2015年 RS第5節 浦和レッズレディース vs ベガルタ仙台レディース | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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■試合結果

2015年4月26日(日)13時キックオフ・浦和駒場スタジアム
浦和レッズレディース 2-2(前半0-2) ベガルタ仙台レディース
得点:23分 川村優理(ベガルタ)、25分 浜田 遥(ベガルタ)、

58分 吉良知夏、82分 柴田華絵


観衆 2,235人



■スタメン
前節前半で退いた猶本はダメだったようで、さらに千佳も欠場。
サブにはさっことようやく石井が戻ったがのんはまだ。
FPはカツカツで華をボランチに移し4人のFWを頭から並べ、さらにぶっつけ本番とまでは言わないが北川ひかるを左SBで起用。


サブにFW登録はおらず、前日ユースの試合にフル出場したながふうを入れ、和田をMF登録。(和田は試合前のウォーミングアップでは右からのクロス、HTには左から切れ込んでのシュートを念入りに確認。)


リードされる展開になったら点を取るための手がない状況に先行逃げ切りしか勝機はないと感じたのだが、結果的にはいい意味で裏切ってくれた。



    白木 後藤


  吉良     清家
    岸川 柴田


北川 高畑 乗松 栗島
      平尾



サブ:池田、鈴木、千葉、臼井、石井、和田、長野


*フォメで並べてみると改めて違和感あるね。



■途中交代

55分: 白木 -> 長野

清家がトップ、華が右SHにそれぞれ移り、ながふうはセントラルに入ったが、ツーボランチではなく明確にながふうがトップ下に入ったように思う。


78分: 栗島 -> 臼井

同ポジションでの交代。



■得点シーン

23分:川村優理(仙台)、

ハーフウェイからペナルティエリア内に簡単に縦パスを入れさせ起点を作られると、クロスまで持っていかれ、跳ね返したセカンドボールもほぼフリーで拾われて中央からミドルシュート。


25分:浜田 遥(仙台)、

自陣左サイド深くから相手のスローイン。
ペナルティエリア内に放り込まれたボールに走る選手を掴みきれずに抜けられ、クロスを合わせられる。


58分:吉良知夏、

中央の岸川から左サイドの北川に大きく展開。
北川からディフェンスとGKの間に絶妙なクロスが入ると、走り込んだ吉良が足を伸ばして合わせる。
岸川の展開力と北川のクロスの精度もさることながら、岸川が持った時に吉良は2列目から裏へ走り出しており、パスは出なかったものの北川にスペースと時間が出来、そのままの流れで飛び出して北川のクロスを呼び込んだ動きを評価したい。


82分 柴田華絵

相手陣内左サイドで清家がキープし、追い越して飛び出すながふうにスルーパス。
ペナルティエリア内左サイドに侵入するとマイナス気味にグラウンダーのクロス。走り込んできた華が冷静に流し込む。
裏へ飛び出したながふうの動き、中央で前に入りディフェンスを引っ張った三知、フリーのスペースに走り込んだ華のタイミングと運動量、すべてが素晴らしい流れのあるゴール。



■試合内容
序盤からレッズレディースが攻勢。
前節新潟戦の後半のようなバランスで両SH、両SBが高い位置を取り押し込む。
また新潟戦からの修正としてシュートの意識が非常に高かったのが良かった点。
さらに北川がファーストチョイスをゴール方向へと強気な姿勢をみせると、スタジアムも一気に押せ押せムードに。
吉良のゴールポスト直撃は個人で反省すればよいことで、それ以上にあの形を作れたことが大きな収穫。


一方で仙台の方は高い気温を考慮して意識的に抑えていたような入りだったが、決定的な形を何本か作られるとやや運動量を増やして前線からの守備をスタート。
戦術的にはこのところいくつかのチームがやり始めたフォワードが高い位置を取りレッズレディースのサイドチェンジのコースを塞ぎ、詰まって縦に蹴ったボールを狙うやり方。


そうするとボランチがボールを受けやすくなるはずなのだが、猶本が不在の中央に対し川村選手の読みと機動力が上回り、徐々に序盤の勢いが落ち始めると23分、25分に連続失点。
良い流れの中でのもったいない失点だったが、いずれもペナルティエリア内で簡単にマークを浮かせってしまったのがきっかけになっており、栗島や北川は器用で能力の高い選手ではあるが、経験も足りない急造であることを痛感させられる。


後半に入り早い段階での得点が欲しいレッズレディースだが良い形を作れず。
目立ったのは両チームのラインで、きれいに3本等間隔で並ぶ仙台に対し、レッズレディースのラインはばらばら。
仙台が開幕から安定した戦いを続けてきた要因が垣間見え、毎試合失点が続くレッズレディースとは対照的。


流れを持って来れないと見るや早々にながふうを投入。

ながふうはボランチに入った時の動きすぎずシンプルに的確にボールをさばくプレーではなく、広く動き回りアグレッシブにプレー。


吉良の同点ゴールが生まれると、そこからジリジリ手に汗握る展開。

前節の新潟ほど低い位置ではないが、しっかりとブロックを作る仙台に対しなかなかシュートが打てず、逆に危ないカウンターを何度かくらう場面もあった。


時間がどんどんなくなっていく中で、仙台のブロックを崩したのはながふうの走りだった。


素晴らしい同点ゴールに歓喜すると、もう一点とスタジアムも後押しするがタイムアップ。


2-2のドロー。



■まとめ

課題と収穫の両方が多くあった。

怪我人も多くメンバーを変えざるを得ない状況で、前節からの修正として入りのアグレッシブさとシュート意識が高かったのは評価したい。

逆に後半は2得点したものの、リードしてバランスを取る相手に公式シュート数わずか3本だったことは反省材料だ。


また守備の不安定さは相変わらずで、両サイドバックのポジショニングは急増感が否めない。

やはりSBはディフェンダーであり、攻撃面では私も雑と酷評した堂園彩乃が最少失点に貢献し重宝された理由がここ、、、と思いながら帰っていたらゲート前で遭遇。


個人に目を向けると北川は前節足りなかった勇気の部分を補ってくれ、吉良の左SHも千佳や途中から三知が下がった時の動きとも異なり、得点シーンも含めて決定機に絡んだ。

華の運動量もながふうのアグレッシブさも高く評価できる。

一方で昨シーズンとの差分でいくと清家の不調は気になるところで、アバウトに縦パスを送れば個でなんとかしてくれるのではないかとの期待が中の選手にも観客にも、もしかしたら監督にもあるのではないか。

もう少し良さを引き出す動かし方、サポートが欲しいところ。

ただ右SHとしての守備意識の低さは論外だ。


「この試合をすべてだと思って戦う」と掲げた吉田監督だが、4人のFWをスタメンに並べて2点リードされる展開は失敗と言わざるを得ない。

ながふうがの攻撃的起用も前日にユースの試合にフル出場させていたことから、想定して準備してきたものではないだろう。

漏れ聞こえた指示も局面が変わるごとに「出ていけ」、「つなげ」、「戻れ」と瞬発的にわめき散らしていたようにも感じ、必死さは伝わるが選手をうまくコントロール出来ていたのか、この試合は選手の頑張りに助けられたという印象。


2点ビハインドからの後半の同点劇で勝ったかのような試合だっただが、冷静に考えると上位とは差が開いてしまった。

ただ選手たちには「よくやった」と言いたいし、得点シーン自体も素晴らしかった。

この結果をポジティブに捉えて連戦に臨みたい。



以上。