甘め Kiss Peach 46 | True Blood Love -Last Song-

True Blood Love -Last Song-

2人で奏でる歌

休んでいた間を埋めるように、熱心にダンスを踊るユノ。

ジュンスも勿論上手だけれど…。

ユノは、男らしくて…なんでだろう、前もドキドキしたけれど、なんだか前とは全然違うドキドキがある。

 

「おい…涎出てんぞ」

 

「え?はぇ?」

 

ヒチョル兄さんに言われて慌てて口に手を当ててみるけれど、別に出てない。

 

「冗談だよ…。でも、そんな感じだった」

 

「そうだな…。物欲しそうに見て。大人になっちゃったなぁ…ジェジュンは」

 

カンイン兄さんが苦笑する。

 

ヒチョル兄さんも、カンイン兄さんも、ニシシって何だか笑い方がいやらしい。

僕…そんなつもりで見てないつもりなんだけど。

 

「でも、ユノのダンス、格好いいのは前からだもん」

 

「そうだよなぁ。でもあのユノが腕が、ジェジュンをぎゅーって包み込んでくれる心地よさ知っちゃったもんな」

 

「ま…しょうがないよな。でも…いいか、ユノが酷い事をしてお前を泣かせたら、すぐに言いに来るんだぞ」

 

ヒチョル兄さんが、楽しそうに僕の肩を指でつつくと、隣にいたカンイン兄さんは、ガバって僕の両肩を掴んで心配そうな顔をする。

2人ともが、結局は僕とユノの心配をしてくれてるんだって思うと、嬉しくて笑顔が零れる。

 

「うん。ありがとう兄さん。あのね…僕、幸せ」

 

照れ臭くて、でも嬉しくて。

両手で口元を隠しながら、ふふって笑う。

頬がくすぐったくて仕方がない。

身体だって、なんだかほわほわと温かくて。

僕は、兄さん達に両サイドから突かれながら、ずっと笑顔が止まらなかった。

 

 

ユノが、そんな僕を見ながら同じように幸せそうな笑顔を零しているなんて知らなくて。

そして、僕とはちょっと違う意味で、頬を赤く染めていたなんて知らなくて。

 

それを僕が知るのは、もう少し後になってから…。

 

 

 

 

 

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