新しい歴史の始まりの日。
もちろん現地で立ち会いたかったが、ビジター席は設置しないとのことで、致し方なく自宅でテレビ観戦。
2-1の勝利。
良くも悪くもレッズレディース対ベレーザらしい試合。
力関係に変化が起きる様な兆候はなく、ベレーザの鋭い攻撃に粘り強く対処しながら、少ないチャンスをモノにできるかという過去に何度となく繰り返してきたジリジリする試合展開。
まず、コロナ禍とは言えサッカーを仕事とし、サッカーに集中できる環境下で、選手たちのコンディションがどれほどのものか注目していたが、フィジカル的にはしっかりと仕上げてきた印象を受けた。
こんがり焼けた肌、引き締まった上半身に鋼の様な脚、過去の3月開幕では選手間のコンディションの差が明らかにあったが、この試合ではスタメン全員に戦う準備ができており、メンタル面でも試合の入りから攻守の切り替えと球際の激しさが出せていた。
なかでも安藤梢のチームを引っ張るプレーの激しさは際立っていた。
一方で戦術的には昨シーズンからの目に見えた進化は感じられず、特に攻撃面ではアタッキングゾーンでのコンビネーション、アイディア、思い切り不足は相変わらずで、逆にベレーザの攻撃のスイッチの入れ方はさすがとしか言いようがなく、前半のシュート数の差は今シーズンもまた同じ課題と向き合っていかなければならないという現実を突きつけられるものだった。
また守備面ではやはり長船の欠場の影響を感じずにはいられない。
攻め込まれた際の力強さや粘りは南と高橋でもそん色ない。
しかしその一つ前の未然にピンチの芽を摘むプレーやポジショニング、ビルドアップでの無理をしない判断の部分では、いなくなって気づくベテランの安定感と言わざるを得ない。
だが無い物ねだりをしても仕方がない。
南と高橋の成長に期待したい。
逆にポジティブだったのは交代策だ。
リードされての菅澤投入は必然で、また栗島の交代はアクシデント気味だったとしても、長嶋と島田の投入タイミングは昨シーズンとはやや異なる印象を受けた。
これまでなら戦況が悪くなって、ピッチ内でのポジションチェンジでこねくり回し、失点など事が起こってからようやく重い腰を上げ、しかもあまりメッセージの感じられない交代で良い効果を生まないまま終わることも度々あった。
しかしこの試合では清家も猶本も引っ張ろうと思えばもう少し行けた中で、落ちきる前に先手で動くことができた。
長嶋と島田が目に見える活躍をしたかと言えばそこまではいかなかったが、少なくとも試合巧者のベレーザに流れを持っていかれることなく、逆に苦しい時間帯に逆転のゴールを奪い勝ち切ることができた。
最後に、試合を観ながらプロフェッショナルとは何かという問いが頭の中をぐるぐると巡っていた。
いろいろな答えがあるとは思うが、遠い昔少しだけサッカーをかじっていた立場から浮かんだのは、明日の放課後は皆で菅澤のダイビングボレーや塩越のターンからのシュートの真似をして、誰が一番それに近づけるかを競い合うことだろうということ。
以上。