの参加者が学び、「平和構築のプロ」が巣立っています。
 彼らは、世界各地の平和構築の現場で、活躍し始めています。
 この研修に参加した東ティモール出身の女性は、日本の元自衛官が組織したNPOの一員として、ラオスにおける地雷除去支援事業で活躍しました。日本人と東ティモール人が、日本で学び、ラオスで平和構築のため一緒に汗をかく。すばらしいことだと思いませんか。
 私は、今後とも、この平和構築のプロ、英語で言うと、Peace Builderを育てる「寺子屋」事業を、平和国家「日本」の旗印にすべく、大いに盛り上げていきたいと思っています。そして、将来、国連難民高等弁務官を務められた緒方貞子JICA理事長や、スリランカ和平で活躍頂いている明石康政府代表のような方々が育てば、と夢を見ています。

 「みずからを助けざる者には、チャンスも力を貸さず。
 (Chance never helps those who do not help themselves.)」
 これは、古代ギリシャの著名な詩人、ソフォクレスの言葉です。自らを厳しく律し、研鑽を重ね、必要な行動を行う者にこそ、希望が訪れます。個人も、そして国家とて、同じことです。
 観念論ばかりで、具体論には反対と留保ばかりつける。そのような、外交・安全保障では、厳しい国際社会の現実には、太刀打ちできません。

 私は、この重要な局面において、引き続き、日本と国民の安全と繁栄を守り抜きます。
 その決意を申し上げ、本日のお話を締めくくらせて頂きます。

 ありがとうございました。


日本国際問題研究所主催講演会で外交政策演説

平成21年6月30日、麻生総理は、都内のホテルにて開催された日本国際問題研究所(JIIA)主催の講演会で「安全と繁栄を確保する日本外交」と題して外交政策演説を行いました。

 演説では、まず「日本と世界の安全」について、北朝鮮問題、海賊対処法の成立やテロ対策、それに政府・与党の責任などを挙げ、日米同盟の実効性の確保が必要であることや、積極的に行動することこそが日本自身の国益をもたらすこととなり、日本自らが目に見える形で国際的な責任を果たさねばならないことを述べました。
 また、「日本と世界の繁栄」については、「平和と繁栄の回廊」として、先日決定された「経済財政改革の基本方針2009」における最優先課題の一つでもある戦略的な国際貢献の加速や、新しい構想として、ユーラシア大陸をタテ・ヨコ双方でつなげる「ユーラシア・クロスロード」を示しました。
 そして、「世界への発信」として、日本のソフトパワーの発信やODAの強化、シンクタンクを通じた知的交流等を挙げ、産官学をあげて日本の知力を結集し、新たな秩序造りの先頭に立って取り組むことの必要性を述べました。

 結びに、「私は、今後とも、平和構築のプロを育てる『寺子屋』事業を、平和国家日本の旗印にすべく、大いに盛り上げていきたいと思っています。自らを厳しく律し、研鑽を重ね、必要な行動を行う者にこそ希望が訪れます。これは、個人も、そして国家も同じことです。私は、この重要な局面において、引き続き日本と国民の安全と繁栄を守り抜きます。」と述べました。


麻生総理スピーチ 新たな成長に向けて

http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2519.html

平成21年4月9日、麻生総理は都内の日本記者クラブで、「新たな成長に向けて」と題して講演を行いました。この講演では、今日の日本経済が2020年までに目指す未来像について、日本経済の未来~「未来開拓戦略」を示し、その3つの柱として「低炭素革命で、世界をリードする国」、「安心・元気な健康長寿社会」、「日本の魅力発揮」を掲げ、説明を行いました。また、新たな成長フロンティアは国内だけではないとして、「アジアの成長~『アジア経済倍増へ向けた成長構想』」についても説明を行いました。


真実の報道-18


平成21年4月9日、麻生総理は都内の日本記者クラブで、「新たな成長に向けて」と題して講演を行いました。この講演では、今日の日本経済が2020年までに目指す未来像について、日本経済の未来~「未来開拓戦略」を示し、その3つの柱として「低炭素革命で、世界をリードする国」、「安心・元気な健康長寿社会」、「日本の魅力発揮」を掲げ、説明を行いました。また、新たな成長フロンティアは国内だけではないとして、「アジアの成長~『アジア経済倍増へ向けた成長構想』」についても説明を行いました。

