WEリーグカップ グループステージ第1節、第2節 | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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浦和レッズレディースのブログ、観戦記。
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お久しぶりでございます。

 

昨シーズンもしっかりした観戦記が書けなかったし、そろそろ当ブログも終わらせ時かなんて思いながら、オフシーズンの人事にも触れずズルズル来てしまったのだけど、シーズンが始まりスタジアムで観戦すると湧き立つものがあるというか、想いが溢れてくるというか、2013年の8月にスタートした当ブログも今シーズンでちょうど10シーズン目だし、もう1シーズンだけやってみるかということで、遅ればせながら記事を書き始めたところ。

 

ということで今シーズンもお付き合いいただけたら。

 

 

さて、今回は先週から始まったリーグカップのグループステージ第1節と第2節をまとめてレビューしたい。

 

”新監督”と言い間違えそうになるのだが”新指揮官”を迎えての新シーズン開幕。

怪我やU-20代表招集で戦力不足は否めないが、開幕戦で選手が各ポジションについた時にはそれを度外視してワクワク感しかなかった。

 

システムは4-3-3。

 

GKは池田と鈴木が怪我、福田がU-20代表で不在という事で、ユース出身の伊能を特別指定、ユースの前田と山崎を2種登録し、既にこの2試合で3人とも出場機会を得るというだいぶスクランブルではあるが、3人とも堂々としているというか、変な不安感を抱かせないというか、池田が十代の頃と比較しても落ち着きがあって非常に好印象を受ける。

福田が戻ればファーストチョイスになると予想するが、今のこのチャンスを飛躍の大きなきっかけにしてもらいたい。

 

ディフェンスラインもまた南の移籍から始まり怪我人とU-20代表で石川不在ということで、センターバックに上野をコンバートし、そのパートナーとして2試合で長嶋、高橋美紀、河合が試されている。

また両SBについては左の佐々木は不動として、右は清家を前で使う意思が伺える中で初戦が水谷、第2節は遠藤が先発。怪我人などの復帰を待ちながら最終ラインもまたスクランブルの中で抜擢された選手たちの奮起に期待したい。

 

中盤はアンカーに柴田を据えて前に猶本と塩越の2枚を並べる逆三角形で、柴田への負担が非常に大きいシステムだがそれぞれの特徴を考えると非常に魅力的でワクワクさせられる形。

 

スリートップは中央に強さのある菅澤を据えてウイングに突破力のある安藤、清家、あるいは植村を置くという分かりやすいオーソドックスな形で、やりたいサッカーが明確に伝わってくる。

 

守備陣を中心に戦力不足は否めないが、全体としては選手の特徴を理解した中で攻撃的サッカーを目指すという意思が開幕戦の選手の並びだけで伝わってきたことをポジティブに思う。

 

 

次にここ2戦の課題と収穫に目を向けたい。

 

まず最終ラインからのビルドアップいついてはセンターバックが幅を取り、特に左に開いた上野から外回り、あるいはロングボール主体で配給する形が主となっている。

池田の様な足元が巧みなGKを前提とするならば、個人的にはセンターバックが幅を取り、その間にボランチが落ちるのではなくGKが入って組み立てるのが理想と考えており、このビルドアップの形は好意的に捉えている。

配給役が上野頼りにはなっているが、左SBのキャリアが長い上野が左に開いて供給するのがこの布陣の中では一番リーズナブルであり、シーズン頭からあまりリスクは取らず徐々にオプションを増やしていけば良いだろう。

 

また両SBの立ち位置についても注目している。

森サッカーでは4-2-3-1のサイドハーフが内側に入り、両SBともに高いポジションを取る大胆な形が基本だったが、今シーズンのシステムでは前にウイングがいる。
見ていると一列低いアンカーと同じ高さからスタートし、ウイングを邪魔しないようにバランスを保ちながらタイミングよくサポート、あるいは攻撃参加する形を多く出せていて悪くなかった。

どちらかと言えばワンアンカーの柴田の両脇のスペースをどれだけケアできるかがSBの役割のポイントとなるだろう。

 

そのアンカーの柴田は非常に負担が大きい役割を担う。

特に今の急造センターバックはコースを限定してあげても前に出られずズルズル下がってしまうケースも散見され、また猶本と塩越は守備面で気が利くタイプではないし気を利かせすぎるとこのシステムのメリットがなくなる。

またアンカーとして大事な仕事の一つにセンターバックの前のスペースを埋めるということがあり、時には攻撃のサポートを諦めてでも動かないという判断も必要だ。

開幕戦の1失点目も自身のパスをカットされてそのままカウンターで攻め切られるなど、これまで以上に難しい役割を任されている。

しかしながら私はこのことを非常にポジティブに捉えている。

ベテランの域に入った柴田がまたここで新しいチャレンジをし、どこまで成長できるのかを楽しみにしたい。

 

スリートップに2枚のインサイドハーフを加えた攻撃は非常に分厚い。

誤解を恐れずに言うとこの5枚だけで2試合6点を奪っており、単純な2試合のシュート数も合格点だ。

森サッカーは同サイドの狭いスーペースをショートパスで徹底的に突くスタイルで、敵が研究してくるにつれ楠瀬監督の言葉を借りるとノッキングを起こすことも多かった。

一方で今シーズンのサッカーはどちらかと言えば幅を使ってサイドを崩すスタイルで、既にウイングの清家がクロスで4アシスト(新潟戦の1アシスト目はシュートだと思うけど)と結果も出ている。

それに新潟戦の3得点目の様なショートパスで中央から崩す森サッカーの良さをバランスよく融合できれば相手が的を絞りにくい非常に魅力的なサッカーができるのではないかと期待する。

 

 

そして最後にこれもまた森サッカーの大きな不満であった選手起用、交代策についても、カップ戦であることや怪我などの影響はあれ若い選手にチャンスが与えられ、それぞれ期待に応えて自分の良さをアピールしようと堂々とプレーする姿はそれだけで観戦の価値を高めてくれる。

 

 

結局試合の観戦記、レビューからはややズレた記事になったかもしれないが、新体制でのシーズンの最初だしポジティブに、そしてこれからに期待しながら記事を書かせていただいた。

 

 

さあ、今シーズンも楽しんでいこう。

 

以上。