さて、いよいよ今シーズン開幕戦のプレビューだ。
既に少し前から頭の中をいろいろな妄想が駆け巡り続けており、何度INAC神戸と戦ったことだろう。
そんな妄想と客観的分析とチームへの期待を織り交ぜながらプレビューさせていただく。
■前回の対戦
2014年11月16日(日) 13時4分キックオフ・ノエビアスタジアム神戸
INAC神戸レオネッサ 0‐0(前半0‐0) 浦和レッズレディース
シーズンも変わったので試合内容を深く掘り下げることはしない。
レッズレディースは勝てばリーグ優勝の可能性のあった試合であり、負ければプレッシャーのかかるリーグ最終戦が待ち受ける状況。
前半の早い段階で猶本が怪我で退き、ながふうを投入するというアクシデントもあった。
選手たちには伝えていなかったとのことだが、引き分けでも良しのゲームプランの中で最後は5バックでしっかりと勝点1をもぎ取ったのは今考えても素晴らしいマネージメントだったと言いたい。
■INAC神戸レオネッサ
不本意な2014年シーズンを受けてのえげつない補強。しかも多くが長く代表やクラブで共にプレーしてきた選手達。監督も実績のある松田氏を招聘し"圧倒的なサッカーで全タイトルを"なんて記事も踊っている。
プレシーズンは昨年のバタバタした監督人事と異なり、早い段階で監督も発表されて始動。なでしこフル代表のアルガルべカップ、U-23のラ・マンガ国際大会に多くの選手を送り出したが、チーム作りには十分な時間があったと推測する。
また、大きな怪我人の情報も聞こえてこない。
プレシーズンに行われた忍びの里レディーストーナメントでは代表組を揃えた決勝で伊賀に0-3で敗れたとのこと。
内容は耳に入っていないが、代表組はアルガルベカップから戻ったばかりだったし、逆にリーグ開幕に向けて危機感を煽る良い薬になったとも考えられる。
ただアルガルベカップでの動きやその後漏れ聞こえてくる情報からも選手個々のコンディションにはばらつきがあるように感じられる。
外向きには"圧倒的なサッカー"と言ってはいるが、相手を見ながらゲームマネージメントするのが上手い監督とそれをすぐに体現できる経験のある選手が多いだけに、アウェイでの開幕戦、相手は昨年女王というなかどのようなゲームプランで臨んでくるか興味深い。
ただひとつ昨シーズンの悔しさを胸に強い気持ちを持って挑んでくるのは間違いない。
■スタメン
シーズン開幕戦であり、スタメン、リザーブの人選が最初のみどころであろう。
各ポジションの争いについては先日の記事で詳しく書かせていただいたとおり。
ここでは公式発表されている先日のTRM仙台戦の先発メンバーがスタメンと想定して話を進めるが、FWに吉良知夏、ボランチに藤田のぞみ、左SBに臼井理恵、GKに平尾知佳などは入れ替えがあってもおかしくないポジションだ。
また怪我で出遅れていた選手たちも戻ってきたとはいえ公式戦の緊張感の中で90分戦える状態なのか、この1週間でのコンディションの仕上がりも気になるところ。
リザーブではアクシデント時のバックアップは当然ながら、戦術的には終盤の清家投入と逃げ切りの5バック、左SB同士のスイッチは昨シーズンからの流れ。
さらにはのんの復帰でボランチが3枚揃うので中盤のリフレッシュも想定内だ。
興味は点がほしい場面での清家の次の一手。
単純なFW同士の交代の他に華を中央に入れFWタイプの選手をSHに入れる手なども考えられるだろう。
終盤の追う展開は望まないが、交代枠の使い方は楽しみなところ。
■みどころ
当然試合の入りは最重要ポイントだ。
開幕戦での緊張感や高揚感は少なからずあるだろう。
逆に神戸は経験のある選手が多く、アウェイということも良い方向に作用する可能性がある。
まずは攻守の切り替え、早い球離れ、ラインの押し上げという自分たちのやるべきことに集中していきたい。
またとにかくハードワークして飛ばし気味で入ることが必要だろう。
試合終盤疲れが出るとしても、ホーム駒場が全力で支え後押しする。
120%でスタートを切りたい。
ただし敵もレッズレディースのプレッシングは想定済み。
うかつに中央の網の中に飛び込むことはせずピッチを広く使い、場合によってはロングボールも織り交ぜて前線の速さと強さのある選手たちを活かしてくることも予想される。
プレスは中途半端にならず、苦し紛れに蹴らしたり、下げさせるところまでしっかりとやり切りたい。
とにかくボールサイドだけでなく、全体の人の運動量に注目だ。
主導権争いではサイドの攻防がポイントとなる。
どちらのチームのSBが高い位置をとれるか、SBやSHだけでなくFWが深い位置に起点を作って敵を自陣に閉じ込めたい。
ひとつ前の記事でも記載した、両SHがワイドではなくゴールに近いところで勝負する形、千佳や華のシュート数が増える形を期待したい。
守備面で最も怖いのは相手の個の力。
名前だけで恐れることはしたくないが、それだけの能力を有している選手がいることは間違いない。
中盤のプレスが機能しているように見えても、最終ラインはしっかり人を捕まえ、球際の勝負でも強い気持ちで戦ってほしい。
ビルドアップでは難しいことはせず、シンプルにいきたい。
相手はサイドチェンジの横パスをかっさらう狙いもあるはずだが、これまで積み上げてきたものに自信を持ち、恐れずに相手を上回るスピードと精度で勝負だ。
加えて三知、白木とロングボールのターゲットが2枚になったので、詰まったら蹴るというのも念頭に置きながらプレーしてほしい。
そして終盤の消耗戦は望むところ。
走り負けない自信はあるし、最後は清家という切り札で勝負できる。
今シーズンは昨シーズンにも増して、わかっていても止められない清家を見せ、勝負を決めてくれるだろう。
■試合へ向けて
まずは今年もこうして開幕を迎えられることに感謝。
そして一戦一戦を大切にしていきたい。
なんか気温も高くなる予報だし、溶けてしまうくらい熱い試合にしたい。
最後は会心の勝利で歓喜の瞬間を迎えよう。
以上。