長嶋洸 移籍

1日に2つ、それも退団の記事を書くのは精神的にも辛いが、振り返るとどの選手にも印象深い思い出があることに改めて気付かされる。

長嶋洸　ニッパツ横浜FCシーガルズに移籍

レッズレディースユースでは加藤千佳と同世代で、日体大を経由してまた戻ってきてくれた選手。
ユースで成長してそのままトップで通用する選手になってくれるのは本当に嬉しいが、巣立った選手がこういった形でまた帰ってきてくれることの嬉しさも教えてくれた。

加入が決まって最初のファンサービスとなった2016年のレッズフェスタの日は、午前中にまだ在学中だった日体大の選手としてカンカレの3位決定戦に出場し、自らヘディングシュートを決めての無失点勝利というお土産を持って駒場に駆けつけてくれた。

新加入とはいえ2部の上位チームで守備の要として活躍していた選手であり、即戦力として期待し、その能力の片鱗は感じさせてくれた。
しかし代表実績のあるベテランや若手とのポジション争いに割って入ることができず、出場機会を求めての移籍ということになるだろう。

その能力の高さを強く印象付けた試合は2017年シーズンのリーグカップ、神戸戦である。
リーグカップを無敗で突き進むレッズレディースが神戸を駒場で迎え撃っての大一番。
しかし、直前のアクシデントで長船が欠場し、代わりに長嶋がスタメンに抜擢された。

長嶋は集中した守備で足元でも空中戦でも何度もボールを跳ね返し、積極的な配給で後方から攻撃を組み立てた。
先制されたものの逆転し、終盤は高畑も怪我でアウトするという緊急事態の中、南とCBを組んで最後まで粘り強く守り抜きチームを勝利に導いた。
特に読みの良さと出足の鋭さが際立つ素晴らしいパフォーマンスだった。

能力は高い一方でプレーの雑さが目立つところもあり、これは多くの実戦経験を積みながら改善していくものだと考える。
よって今回の決断を肯定し、後押ししてやりたい。

あのパフォーマンスを安定して発揮することが出来るようになれば、それだけで既になでしこ1部で通用するディフェンダーだ。

しっかりと目標を見据えて、浦和が生んだディフェンダーの一人として飛躍してもらいたい。

なでしこ1部のピッチでまた会おう。