2015年シーズンへ向けて(3): 戦術的な取り組み | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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今回はレッズレディースのチームとしての戦い方に関する期待と注目ポイントを述べたい。


当ブログのなでしこ交流戦に関する記事では「結果自体は気にしないが、怪我人が多く新しく取り組んでいることは見えてこなかった。」というニュアンスで指摘をした。

逆に一つだけ見えていたのはラインを押し上げて攻守の切り替えを速くすることで、これに関してはその後も口酸っぱく言われ続けている。


先日の仙台とのTRMで漏れ聞こえた指示も「狭いところにいかず、詰まったらすぐ(サイドを)変えろ」、「難しい選択をするな」、「攻守の切り替えを速く」、「ラインの上げ下げをしっかりと判断しろ」など、これまでの継続と積み上げである。


加えてなでしこ交流戦の時期は疲労がピークだったと考えられ、そのころと比べるとコンディションも上がり攻守の切り替えに一歩目の速さやチームとしての連動が伴ってきている。


思えばレッズレディースが昨シーズン優勝できた主要因はここだと考えており、鋭いプレスで敵に大きな展開を作らせず、逆に奪って速く攻めきったり、また得点力が落ちても安定した守備で勝点1を拾い続けられたのはこの徹底により組織が多崩れしなかったからに違いない。


まずはハードワークから、そしてシンプルに空いているサイドを使う。
シーズンスタートはこれを徹底的にやり続けるということで良いだろう。

その上で局面でのコンビネーションや、個の特徴を活かした攻撃を徐々に積み上げていければ良い。

極端な見方をするならば、シュート数よりもSBのオーバーラップ数に着目するようなイメージを考えている。


ディフェンスではCBに長船、右SBに乗松が入るであろう4バックが最初からどれだけ安定して機能できるのか、プレシーズンは怪我人も多かったので若干の不安もある。

まずはラインの上げ下げからではあるが、中盤のプレスに連動してボールを的確に刈り取れているかもしっかりと見ていきたい。

また乗松のポジショニングは非常に注目しており、ビルドアップの時の幅と高さの取り方や、守備の時には1対1の対応だけでなく堂園彩乃が裏方としてこなしていた3人目のCBの役割をどこまでやりきれるか、右CBとして1シーズン間近で見て感じてきた乗松が、彩乃の良い面をどれだけ自分のものにできるか楽しみにしている。


攻撃ではトップとSHの関係性を注目したい。

良い攻撃どまりではなく得点を奪いきるためには、軸となるサイド攻撃からいかにフィニッシュまで持っていけるかだ。

先日のTRMを観ても白木がスタメンの座を奪う可能性が高いのではないかと期待している。

白木が入るならば単純な中央の高さに加え、サイドに流れて突破するパターンも考えられる。

白木が流れて千佳や華がゴールに近い位置で勝負できるようになると面白い。

そして三知が起点ではなくフィニッシャーとして昨シーズン物足りなかったゴールで貢献してくれることを期待している。



つらつらと述べてきたが、ようやくチームもチームらしくなり、ある程度攻守に良いイメージも持てるようになってきた。



話しはずれるが、ここ最近色々なカテゴリーの試合を観戦している中で思うことは、昨シーズン作り上げたレッズレディースの戦術的完成度はかなり高いのではないかということ。
例えばJ2の試合なんかを観ても、個のスピードやパワーによる迫力は桁違いだが、人の配置と動き出しの拙さや、パス回しのもたつきや迷いには「うちのチームならもっと・・・」と思うことの方が多い。
(もちろん目指す戦い方も異なるし、私がレッズレディースのスタイルに慣れすぎているという面もあるが)


言いたかったのは、我々はこれまで積み上げてきた戦い方に自信を持ってよいということ。


そして今シーズンが終わった時、その上にどんな成長が積み上げられるのだろうか。


"可能性"という言葉の美しさに魅了されている。



以上。