 麻生総理は講演の中で、「額に汗して働く。そして、チーム全体として、高い成果をあげていく組織力。日本の『ものづくり』というのを支えてきたのは、この組織力です。この伝統なんだと私は思っておりますが、その強みを活かし続ければ、日本経済には、まだまだ大きな可能性があります。自らの強みを失うのではなく、その土台の上につくりあげたもの、それが今回の『成長戦略』であります。この戦略、目標のもとに、みんなの考えというものを巻き込みながら、しっかり実現したいと考えております。従って日本とアジアの未来は明るい。この成長戦略を通して、皆さんにそのように感じていただければ何よりであります。」と述べました。

-第2回金融・世界経済に関する首脳会合出席

麻生総理は、世界的な金融危機の対策について話し合う、第2回金融・世界経済に関する首脳会合に出席するため、英国の首都・ロンドンを訪問しました

http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2512.html

真実の報道-17



平成21年3月31日(現地時間)、麻生総理は第2回金融・世界経済に関する首脳会合(ロンドン・サミット)に出席するため、英国・ロンドンに到着しました。翌4月1日(現地時間)は、同じく首脳会合に出席する各国首脳とそれぞれ会談を行い、幅広く意見交換を行いました。

 まず、大韓民国の李明博大統領との間で日韓首脳会談を行いました。会談では、経済関係および北朝鮮問題について話し合いました。経済関係では、麻生総理より1990年代の我が国の経験を踏まえ、危機を克服する上では財政出動が重要であり、日本としても更なる経済対策を考えている旨を述べたのに対し、李大統領より、日本は貴重な経験を有している、財政出動には意義がある、韓国も日本の考え方を支持している旨が述べられました。また、北朝鮮問題では、麻生総理より、北朝鮮によるミサイル発射は明確な国連安保理決議違反であり、安保理で取り上げてしっかり対応していく旨を述べたのに対し、李大統領は、完全に同意する、ミサイル発射が行われれば国連安保理での対応を含め日韓米で連携して対応したい旨が述べられました。さらに、拉致問題で、先月行われた金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏と飯塚家との面会実現に関する韓国側の協力に対し、麻生総理は改めて謝意を表明しました。

 その後、インドネシア共和国のスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領と日・インドネシア首脳会談を行いました。会談では、金融・世界経済について話し合われ、麻生総理は、総額220億ドル規模の追加的貿易金融支援や最大2兆円(約200億ドル)の対アジアODA貢献策をロンドン・サミットで表明する予定であり、引き続きインドネシアの成長力強化を支援していきたい旨を述べました。これに対しユドヨノ大統領は、日本にはこれまで貿易、投資、エネルギー、インフラ整備の分野で協力いただいており、この協力がさらに拡大することを期待する旨が述べられました。この他、北朝鮮問題、パキスタン支援国会合についても意見交換を行いました。

 会談後、イタリア共和国のシルヴィオ・ベルルスコーニ首相と日伊首脳会談を行いました。会談では両首脳は、現在のような世界的な金融市場の混乱を二度と繰り返さないためにも、今般のサミットの成果をしかるべく実施していくことが重要であるとの意見で一致し、両首脳は自国の経済対策などについて言及しました。この他、アフガニスタン・パキスタン情勢、北朝鮮問題でも意見交換を行いました。

 そして、英国のゴードン・ブラウン首相と日英首脳会談を行いました。会談では、ブラウン首相からロンドン・サミットの議長として世界経済回復に向けた前向きなメッセージを発出すべきであり、日本と緊密に協力していきたい旨を述べられたのを受け、麻生総理は、サミットにおいて需要刺激と金融規制改革の双方の課題に各国が共に取り組んでいくという共通したメッセージを発出することが重要であると述べた上で、日本としても新たな経済対策を早急に検討している旨を述べ、両首脳はロンドン・サミットの成功に向けて緊密に協力していくことで一致しました。この他、北朝鮮問題、アフガニスタン・パキスタン問題についても意見交換を行いました。

 夜には、ブラウン首相主催の夕食会に麻生総理は出席し、今般の経済危機について各国首脳と意見交換を行いました。


第2回金融・世界経済に関する首脳会合


平成21年4月2日(現地時間)、英国訪問中の麻生総理は第2回金融・世界経済に関する首脳会合(ロンドン・サミット)に出席し、先進国と新興国など20カ国・地域(G20)の首脳等と議論を行いました。

