”クラブオリジナルマッチ”というやや素っ気ない呼び方ながら、こういう試合を開催すること自体は非常に素晴らしく、加えてトレーニングマッチ風味を予想していたなかで、それを良い意味で裏切る非常に見ごたえのある試合だった。
レッズレディースはメンバーやポジションが大きく入れ替わったなかでもチームコンセプトを崩さないパスサッカーが伝わり、ジェフの強固な守備網且つ雨のピッチでも敵陣での連続したショートパスが見られた。
対するジェフの方もコンパクトでタイトな守備から少ないチャンスでシュートまでもっていく形は非常に鍛えられている印象を受け、試合前半はレッズレディースの拙さよりジェフの方を称えなければならない試合内容だった。
後半に入るとレッズレディースはポジションを変更したこともあるが、それ以上に動きの流動性が非常に高くなった。
それは前半ジェフの守備網に苦絞められたことへの修正としてはっきりと感じられ、さらに単に流動性が高くなっただけでなく個々の立ち位置自体がシステムにこだわらずに相手の間に入るようなポジションとなり、正直に言うとポジションチェンジもあって後半開始からシステムを把握するまで時間を要してしまった。
また流動的に動きながら全体のバランスが崩れないサッカーをこのメンバーでもやれたことも評価したい。
試合の位置付けとしてはサブのメンバーを使い切って然りで、最終盤は個々で頑張るような局面も多くなったが、交代カードを切り始める前の時間帯にはこのまま勝負に徹するガチンコな展開も観てみたいと思わせるような力の入る試合だった。
個人に目を向けると、遠藤と佐々木の得点は思い切りやシュートの質自体も素晴らしく、島田の起点になる動きや福田の落ち着きぶりも目に付いた。
そして昨シーズン終盤の怪我からコンディションが上がっていなかった柴田華絵にようやく本来の動きが戻ってきたところも頼もしかった。
課題を言い出せばきりがないが、一つだけ要求するならピッチ内のコーチングの声がややおとなしかったように思う。
池田や南が出場しない中で声でのリーダーシップという意味でも突き上げを期待したいものだ。
以上。
あっ、スタンドへの挨拶の時の「よろしくお願いします」と「ありがとうございました」の声はしっかり届いてるよ。
しかも以前は下げた頭を上げきる前に歩き出す選手がちらほらいたけど、最近はちゃんと頭を上げてまた拍手に応えてくれて。
試合の結果や内容、チーム状態によらずその姿勢はキープな。