2020なでしこリーグ第2節 浦和レッズレディース vs アルビレックス新潟レディース | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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序盤、新潟の策に完全にはめられてしまったレッズレディース。
運動量高く入った新潟はレッズレディースの最終ラインに激しくプレスをかけ、交わされて一列前へ運ばれると今度は引いて強固なブロックを作りスペースを消す。
そしてボールを奪うとそのまま同サイドから攻め上がり、レッズレディースのハイラインに対して2列目からの飛び出しで裏を突く。
だいぶ選手が入れ替わったとはいえ新潟らしい戦い方は相も変わらずで、入りの10分を耐えれば試合も落ち着いたであろうところを相手の決定力も伴い2失点の最悪な出だしとなる。

2点入ったことと10分を過ぎたということもあり新潟の前線からのプレスが落ち着くと、レッズレディースも徐々にボールを繋げるようになるが、アタッキングゾーンでは新潟らしい粘り強い守備に苦しめられ決定機を作れない。

それに対し森監督はいつも通り選手のポジションを入れ替えて打開を図るが、左右のSHを入れ替えたかと思えばさらに中央の猶本を左SHに移すという変更を加える。
しかしこれが機能しない。
開幕戦の記事でトップ下のポジションからのゴールへ向かうプレーの効果を述べた猶本がゴールから遠ざかってしまい、佐々木も器用な選手ではあるが昨シーズンほぼ左SBで固定されていた選手に右SHは簡単ではない。

セットプレーから1点を返すも、一気に同点を目指すような勢いは生まれずリードされて折り返す。

後半頭から2枚代え。
上野はまだレッズレディースのリズムに入り切れてない印象もあるが、
前半猶本が消えたのは前述の通りポジションチェンジの影響であり、アクシデントでもない限りHTでの交代は疑問符だ。

その証拠に後半に入ってもリズムは良くならない。
塩越は終盤の自らのゴールまでシュートも決定機の演出もなく、セットプレーのキッカーとしても質の高いボールは供給できなかった。
さらに安藤はほとんど消えていたという表現でも言い過ぎではないだろう。
 

良くも悪くも昨シーズンまでのサッカーに戻ってしまい、ある程度ボールは持てるが崩し切ることが出来ない。

それでも水谷のピンポイントクロスからの菅澤の決定力と、そして何といっても塩越のスーパーゴールは圧巻で、両方とも一発というプレーではあるが2点差からの逆転という昨シーズンまでとの違いを見せてくれた。

さらにこの試合で最も評価したいのは終盤の戦い方だ。

開幕戦での2失点について、私は体力面ではなく昨シーズンから続くメンタル面の課題を挙げた。
すなわちポゼッションを高めて逃げ切ろうとボールを後方に下げることで逆に相手につけ入る隙を与えてしまう。
しかしこの試合ではボールを前に運び、奪われても前から前からプレスをかけて奪い返す。
結果的に相手が途中投入した攻撃的選手たちに仕事をさせず、後半の被シュート数は公式記録で1本のみだった。
言い換えれば新潟が嫌がるプレーをすることが出来たということではなかろうか。

心配された体力面については交代枠をしっかり使って補えたことも評価するが、むしろスタートから90分フルにプレーした選手たちの終盤の運動量の方が目立っていたくらいだ。


立ち上がりの2失点は分かりやすい課題ではあるが、それ以上にこの試合の終盤の戦い方を継続すること、もっと早い段階でリードする試合展開になっても忘れないこと、"逃げ切る"ではなく"押し切る”というイメージを大事にしてもらいたい。

ようやく昨シーズンからの宿題に一つの答えを示せたのではないか。

試合後の挨拶も届いていたぞ。


さて、次節から観客を入れての試合が予定されている。
ホーム開幕戦でもあり、相手はベレーザだ。
多少の気持ちの上ずりは仕方がない。

昨シーズンも開幕2連勝の後の第3節だった。
大いなる期待を抱かせながらも乗り越えられなかったあの日の悔しさにリベンジだ。

 

以上。