 会合では、世界的な危機には世界的な解決策が必要であり、市場原理、効果的な規制および強力な世界的機関に基づく開放的な世界経済が重要であることが示されました。

 各国が連携して財政拡大を進める中で、2010年末までに財政拡大は5兆ドルに上り、成長を回復するために継続した財政努力を行うことを確認しました。

 このほか、金融監督および規制の強化、世界的な金融機関の強化、保護主義への対抗などを共同声明に盛り込み、採択して終了しました。

 サミット閉幕後、国際連合の潘基文(パン・ギムン)事務総長との会談を行いました。

 会談では、金融・世界経済、北朝鮮問題などの問題について話し合われ、まず金融・世界経済については潘事務総長より、金融危機にあたり途上国への資金の流れが大事である旨述べられました。麻生総理は、各国がODAコミットメントを着実に実施し、ミレニアム開発目標を後退させないことが極めて重要であり、今般のサミットにおいて力強いメッセージを発出できたことは大きな成果である旨を述べ、これを受けて潘事務総長は、日本のイニシアティブを高く評価するとの発言がありました。

 北朝鮮問題では、麻生総理は北朝鮮によるミサイル発射は安保理決議違反であって容認できないと述べ、事務総長にも毅然とした態度を示すことを要請しました。これに対し潘事務総長からは、北朝鮮が、関連する安保理決議に従うとともに、六者会合に復帰することを期待するとの発言がありました。そのほか、気候変動問題、国連安保理改革についても議論されました。

 その後、麻生総理は中華人民共和国の胡錦濤国家主席と首脳会談を行い、会談では日中関係、国際経済・金融情勢、北朝鮮に関して話し合われました。

 日中関係について双方は、国際社会が厳しい金融・経済情勢に直面する中、日中首脳が意見交換することは時宜を得たものであり、「戦略的互恵関係」にある日中両国として、この分野で意思疎通を強化し、積極的に協力していくことを確認しました。

 国際経済・金融情勢については、アジア諸国への支援を含め、中国との協力を含めていきたい旨を述べ、胡主席からは日本との間で二国間または多国間の場で、政策、情報面での意思疎通と協力を強化していきたい旨述べられました。

 北朝鮮問題については、麻生総理は北朝鮮によるミサイル発射は容認できない、安保理で強いメッセージを発信することが重要である旨を述べ、さらに拉致問題について引き続き中国の協力を求めました。胡主席は中国としてもミサイル問題を大変重視しており、様々なルートで北朝鮮に対し働きかけてきていると述べる一方で冷静な対処を求め、引き続き連携していきたいと述べられ、拉致問題についても今後も必要な協力を提供していきたいと述べられました。

 全日程を終えた麻生総理は、同日政府専用機でロンドンを出発、帰国の途につきました。

麻生内閣総理大臣記者会見-平成21年3月31日



http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2494.html

真実の報道-16


平成21年3月31日、麻生総理は総理大臣官邸で記者会見を行いました。

 会見で麻生総理は、3月27日に平成21年度予算が成立したことを受け、「これで景気対策の3段ロケットが完成したことになります。」と述べ、また中小企業の金融支援、雇用調整助成金などの平成20年度一次、二次補正予算の成果について触れました。

 その上で麻生総理は「しかし、なお日本は経済危機とも言える状況にあろうと存じます。そのため新しい経済対策の策定をいたしたい。」と述べ、景気の底割れ防止、雇用を確保し国民の痛みを軽減、未来の成長力強化を目標に、政府与党で早急に取りまとめることを発表しました。

 また、環境・エネルギー分野や健康長寿社会、アニメなどのソフト分野を通じた経済成長戦略を描くことや、アジアの広域インフラの整備などを通じて域内の需要拡大を支援することも述べました。

 さらに、4月2日に英国・ロンドンで開催される緊急経済金融サミットについて、世界経済にとって必要な資金が円滑に供給されるようにすることなどの基本方針に沿って議論を深め、さらなる具体的な成果を得るべくリーダーシップを発揮したいと述べました。

 最後に麻生総理は、「平成21年度予算は成立しました。しかし、なお重要な法案がたくさん残っています。海賊対処法案、消費者庁法案、年金の財源を安定的にする法案などです。それぞれ、国民生活や国際貢献に不可欠なものです。私はこれらの早期成立に全力を挙げます。」と決意を表明しました。