ピンク・フロイド The Endless River | セカンドライフの生きがい

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医療事務システム開発・販売会社を譲渡後、61歳でセカンドライフに入りました。別の仕事を続けながら生きがいを探す日々です。

今月発売になったプログレッシブ・ロックのアイコン、ピンク・フロイドの20年ぶりのスタジオ録音アルバム「The Endless River」邦題 永遠(TOWA)を買いました。

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「The Endless River」のアルバム・ジャケット

私が最近買うCDなどの音楽アルバムは、専らクラシックで、ロックはほとんどありません。しかし、ピンク・フロイドの新作となると聴かないわけにはいきません。彼らの「狂気(The Dark Side of the Moon)」や「The Wall」などの代表作は、いわゆるポップスとは一線を画すメッセージ性の極めて強い作品で、アルバム全体を通して聴かなければその良さが分かりません。クラシックの組曲や交響曲に近いと言えるでしょう。そのためか、若いころはそれほど好きなバンドではありませんでした。当時、同じジャンルでは、イエスやEL&Pの方が、親しみやすかったので、よく聴いていました。

ピンク・フロイドの良さが本当に分かるようになったのは、1995年にリリースされた「P.U.L.S.E」(邦題 驚異)です。これは、その前年に発売されたスタジオ録音「The Division Bell」(邦題 対)の世界ツアーのライヴ・アルバムで、ロジャー・ウォーターズは不参加でしたが、デヴィッド・ギルモア(G)、リチャード・ライト(Key)、ニック・メイスン(Ds)は顔を揃えました。CD2枚に約2時間半の演奏が収録されていますが、このアルバムを価値あるものにしているのは「狂気」の全曲がノーカットで再演されていることです。充実した演奏を秀逸な録音で聴くことができる傑作でした。なお、アルバム・ジャケットの背表紙には、発光ダイオードが埋め込まれていて、タイトル通りに点滅する仕組みになっていました。1年近く動作したので、よく覚えています。

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「P.U.L.S.E」のアルバム・ジャケット

さて、「The Endless River」です。90年代以降のピンク・フロイドは、デヴィッド・ギルモアのギターとリチャード・ライトのキーボードのコラボが中心で、音質が極めて重要です。ですからハイレゾ音源が欲しいと思い、HDtracksを覗いてみると、ボーナス・トラック3曲付きのDeluxe versionの24bit/96KHzのFLACを販売していました。HDtracksは、アメリカのネット通販サイトで、最近まで日本で購入することはできませんでしたが、今は、クレジットカードで簡単に買えます。CDよりは高いですが、新譜だと10%ディスカウントもあり、このアルバムは、23ドルでしたが、21ドルと手頃な価格で買うことができました。


演奏内容ですが、これは先ほど紹介した94年の「The Division Bell」のセッションで未発表だった20時間分の録音をデヴィッド・ギルモアが再編集したものだそうです。全部で18曲ありますが、数曲ずつSide1、2、3、4と4つのパートにまとめられており、20時間を約1時間に編集・凝縮したからでしょうか、全曲が、ほとんど切れ目なしに演奏されます。なお、最後の「Louder Than Words」はヴォーカル入のナンバーですが、それ以外は、すべてインストゥルメンタルです。

ですから、ピンク・フロイドの新作ということになっていますが、演奏そのものは20年前なので、厳密な意味では新作と言えません。しかし、「The Division Bell」と同じく音楽的には高いクオリティを維持しており、2014年に聴いても、少しも古臭さを感じさせません。大げさに言うと、ピンク・フロイドのサウンドが、時空を超えたところにあるからでしょう。買って良かったと思います。

なお、音楽関係のニュースによると、デヴィッド・ギルモアが、ピンク・フロイドの次回作が作られることはないと明言したとのことです。理由は、2008年にリチャード・ライトが他界したため、彼のいないピンク・フロイドはあり得ないからだそうです。ファンとしては、残念ですが、「The Endless River」でもリチャード・ライトの存在感は非常に大きいので、仕方のないことかもしれません。今後は、デヴィッド・ギルモアのソロ・アルバムに期待したいと思います。