前回の直接対決の記憶がまだ新しいカード。
前回の対戦では前半新潟のプレスに苦しめられ渋い展開となったものの、後半頭からの選手交代が効いて勝負強く勝ち切った。
両チームともその試合とシステムは同じだが、スタメンで新潟は2選手、レッズレディースは4選手入れ替えて臨む。
なお、この試合の主審は審判員交流研修プログラムで招聘されたイングランドのKIRSTY DOWLE氏が務めており、先に述べておくと序盤に柴田への後ろからのコンタクトにファウルを取った際に「これくらいはしっかり取るのね」と思った以外は特に日欧の基準の違いの様なものも感じることなくストレスのない良い試合コントロールだったと思う。
序盤、前回とは違った展開がみられる。
レッズレディースは新潟のハイラインと前からのプレスに対して裏を狙うボールを織り交ぜる。
菅澤も徐々にコンディションが上がりつつあるのか、出し手がルックアップした際にはアクションが始まっており、良くボールを収め、奪われても中盤が高い位置で奪い返して二次攻撃に繋げていく。
新潟のラインが下がって中盤にスペースができると、後方からの繋ぎでも柴田と栗島が小気味よく動いてパスコースを作り、さらに右SBに入った水谷も内側に入ってボールに関わるため、新潟がツートップとボールサイドのSHでパスコース限定しようとしてもいなして前へとボールを運ぶ。
一方で新潟は突破力のある園田と北川を配す左サイドから攻める意図が明確で、まるでデザインされているかの如くテンポの速いワンツーパスで狭いスペースの突破を試み、最後は長身の浦川と上尾野辺で勝負しようという形だ。
流れとしてはレッズレディースが主導権を握り多彩な攻撃で新潟ゴールへ迫るも、フィニッシュへの迫力が一歩足りず、仕留められないまま時計が進む。
そして41分、相手を押し込んだ状態から久しぶりに戻ってきた長嶋がゴール前へ送ったボールに清家が頭で合わせてようやくの先制点。
1-0で折り返す。
後半、お互いの出方を見極める間もない47分、おそらく意図通りのキックではなかったであろう猶本のクロスが流れたところを安藤が拾い、ペナルティエリア外の中央から素晴らしいミドルシュートを突き刺し追加点を挙げる。
シュートの質はもちろんだが、試合を通してファーストチョイスはゴールへという安藤の姿勢は若い選手も是非感じ取ってもらいたい。
両チームどういうプランで後半に臨んだかは分からないが、この2点目で新潟の方が若干パニックになった様にも感じ、レッズレディースは余裕をもって試合を進められ、交代カードとして塩越と島田を準備したところで猶本のFKから菅澤がしっかり合わせて3点目を挙げると、長船と西尾、さらに植村と出場機会を与える余裕の采配。
3失点した新潟が開き直ったかの様にアグレッシブになったことと、選手を入れ替え過ぎたレッズレディースが縦一辺倒になったことで戦術云々の展開ではなくなったが、西尾や猶本が惜しいシュートで沸かせるなど見せ場もあり、守備も90分通してピンチらしいピンチもなく無失点で終える。
3-0の勝利。
下位チーム相手ではあるが前回苦しめられたなかでの完勝は高く評価したい。
ホームゲームで多くのファンサポーターを満足させられたのではないだろうか。
ただもっと貪欲に、さらに上へ上へと突き詰めていってもらいたい。
以上。